【RX 高岡】 2023.06.18 Niseko Classic 2023 150km RR. Men Age 45-49 優勝
ニセコクラシックとは
UCI公認のグランフォンド・ワールドシリーズの1戦という位置づけで割りとステータスは高い。
150kmの1ループで↑2,600mというコースは走りごたえあり力のある者しか勝負に残れない。
国内ではツールドおきなわの次にアマチュアレーサーにとってステータスのある大会、と個人的には思っている。
年齢カテゴリーで上位25%に入るとUCI Gran Fondo 世界選手権の出場資格が穫れる。というのも大きな特徴ではあるけど、日本においてそこを目指してやっている人はあまり多くない。世界選手権が主に欧州開催であり、そこで走る地理的・時間的・金銭的ハードルは高い。
私はそこを目指すが、上位25%というのは頭にない。
南のおきなわでは勝てているけど、北の大レースであるニセコクラシックではまだ勝ったことがない。勝ちたい、というのは毎年変わらぬ目標。
表彰区分
記憶している限り4回目の出場。
2017年は田崎さんに負けて総合では2位。年代別では優勝。
2019年は終盤に85kmレースの方がコーナーで転けてい、それに突っ込んで落車。
2022年は全体では3番目。年代別では優勝。
なぜかいつからかは分からないが、同じレースをしているにも関わらず全体での順位・表彰はなく、ゴール後に年代別に順位をつけて発表するという方式。
自分の中では45-49歳のカテゴリー優勝よりも、全体のレースで1番を取りたい、という気持ちで臨んでいる。
公式には”総合優勝”という記録にはならなくても、同じレースで勝負する以上負けたくない。
4回目の挑戦の今年、年齢カテゴリー関係なく勝負して、全体で勝ちたい、というモチベーションで臨む。
同じレースを走りながら、つまり同じゲームをやっているようで、実は勝負と関係ない人たちと競っているという大きな矛盾があるレース。
全体(総合)のリザルトも表彰もないところに目標を持って走るという、おかしなレース。
レース
天候は晴れ。雨の心配はない。最低気温は13℃ほどでスタート時間は6:15AMなので朝寒いのを心配したけど、天気は良く寒さも問題にならなかった。
スタート〜0km
19−34カテゴリーがスタート。30秒後に35−39、30秒後に40−44、30秒後に45−49がスタートするので、先頭から1.5分後。
しかし最初はパレード走行で先頭はゆっくりと抑えられており、後ろのカテゴリーが合流して一塊になってからリアルスタートが切られる。
スタートを時差とするのは大人数が一斉にスタートするのが危ないからだろうけど、危ない大人数が走りながら一緒になる(後ろが追いつく)というのはもっと危ないというのは普通に考えれば分かりそうなものだが。
ゆっくりに抑えられている先頭集団に急いで追いつく後続グループが速度差を持って合体していく。毎年この区間非常にストレス。
無事にリアルスタートまでにある程度前方まで移動出来た。登りで先導バイクが速度を上げてレーススタート。
0km〜30km
4時間のレースなのでウォーミングアップは軽く走るだけだが、パレード区間もあってスタートに問題なく対応できた。
試走で単独で走っているとえげつなく感じるアップダウン区間も集団で走るとかなり流れる。そして調子は良いのを感じる。
心拍も素直に上がっているし、序盤の登りにありがちな脚がオールアウトに近くなるような感覚もなく、非常に落ち着いて走れている。
30km〜パノラマライン
序盤の一番大きい山。頂上が分かりづらいが、下りに入る前までだと16kmほど。ただ一度平坦が入るので、登りっぱなし区間では12kmで30分くらい。
昨年はヒルクライマー(田中さん)がペースを作っていたのもありけっこう速かったけど、今年はそれがなくてマイルドなペース。だいぶ余裕を持って登れた。
下から昨年優勝の石井さんがアタックして5名ほどで逃げる。1分くらいの差で集団は登りをクリアしたみたい。今回はバイクからの情報がいつもよりも少なかった気がする。
強い選手が前に行っているが、このコースで序盤から逃げ切られるというイメージはないので特に焦らない。
北海道らしい雄大な下り。コーナーはあまりきつくなく、それゆえにかなり速度は出る。
無理しないで少し周りと車間開けて走る。皆が上手に走れるわけじゃないという前提で走らないと痛い目に遭う場合がある。
下り〜補給所
下りから補給所までは緩急ありつつもほぼ一貫して下りなので、集団の力が大きい。途中元富士ヒル優勝の田中さんが左折気付かず直進しそうになる。危ない。誰も巻き込まずに良かった。
前との差が詰まっていたのでこの下りで追いついておきたいところ。逃げが継続しているうちは、後ろの集団でトイレストップするわけにはいかないから。
補給所の手前で無事に逃げは全部吸収。
いつも通り補給所過ぎてすぐにトイレストップ。昨年はたしか3人ほどだったが、今年は30人は止まったか。
焦ってすぐにダッシュして戻っては後ろの人が可哀そうなので、皆が終わって追走集団が形成されてから皆で均等に力使って徐々に上げていけば良い。
焦らないで行こうと声かけたのは、焦ってダッシュして我先にと追わなくても良いよという意味だったけど、集団形成されて先頭を追わないといけない段になっても先頭交代回らず集団のペースが上がらず。先頭集団は紳士協定で一時停戦をして待ってくれているのに、後ろがいつまでも追いついてこなければレースが始まらない。集団がまとまったら早く追いつく為にローテーション回さないといけない。ということも声かけて音頭を取らないとわからないか。
30人もいれば、1人5秒だけちょっと強めに集団牽けば、あとは勝手皆が続いて一巡する頃には簡単に追い付くんだけど。
ニュートラルで一時停戦
例年になく大きな集団に二分されたけど、ほどなくして追いついて一つにまとまる。さてここからレース再開、というところで審判バイクから赤旗が降られてニュートラルが指示される。
どうもこの先で大落車があって倒れている人がいて、数台の車が止まっているらしい。
審判バイクの指示どおり集団は再びスローダウンで進む。
問題の落車現場は両サイドに車が停まっていたので注意して通過。選手が道端に倒れて毛布がかけられているのが見えた。
その時は毛布がかかっていたからまさかチーム員だとは思いもしなかった。
日本海ワンタッチして強風の平坦区間
落車地点を通過してからレース再開。
スローダウンした分いきなり活発で逃げが出来る。
TRYCLE、元オリンピアンの内間さん、川勝さん、小出さんなど、前半から積極的に走っていたメンツが引き続き活発に動く。
ここで5名逃げが決まる。風が強いけど基本追い風基調の区間であっという間に差が40秒ほどに広がる。
有力勢はまだ後ろに多いので動かない。
自分の中で、直前の富士ヒル2位の田中さん、元富士ヒル優勝の佐々木さん、札幌じてんしゃ本舗の平口、Yurifitの小橋、あたりを警戒していた。
追加10km区間〜蘭越
直線平坦から右折してしばらくちょっとした短い丘に入る。昨年はアタックがかかり3人逃げが発生した場所。結果的に昨年のあの動きは失敗だったと思っているので、今年は新見の登りまで動かないと決めている。
右折前から佐々木遼さんが先頭でペース作るので2番手につく。そのまま右折して上げていった。2番手なので着いていくしか無いけど、キツイ。
かなり速いペースで登っていたので思わずダンシングで登ってしまった。
後ろを見なかったけど、あとでレース動画見たら5人ほどが前に少し先行していた。やっぱり集団は離れていたのか。どうりでキツかったわけだ。
なんとか頂上までもって先頭付近で通過。
ここで平口が前に出る。昨年のデジャヴか。
けど今年はまだ動かない。
4名ほど先行する場面もあるけど、逃がさない程度に後ろを走りながらも自分からはまだ動かない。
小出さんが逃げに乗っているロードレース男子部がローテーションに常に入って抑える動きをしているのは目障り。
少々の丘区間を終えるとまた新見の登りまでしばし平坦。風が強い。
ちょっと逃げが気持ち悪いタイム差なので集団が止まらないようにしたいが、大集団でも先頭に出てくるのは1割未満。ホビーレースはそういうもん。
2分くらいの差で蘭越へ。ここから12分ほどの登りで勝負が始まるのは明白。
新見の登り〜KOM
昨年はここでペースが上がった時に対応できなかった。しかし千切れながらも粘ってなんとか差を最小限にとどめて、緩くなったところでも諦めずに追走(千切れ)集団で追いかけて追いついて、そこからも何度も千切れそうになりながら根性だけで着いていった。
今年も同じようにキツイだろうけど、同じように我慢しよう。そうすれば最後はなんとかなると思っていた。
しかし、序盤でペースが上がった時に自分のキャパ以上だと感じたのは昨年と一緒。その後、今年はまったく粘れなかった。
こんなはずじゃないと思いながらだんだんと集団が遠くなる。なんとなく、昨年のような粘りと根性がなく、『あー今年はこれで終わりか、、、』と悟った。
見た感じ20名弱のメイングループ(RX木村が底に残っている)、10秒ほど遅れてやはり20名弱のグループ、そこから遅れた私。
第2グループまでに残っていれば、まだ可能性はあったと思う。
しかしそこにも残る事が出来なかった。
なんで残れなかったのか。ただ自分が弱いから以外の理由がない。
昨年はたまたま残れて、最後は3位になれた。けどよく考えたら昨年も力は劣っていた。昨年できて今年出来ないのがおかしいのではなくて、昨年がたまたまだっただけな気がしてきた。
根本的に強くならないと、毎年そんなにラッキーな展開になるわけがない。
遅れてから4名ほどで進む。もう失うものは何もない。得られるものも無いかもしれないけど、まだまだレース活動は続くので、今後に少しでもつなげるために、フィニッシュまで全力で行こうと決めた。
黄金温泉〜フィニッシュ
下りは安全に飛ばして、登りは脚を溜める事考えずに自分のペースで行く。
4人が登りで外国人と2人になり、また4人になり。
登りは自分が一番踏めていたので、気にせずプッシュし続けたらやはり最後は外国人と二人になった。
最後の急な登りを終えて右折して県道に出るところではペースを限界まで上げて千切ろうとしたが、外国人は千切れず。
そこから約5km、フィニッシュまでの緩い上り基調のアップダウンは風強い中、できるだけエアロポジションで踏み続ける。いつか役に立つと思って最後まで力を抜かずに。
ラスト300mでも流さずに力を出し切ってフィニッシュ。
表彰・来年に向けて
数十人前に行かれてしまって、全然自分の臨むポジションではなかっけど、とりあえず無事に帰ってこれた。
課題は1年かけて改善してリベンジするしかない。
新見の坂で遅れながら前の集団を見て、同じ色のゼッケン(45−49)が居ないなぁ、、、と思っていたのでもしかしたらと思ったら、一応Ageカテゴリーでは優勝していた。
優勝したけど、まったく心は晴れない。
狙っているのは全部のカテゴリー合わせたレースでの1番。
しかし記録上そういうレースは存在せず、それを達成したとしても、結果としては今日と同じ。
なんかその矛盾がある以上このレースを目指す意味あるのか?と思う微妙な心境。
コースは素晴らしく、毎年多くのライバルたちがこのレースを目指してやってくるので、2017年のように総合でも順位をつけて表彰して欲しい。
最後にチーム員に関しては、残念ながら福田さんが大落車をしてしまい入院中。
今田さんは85kmの55−59で2位。Endyが85kmの35−39で2位。木村も一番激戦の19−34で一桁順位。
その他も無事に完走。
また来年、各自レベルアップしてここに戻って来たい。
おしまい