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【RX 高岡】 2024.04.21 JBCF東日本ロードクラシック E1 優勝


概要

位置づけ:昨年8周ほど単独で逃げて優勝しているので、勝ちたい。JBCF E1のレースで一番長い距離なので、勝ちたい。自分だけではなく大前・木村という超強力布陣なので、RXで絶対に勝ちたい。
そんなレース。

距離:138km=6kmx23周(群馬CSC時計回り)

天候:曇り 気温15℃

結果:優勝 高岡、2位 木村(RX)

ライバル:名前を挙げたらきりがないくらい。

レース内容:後半に抜け出し4名→最後はRX木村と2名で逃げ切り優勝

自己評価:★★★★★(5/5) これ以上何を望めるか。最高の日

レース内容

このレースは特別に勝ちたいと思っていたので、緊張していた。良い意味での緊張。すごく集中していたと思う。

スタートラインに並んでいる最中に小雨が降ってくる。嫌な予感。山の中故に安定しない天気だけど、予報によれば夜まで降らないので、軽い通り雨くらいであることを願う。

スタート直前になってこの上からウィンドブレーカーを着て雨でウェアが濡れないようにしてスタートした。

以下ガチンコサイクルTVでレース動画見て思い出しながら。

序盤 好調を確認

2周目には中司(なかつかさ、以下ナカツ)選手が2名で飛び出す。
その後にBalbaの井上和郎(カズオ)選手も合流して5名の逃げ集団になる。
二人共強い選手。ただ事前情報で、カズオはそんなに仕上がっていないらしいと。
この人数であれば残り距離考えると行かせてヨシ。

序盤は8分台後半で進むけど、ほとんどシッティングも登りで走れている。これは調子が良い証拠。
3周目の終わりには軽くアタックして抜け出してみたり。序盤からキツさはなく身体が動くのは珍しい。
あまりにも疲労困憊で今週はガッツリと休養に充てたのが良かったようだ。

4〜6周目くらいではまた4−5名の先行集団ができるけど、大きな差にはならない。

8周目のリフトの登りで軽くアタックしてみてペースアップ。それは決まらなかったけど、次の心臓破りの登りで寺崎(Balba)がアタック。ついていく。
寺崎選手はスプリントが超強くてパンチ力もある選手だから、いつもなら終盤以外でのアタックにはついていかない。スピードが違うからそもそも着いていけないから、それがきっかけのペースアップに乗って協調して追いかける形になる。
しかし今日は登りの寺崎のアタックにも反応できた。
頂上過ぎてパラパラと合流してきて、10人程度の小集団に。その後分断された集団も追いついてきた。
まだ勝負は始まっていないので一旦落ち着くけど、余裕のある自分は厳しいレースにしたいので、そのまま前でペース上げてみる。
8周完了時点は1位通過で、その周がベストラップで8’24だった。

中盤 ハシモトセイヤ選手含んだ逃げ

その後ペースが落ち着いた。大前がさっきのペースアップで後ろの集団は分断されて前の方が30名くらい。と教えてくれた。つまり集団は大きいけどペースアップがあればついてこられるのはその程度。その中には1回は耐えられるけど、2回目・3回目で落ちていく人が必ずいるので、9周目にして集団はそのくらいの戦力になっている。

ペースが一旦落ち着いた後の9周目の登りでちょろっとペースアップで数名が抜け出す。TRYCLEの橋本セイヤ選手が抜け出しているのを確認したけど、ここは放置。
放置、とは言え、Zwift・ヒルクライムで今一番勢いのある選手。StravaKOM獲り合戦見てるとそんじょそこらのプロより実走でも速い。しかも富士クリテでは平坦を単独で逃げ切る力があるので、油断できない。

まだ14周あるので行かせながらも、終盤に確実にキャッチできるように差を1分程度にとどめたい。と思い集団前方のローテに入ってペースがあまり落ちないようにコントロールした。RXの木村君にもその旨伝える。

RXは大前という、アイサンレーシングでもスプリントを担当したこともあるくらいの実力者がいるので、うっかり逃げをいかせてしまうような失敗をしなければ勝てる確率は高いと思っている。
なので多少自分の脚を使ってでもレースを他人任せにして失うリスクを減らす。

9〜14周まで橋本、イナーメ、沖縄の石川番長の3名逃げが続く。
ただ差は1分を越えない。ここは非常にうまくコントロールできていたと思う。

後半 4人で抜け出し(※レース動画見て修正加筆)

逃げのペースが緩まり、15周目に入り一気に吸収。
どうしてそこで、とかいけると思ったかとか、聞かれても分からない。
とにかくレースに勝つために集中している時はいつもそうだが、15周目のリフトの登りで仕掛けた。
頂上過ぎまでダンシングで駆け上がったら、セブンイレブンの西尾選手だけついてきた。
まだあと8周半=50kmある。
決まるにしても決まらないにしてもアタックしてペースアップして、厳しいレースにすることは絶対に無駄にならない。

後ろを見ると数人追走に入っているがその後ろの集団動かず。
少人数で逃げれば50kmは全然逃げ切れない距離ではない。

直後の心臓破りの坂で2名が追いついてきて4名の逃げに。追いついてきたのはRX木村とナカツ選手。その後ろの集団とはけっこう差がついた。
チームとしての事前にやるぞと話し合っていた事が活きた。

昨年は2時間過ぎてから自分が飛び出して勇気を持って逃げ続けて、優勝できた。
このコースをそこそこのペースで走り続けていると、大人数いる集団の中でも勝負する脚を残している人の数は意外と少ない。人数多いが故にペースが上がらないというフラストレーションはいつものことだ。
それに比べて、4人で飛び出した逃げ集団は、人数は少ないけど”逃げ切る”という共通目標に向けてペースを落とすことなく一定で走り続けられるメリットは大きい。
それに加えてRXは、逃げvs追走という厳しいレース展開になれば、たとえ逃げが徒労に終わったとしても大前が必ず最後に勝ってくれるという安心感がある。

15/23完了で後ろと約25秒差で4名の逃げ。いや、西尾君はほぼ最後尾固定なので実質3名の逃げ。それでも逃げの相棒のナカツ・木村は心強い。

レース中盤、皆がもうヘロヘロで反応する脚がなかったというわけでは決して無いはず。ただまだ50kmある。そのうち捕まるだろう、という誤った判断のもとで容認されたんだと思う。

対してこちらは、8周を単独で逃げ切った経験もある。それに比べれば今年は脚のある相棒が2人いる。そして一か八かではなく、捕まったとしても大前というエースが後ろにはいる。これは千載一遇の機会だ。

とにかく1分差がつくまで頑張ろうだいたい集団は9'15程度で周る。速いと9分切ったり。しかしペースが下がると9'30近く。9分フラットで回れば4周で1分差が付く。
とにかく逃げの大きなメリットは、共通意識の下でペースを一定で走れる事。

3人でローテーションするが、ペースが合わないと感じる。自分が逃げるイメージの速度から、ローテーションすると2人のペースが少し落ちる。
しかし逃げを成功させるにはできる限り3人の消耗度を同じにして最適化された巡航速度を保つのが重要。
自分が一番余裕あるなら一番力を逃げ切る為に力を使わないといけない。
もちろん、最終的に勝つ為には相手に力を使わせて自分の力で千切る必要があるけど、それをするのはラスト2を切ってからであり、そこまでは追走集団が追いつかない安全圏で3人の勝負にすることが優先。

平地は巡航速度上げて、そのまま自分が疲れる直前まで牽いて交代する。
ナカツ・木村は先頭牽く時間短いけど、無理にペースアップすると結局どんどん消耗していくので、生かさず殺さずタイム差1分を目標に頑張る。

脚力もそうだけど、ちゃんと先頭交代できる選手たちとの逃げはとても快適。上げ過ぎず・落とし過ぎず、なるべくペースを保ちつつ、各自牽ける時間で調整。
サボりたいからサボって他人任せにして、集団に吸収されて徒労に終わる、というのが一番センスない。
また脚に余裕があるからペースを上げて他の人を苦しめて、先頭交代がギクシャクしだしても成功しない。

登りもほとんどダンシングせずに11−34Tのカセットをフルに使って167.5のクランクを回せた。集団にいる時はインナーに落としていたけど、逃げてからは一度もインナーには落とさず。心臓破りの坂だけダンシングで登る。

終盤 2人で抜け出しフィニッシュ

後続との差は40秒→50秒と少しずつではあるが広がった。
しかし19周完了で差が32秒。後ろは集団ではなく3人と。
前3人・後ろ3人のおいかけっこ。
前はRX2名いて32秒のアドバンテージがある。
しかし後ろも3人というのは完全に意思疎通ができてうまく回せる人数。
あとはもう地脚勝負になるだろう。
焦って逃げを崩壊させないように長めに牽く。途中脚を攣ったこともありあまりペース上がらず9分10秒台。控えめに言っても半分は自分が牽く。

西尾君が千切れて3人になったけど、影響はない。
タイム差は20/23完了で29秒。
21/23完了で28秒。
後ろが集団なら最後にスパートしてくる可能性もあるが、3人での追走で、最終周さらに一段階上げるのは難しいだろう。この時点でいけるかな?という希望が持てた。

22周目、今まで通りのペースで登って、心臓破り過ぎて後ろ確認したらナカツさんが千切れている。先頭はチームメートの木村君と2人。
なんて胸熱な展開。
一気に気が楽になった。余計なこと考えなくても良い。牽制などせずにあと1周頑張れば良い。
ワン・ツー決める為に絶対に木村君は最後まで連れて行きたい。たぶん、優勝する為に千切るなら最後の坂一つでイケる。
ただ、こんだけ逃げを決める為に労力使ってきたので、おそらく勝たせてくれるんじゃないかと思った。
俺に勝たせろ、とはさすがに言わなかったが、ロードレースってそういうもん。

そしたらラスト1に入る前に先頭交代をしたら、木村君がもう踏めてない。

けど自分のペースで行ける自信はあった。
ラスト一周に入ってから木村君から「最後スプリントして刺しません」と言われた。もう千切る必要もない。
ラスト1周は先頭固定で走った。最後の登りもペースで登り、後ろを確認しても差が詰まってはいない。20秒以上あると登り直線でも見えない。
登りきってバックストレートで勝利を確信。

それでも20秒差って、最後スプリンター並みに猛チャージされたらあっという間に詰められる差なので、最後のコーナーを曲がってホームストレートに入るまでは気を緩めない。
そこでようやく勝利を確信。
木村君から約束通り先行ってくださいのジェスチャー。
そして手を挙げて2人で握手して、美しいフィニッシュポーズへ。

なんだけど、踏み続けてから急に緩めてというので脚を攣りそうになり、木村君が微妙に数十cm先行しているので両手上げながらそれを詰めなければならなくて、ちょっと焦って一踏みして、とやっていたら手を取り合ってバンザイしてフィニッシュ、とできなかった。
フィニッシュラインを通過と同時に一瞬だけ両手挙げてポーズはできたし、さすがプロのカメラマンはそれをちゃんと捉えたてくれたので万事OK。

リザルト

一緒に逃げていたナカツさんは3人にキャッチされたけど、後ろの集団からは逃げ切り6位。
集団はもうボロボロで、脚のある寺崎・布田・古谷らが遅ればせながら飛び出して先着した感じ。

雑感

毎年毎年、年齢を重ねて過去やっていたことができないようになるんじゃないかという恐怖があるが、今日の優勝で少し払拭できた。

また今日の勝ち方はチーム発足以来、もしかしたら一番嬉しい出来事かもしれない。
JBCFのE1という、勝つのが容易ではないレースで、チーム員と2人抜け出して勝てた。
木村君はまだ若いし、これからもドンドン強くなり勝てる選手になって欲しい。

JBCFのレースで負けても、自分が活躍するには距離が短い、とかこの寒い中でパフォームするのは無理だ、とか思いそれを口に出すことも少なくない。
しかし4月になり(ギリギリ)寒くもない気候で、3.5hという長いレースではそういう言い訳はできない。
自分がまだ勝てるんだと証明する数少ないチャンスだと思っていたので、そこで勝つことができて本当に良かった。

こんなにうまくいくことはそうそうないけど、日々努力しなければチャンスは絶対に巡ってこない。

またしばらく頑張れると思う。

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