【RX 高岡】 2022.06.12 ニセコクラシック 150km 年齢別45-49優勝
45-49カテゴリーでのニセコクラシック
2017年 40-44歳で優勝。総合2位。
2019年 終盤に下りコーナーで落車。
3回目の挑戦。シーズン最後で最大のツールドおきなわに次いでステータスが高いと思っているので、是非勝ちたい大会。もちろん勝ちを狙っていく。
今年45歳になるので、UCIのカテゴリー的に45-49歳となる。ここでは勝てるはず。目標は、全カテゴリー合わせた総合で勝つこと。
レースは年齢別で時差スタートするけど、実際のレース開始までには全年齢合体させてスタートさせると。つまり同じレースを走る。しかし表彰は年齢別で行い、総合での順位は出ないという不可思議なもの。
記録には残らず表彰もされず自己満足だけの世界だが、それでも年齢を言い訳にはせずに、この厳しいコースでのロードレースで1番になりたいという気持ちでレースに臨む。
スタート〜パノラマライン前
19-34、35-39、40-44、45-49、・・・というAgeカテゴリー毎に30秒差で時差スタート。6kmほど行ったリアルスタートまでは先導車を抜けず。そこまでで後ろからスタートしたカテゴリーは前に追いついて一つにまとまってからリアルスタート。前のカテゴリーに追いついても集団の先頭まで出るには300人ほど抜かないといけないので大変。コースはアップダウンがあり速度の緩急もあり危ないので無理をせず前が見えるくらいまで上がってヨシとする。
リアルスタートが切られてからはいきなりの登りで、18分近くはダラダラと登る。試走で一人で走ってはかなり速度遅くなる勾配だったけど、レースとなるとやっぱり速い。パノラマラインの35分くらいの峠から本格的なレースが始まるので、それまではなるべく脚を温存したいと思っていた。
ペースはそんなに速く感じず、常に前の方に位置して、シッティングで登る時間もそれなりに長かったので、今日は調子悪くないと感じる。この先長くハードなコースなので、序盤から上げようという動きがないのは有り難い。
パノラマライン
35km地点くらいからパノラマラインの登りが始まる。ストラバのセグメントだとpanorama line full climbというもので、15.5km、35’37、標高差687m。
田中、森本、中村シュンスケ、佐々木(リョウ)など名だたるヒルクライマーが出ているので、ここでペースが上がってセレクションがかかると構えていた。
序盤からまぁまぁキツイペースで行くが、千切れるほどではない。前述のクライマーたちが全力でいけば、かなり限界になってじき千切れるだろうというシナリオも想定していた。しかし実際はそこまで上がらない。それでも後半に一気に上るんだろうと思い緊張感を持って登っていたら、これと言ったペースアップはなく頂上を迎える。
下り〜海岸へ
けっこう気温は低くて、登りでは寒いとは感じないけど頂上越えると少し寒さを感じる。ダウンヒルは勾配がそうキツくない分長い。下りが続くけど徐々に標高を下げていくので寒さは問題にならないレベル。。
まだまだ人数多い。下りで補給食をしっかりと摂る。ハイスピードだけどイージーな下りで急勾配はないので下りの時間はかなり長い。
下りきってからは海岸にワンタッチするまで平坦。パノラマラインの登りは長いがペースが落ち着いていたので人数は減らず、かなりの大集団。この後20kmくらいは平坦で、その後に嫌というほどアップダウンが続くので、一旦おやすみという感じ。下りで身体が冷えたけど平地に出てからは天気も良くなる。
尿意を我慢しても全然行けたが、集団がまったりしていたのでこれはチャンスと思い、トイレストップ。それに慣れていなくて遅れるもしくは復帰するのに消耗するという思いがあるからか、同調する人が少なかった。6名くらいかな。それでもなんの問題もなく集団に復帰できた。どうもありがとうございます。
折り返して後半へ
約半分を消化してまだまだ大集団でレースはこれから後半勝負へ。大集団とは言え15kmの峠を越えているのである程度の実力がある者でないと残っていない。
その集団でRXは木村・佐々木・奥田・Bradという4人が残って集団前方に位置している。単一チームで4名残っているのは最多ではないか?そういう強い選手を募集しているチームでもないので、こうやって一大勢力に見える状況は意外でもあり感慨深く、とても嬉しい。
海岸にワンタッチしてから折り返してしばらく平坦を進み、後半のアップダウンへ向かう。レース開始から不気味なほどアタックなどの動きはなく、皆が後半に備えている感じ。
序盤はヒルクライマーたちの総攻撃での速いクライミングになるのを警戒していたけどそうはならずマイルドなペースで進んだことに安堵したけど、今度は逆に変に牽制合戦で脚を残したレースになってしまうのを警戒する。
アタックから3人逃げ
平坦で一度アタックする。色々な意図はあるけど、足ならしの意味合いが一番強い。ちょっとダッシュして集団から抜け出すけどすぐに止めて戻る。
その後にコースが140kmから150kmになり新しく追加された区間に入る。右コーナーから少し丘を登ってアップダウンの区間。そこで口火が切られる雰囲気があるので、前方から入る。右折してからペースが上がるのでそれにしっかりとついていく。ちょっとキツイ登りなので一度ジャブを打ってみようと思いアタックしたら、2人で抜け出る。そのままふるい落としの展開になれば嬉しいけど後ろは活性化せず。唯一集団から反応して追いついてきたのはチームメートの木村君。
3人逃げになった。集団との差は15秒ほど。
なんか2019年のデジャヴだなぁと感じながら、その反省があるのでペースはアゲアゲではなく抑えて走る。後ろが一気に緩まって30-40秒差がつけば面白いと思いながらも差は15秒程度から広がらない。泳がされている範囲で無駄に脚を使うのは得策ではないので捕まってからの勝負を考えて走る。
後続を確認しながら走り、15秒から詰まって来ていると感じたので逃げは諦めて集団に戻る。
確実に勝負が始まる新見(にみ)の登りの前にじゅうぶん脚を回復させる必要があるので早めに判断しないといけないところだった。Garminで新見の登り口までの距離を見ながら早めに諦めて集団に戻ったが、結果的にもう少し速く決断すべきだったと思う。データ見ると3人で約20kmを走り28分、NP 289W。
集団に吸収されてから6分後からクライムが始まった。
後述するが、振り返ってみるとこの動きは良くなかった。
逃げ吸収、新見の登りで一旦千切れる
ストラバセグメントでNimi bottom sectionという5km平均5%の登りへ。GOCHI佐々木・Route365城所(ずっと中村シュンスケだと思っていた)あたりが強いペースで牽く。それに加勢してペース上げるほど長い上りが強くないので、食らいついていく。勝負所で耐えるだけしか出来ないけど、耐えた後はなんとかなるのが自分の持ち味なので、ひたすら我慢。
しかしキツイ。まぁ毎度のことだけど、限界状態でどこまで耐えられるかが結果に直結する。なんとか頑張るのだが、今日はダメだった。たぶんあと1kmもないというところだったが、イナーメ北野のアタックを皮切りにペースアップして、10名ほどに絞られた先頭からドロップ。悲しいけどこれが今日の実力。
ただそこで勝負を捨てる事は絶対にしない。遅れながらも前を追う集団について30-40m先の10名ほどの先頭集団を必死で追いかける。
前日のセグメントで見ると、トップは11’20くらいで私は8秒落ち。平均心拍170bpm。そりゃ限界なわけだ。
その登りの後は一旦少しだけ平坦になってさらに5kmほど緩い登りが続く。その平坦区間でなんとか先頭集団にドッキング。ここから更に登りはたくさん登場するので、普通に考えたらそのどこかでまた千切れるだろうとは思うが、そうは考えずに一度ピンチを乗り切れたんだから2回でも3回でも同じように粘るのみ。
この場面でも諦めずに絶対にフィニッシュラインまで死ぬ気で行くという気持ちを切らさなかったのは良かった。
終盤の登りをひたすら耐え抜く
緩い登りでアタックかかってもドロップしないように根性走り。頂上のKOM手前でイナーメ北野のアタックで数人先行したか。それも下りで追いついて振り出しに。
と思ったら石井君と外国人(Greg)の2人だけ先行していた。
白状すると、大変恥ずかしながら2人が先行しているのをレース後まで知らなかった。それだけついていくのに精一杯でレースが見えていなかったということ。
結果を書いてしまうと、Gregは途中でドロップして集団に戻るが(どこか分からなかった)、石井君は25km近くを逃げ切って優勝。
先頭集団は15名ほど。佐々木・城所あたりが登りで積極的にペースアップする。集団をふるいにかけたい動きだと思っていたけど、逃げている石井君を追いかけていたんだな。それを知らずに走っていたのは恥ずかしい。知っていても加担する脚はなかったけど、ひたすら食らいつくだけの走りになっていた私はちょっと邪魔になっていただろう。そこで勝負をしているのであればそういうのも全然アリだけど、逃げを追ってペース上げていたのにしがみつくだけの走りはちょっと申し訳なかったなと感じている。
瞬間的にペース上げるのは北野。けどその後すぐ落ちるのでペースで行けば問題ない。逆にじわっとペースアップするのは佐々木・城所。ほぼ限界ダンシングだけど、脚を攣ることはなく、ギリギリついていける。
その両方があれば、アタックしてそのままハイペースで前にジャンプすることになるが、その脚がある選手はいない。
そして協調して先頭を捕まえようという動きには残念ながらならない。それをやるとしたら唯一先頭集団に2名残っているRXが主導すべきだけど、前述の理由ではそうは出来ず。ほんとお恥ずかしい。
一度だけ審判モトが「10P 10’」と黒板で知らせてくれた。一度だけ。
後ろに10秒差で10人居るのか、くらいに考えていたけど、これは単独先頭と我々10人のタイム差だったようだ。
レース中の自分の頭の中ではなんとか最後まで粘れば、登りスプリントで可能性はある、と言い聞かせてとにかく根性で千切れない走りに徹する。
この局面でもうひとりチームメートが残っているのがすごく嬉しい誤算。そして登りの動きを見てると私よりも余裕がありそう。しかし協調してなにかやろうというほど私に余裕ないのが残念。
木村君は札幌在住なので普段の練習とかレースで一緒になって走る機会は皆無なので、絶好調とは聞いていたけどそれがどのレベルなのか分かっていなかった。たぶん本人的にも今日のレースがベストリザルトだと思うので、ここまで走れるのは予想外だった。
登りスプリント
新見の登りで遅れた時からは想像できなかったけど、なんとか最後の関門への登りも集団から遅れずに乗り切って、後は登りスプリントに臨むだけ。
私は登りのアタックの切れ味は皆無だけど、散々消耗した後の登りゴールで全部出し切るスプリントはある程度自信をつけていた。木祖村2daysでの経験も大きい。
最後の坂まで集中して進む。500mくらいで早めに仕掛けたのが3人。木村君がしっかりと2番手でついている。私は自分の距離ではないと思い少し開けて5-7番手くらい。やはりここに来てバコーンと一気にかっ飛んで行く元気な選手はいない。
ラスト200mくらいで木村君がスパートして2人を置き去りにするくらいのタイミングで後ろからスプリントを開始。前の2人をすぐにパスして2番手で最終右コーナーを曲がってフィニッシュまで急な直線。後ろは振り返らない。前の木村君と少し差が詰まるけど並ぶまでには至らない。そのまま木村君の1秒後ろくらいで2番手でフィニッシュ。
木村君優勝で自分が2位、最高のリザルトだ!
と思い小さくガッツポーズをしたが、直後に会場のアナウンスで石井君が独走優勝していたと知る。
なんと。余裕がないとやはりレースが見えていない。てっきり新見で先行していた人は全員下りで吸収したものと思い込んで確認すらしていなかった。
非常に良い走りで大健闘した木村君とレース後に話したら、途中で3人逃げになった際は、逃げ続けたくなくて早く戻りたいと思っていたらしい。
私はもっと早くアタックではないと悟って、28分も粘る前に集団に戻る決断をした方が良かったと今は思っている。
それでも途中で動き作っただけでなく、最後まで残ってしっかりとリザルトも残せたので非常に満足いく結果。私が逃げを認識していなかったという大ポカしていたというのを除けば、、
リザルト
19-34カテゴリーは
優勝 石井祥平(アーティファクト)
2位 木村裕己(Roppongi Expferss)
3位 牧野フミト
45-49カテゴリーでは、先頭集団10人に居たのは私だけなので、優勝。
Ageカテゴリー関係ない総合では、そういうリザルトは出ていないんだが、、、石井-木村-高岡という順番。
年齢関係なく全部ひっくるめたレースで、一番強いやつが勝ったけどRXの若手が2位を取り、45歳カテゴリーの私が3位を取った。それがステータスあるこの大会のリザルトとしてふさわしいと思う。
そしてその結果に対して満足してるし納得しているし、チームの若手の飛躍をものすごく嬉しく思う。
けどそれは記録として残らない。ニセコクラシック2022では私は45-49歳のカテゴリーで後続に数分差をつけて優勝した、という記録しか残らないのは釈然としない。
おわりに
ちなみに2017年も40-44歳カテゴリーで優勝している。
けど同時スタートで同じレースを走った全体の中では田崎さんに最後千切られて2位だった。
総合では優勝出来ておらず、それが故に私はツールドおきなわは優勝しているがニセコクラシックは優勝していないと思っている。
同時スタートにして同じレース(ゲーム)をやるならその中での表彰もして欲しい。総合が主であり年代別が従であると考えるのは私のエゴと単なる自己満足であるのだろうか。釈然としないリザルトだ。
今年は完全に力負けしたので、釈然としないながらも、来年また自分の力で1番になりたいと強く思う。もし今年のように力足りずで負けたなら、その順位で表彰されたい。そうじゃないと、たとえ私が今回の石井君のように強く独走で勝てたとしても、後ろの集団は年代別カテゴリーで関係ないから追わなかった、というふうになってしまう。
レースレポートと関係ないことをたくさん書いてしまったが、やっぱりニセコクラシックのコースは素晴らしく、キツくて、本当に強い者が勝つコースだと思うから、また来年も勝ちを狙って行きたいと思う。