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【RX 高岡】 2024.05.06 もてぎエンデューロ春 6時間ソロ 優勝


概要

  • もてぎの1周4.8kmのサーキットを6時間走る耐久レース

  • チームエントリーもあるが、当然ソロで出て、総合優勝を狙う

  • 天候:曇り、24℃ほどと暖かい。終始強風(5m/sくらい)

  • 結果:優勝

  • 自己評価:★★★★★(5/5) 勝てたからヨシ

レース

事前予想で古谷さん・市村さん(いっちー)と3人の勝負かなぁと思ったら、ほぼその通りだった。

このレースもマトリックスのプロ選手がサポートライダーとして参加。集団を一定(?)ペースで牽引してくれる。すごく遅いことはないが、たまにとんでもなく速くなる時があり、それがけっこう展開を大きく左右する。

今年のスタートはマイルド。
4周目までは7.5分くらいのペースで非常に穏やかだった。
しかし5周目くらいに微妙な時間差でスタートしている4時間エンデューロの集団に追いつかれる。それを機にラップタイムは1分ほど短縮。登りがすごく速い。11周目までその速いペースが続いた。

6時間ソロって非常に過酷なので、体力に自信があるか、マゾか、何も知らずにエントリーか、のどれか。
RXからは高岡・ヒグラシ・ゴウマがエントリーしていた。
序盤は前の方で頑張っていたが、残念ながら11周目までのペースアップで2人とも脱落。
たぶんそこらへんで早くも6時間ソロは古谷・いっちー・高岡の3人になっていた気がする。
おい、まだまだ先は長いんだけど。

4hの集団に追いつかれたのをきっかけにペースが上がったんだけど、気付いたら先頭は6hソロの3人+サポートライダー3人になってた。
でまぁまぁなペースを刻んでいく。あと5時間走るんだけど、、、ってのは誰もが思っていたこと。それが人生。

途中あまり展開はなかった気がする。とにかく長いので、アタックして飛び出したところで良いことはほぼない。この高速巡航に耐えて、減っていく残り時間に対してどのくらいの体力を残して走れるか、だけが決定要因になるようなシンプルなレース。

先頭3人+サポートライダーのホセさん、宇賀さん

28周目までずっと6分台で走っていた。
逆に29周目以降終盤までずっと7分台になっている。ここがサポートライダーが居なくなった境目。だったと思う。
29周目から3人で走るようになる。強風の中3人で均等に力を使いながらゴールを目指す。ゴールってのが通常何km先、と距離で考えるけど、耐久レースの場合時間で決まっているので、頑張っても早く終わらない。キツくなるだけ。しかし体力をより消耗させるのが自分が最後に勝つ手段なので、あまり楽をさせないようなペーシングで走ることになる。
きつい。
人生そんなもの。

6時間と長いので一度ソロ選手のピットエリアに入ることが想定されていた。3人旅になって長く、おそらく後続とは4−5分離れているので、ここでストップしたところで大勢に影響はない。事前にそういう話をしていたので(おそらく3人の勝負になるでしょうと事前から想定していた)、そろそろピットインかねぇと話始める。
33周目、3時間40分を経過してから登りの途中でピットイン。
ボトル2本を新しいものに入れ替えて、補給食のゴミを捨てて、新たに食料をポケットに詰める。
そしてトイレに寄ってから再スタート。ラップタイムで見ると+3分のロスタイムだった。

4時間を経過して、残り2時間となった時に2時間クラスがスタート。
それが35周目の途中だった。ラップタイムで見ると自分たちが34周目を終えて2分45秒してから2時間がスタートした。
疲弊しきっている3人組とフレッシュな2時間組なので、この差は詰められて追いつかれるだろうと思っていた。

ピットイン前から感じていたけど、3人の中でいっちーの脚が一番なさそう。走りながら各人の動きや表情など細かいことを観察して相手の体力残量を推し量るのだが、たぶん古谷君よりもいっちーの方がキツそうだ。最後まで連れて行ったらおそらく自分がやられるスプリント強いいっちーがキツそうなのは自分にとって好都合。
4時間あたりでいっちーがプツっと切れた。その時サポートライダーが一人いたので、前は3人で先頭交代し続ける。いっちーは千切れて一人になったら、もう差はドンドン広がるだろう。
残り2時間を切って古谷君との勝負になった。
(頑張っても900W程度しか出ない自分が言うのもなんだが)スプリントはかなり弱く、一定で牽き続ける馬力に長けている古谷くんは逃げ続けるには最高のパートナー。
よりキツくはなるけど、残り2時間を切って勝利の確率はグッと高まった。

ところでここで1つ考えたことがあった。いっちーが切れたのが4時間くらい。
2.5分後にフレッシュな2時間組の集団がきている。
その位置関係からすると、まずいっちーが2時間組に吸収されて、その後2人で逃げ続けている自分たちも2時間の集団に飲まれるだろう。
その時、いっちーがその集団で脚を休めていたら、もしかしたら集団に吸収された時点で疲弊した我々2名よりもいっちーの方が体力回復している可能性がある。もしかしたらそれを計算して戦略的に遅れたという可能性を考える。
サーキットでのエンデューロではそういう事は参加者全員に対して平等に起こり得るので、その環境の中でどうやって戦略的に勝つのかというのも重要。
古谷君とは真逆の”策士”なイメージのあるいっちーならやりかねない。
誤解なきよう書くと、100%ポジティブな意味である

↓↓ ”策士”いっちー ↓↓

先頭グループの我々に対して審判バイクが後続の状況をたまに教えてくれるのだが、「3番手(いっちー)が2時間集団に飲まれた」の次に「3番手は2時間集団からも遅れた」と伝えてくれたのでどうやらその作戦ではなかったようだ(もしくは作戦失敗)。

これでまた不安要素はなくなり、古谷くんとの一騎打ちに集中。

44周目に2時間クラスの集団と合流。ラップタイム見ると吸収されてからタイムが落ちているので、吸収して一息ついたか。大きな集団になったので格段に楽になった。残り時間も1時間を切って精神的にも身体的にもとても前向きになれた。
いつもどおりラスト1時間前にカフェイン投入したので、気持ちも勝負に向けた集中モード。

一度2時間集団が登りでアタックかかりペースアップした際は少し古谷氏の反応を見てみる。そんなに余裕で体力残っている感じではなさそう。
どこで仕掛けるか、仕掛けないでスプリントに持っていくか、考えながら走る。

ラスト3周になって、登りで再び活性化してペースが上がる。
それには普通についていけたので、登りきり付近で勾配が緩くなって皆が一息つきたいところでさらにアタックかけてみる。
これは別に決めていた事ではなく計算してやったわけでもなく、自然と身体が動いた。古谷君が少し遅れて追走しているのを見て、ここがチャンスと古ガスで勝負をかける。
6hチームの人と2人になってローテーション回す。古谷くん単独追走なのでこれはチャンス。じわじわと差が開いていく。
後ろから2時間ソロの人が一人単独ブリッジしてきて、前3人対後ろは古谷くん1人になり、勝負あり。

2時間ソロ、6hチーム、6hソロ、の3人なので勝負する必要もなくそのまま先頭交代をしてフィニッシュまで。最終周の登りでは全開でアタックして振り切りにかかったけど、それはできず。
力を使い切って満足のまま6hフィニッシュ。

強風で両手離しが安全にできずにフィニッシュしたのが悔やまれる。

リザルト

6時間エンデューロだったら勝てるでしょうと思っていた。終わってみればその通りしっかりと勝てたんだけど、走っている最中は余裕とか楽勝とかまったくなく、ただただキツイ。我慢比べでどこまで耐えられるかという感じだった。

フィニッシュ後に古谷さんといっちーの顔を見たら、二人共死んだような疲弊しきった顔だった。
そりゃこんだけ疲れて優勝できなかったら疲労倍増だろう。

RXは1位・4位・5位

雑感

6時間ひたすら耐えるだけで、有酸素運動能力のみが問われる特殊なレース。6時間で240km走れるとか、TSSが400弱稼げるとかあるけど、真面目にトレーニングとして見たらもっと効率的なトレーニングはあると思う。

しかしながらこれだけ痛みなく走り続けるにはフォームや身体の使い方を間違えていてはダメだし、補給戦略や小さなムダの排除の積み重ねも問われるレースなので、色々試すには良いと思う。

土曜のレースが5時間のグラベルなので、今回のレースは非常に良いシミュレーションになったと思うし、次のレースに対する自信になり良いイメージを持つことができた。

次は5/11オーストラリアでのSeven Gravel。
頑張って楽しんでこよう。


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