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20250220和歌山市内行動記

前日にユニバに行き、その夜に新今宮からサザンで和歌山市駅まで行き寝ました。
もともとりんくうタウンに連泊でホテルをとっていたのですが、1泊目でチェックアウトした為、和歌山市駅のネカフェで夜を明かします。
ユニバに12時間いた為、疲れも手伝って快適に寝ることができました。

日の出の太陽は片男波公園という海岸に突起している浜から見ようと思っており。紀三井寺駅から歩く計画でございました。しかし事前に調べていたところ、和歌山市駅と和歌山駅の接続があまりよろしくなく、乗り換えなければいけないし乗り換え時間も長いということで、和歌山市駅から和歌山駅まで歩いて、そこから紀三井寺駅までいこうということにしました。早歩き徒歩30分ほど。

早朝のぶらくり丁周辺

日の出が6時40何分ごろの為、5時半ごろにはネカフェを出て夜明け前の駅前をてくてく歩きました。私は旅先で始発から行動するのが結構好きです。寝静まったまっさらの街に足跡を残していくような気持ちと朝の街の匂いを味わうようなところです。少し行きたかったぶらくり丁というアーケード商店街を通れたので満足のいく朝散歩になりました。アーケード商店街はその土地の生活感とその垢や歴史が溜まったような雰囲気があり非常に好きな場所の一つです。天井のくすんだポリカーボネートの屋根から漏れる柔らかい光は人肌のような暖かさがあります。
和歌山駅前は百貨店のような建物やホテルがありました。電車は2駅で紀三井寺駅につきました。振り返ると計画通り空が黒から紺色になりかけてきました。
ですがここで誤算というか思いがけないことに日の出が山川からだったのです。
私はなんとなく海から登ってくる太陽を眺められると思っていたのでした。
この日のプランはタイトな為、1時間で紀三井寺駅に戻ってこなくてはならず、往復で20分前後でとにかく行けるとこまで行って帰ってくるつもりでした。腕時計をストップウォッチにして時間を測りながら片男波公園を目指して歩きます。
小川や病院やらを超えて大きめの広い道路に出て大きめの橋を渡りながら紺色の空に灰色の雲の輪郭が浮き上がってきたのを横目にぐんぐん歩きます。

片男波公園手前

突起の付け根に三断橋があったのですが、改修中のようでした。神様の道を人間の現代技術で直しているような状態に見え、お城の復元もそうですがこれから先は再現や復元技術で神域、伝統的な神様のような存在まで作れてしまうのかなと連想してしまいました。
この辺を歩いている頃にはちょうど日の出のような状態になっており、山の上の空が白白明けてきてその空と横に伸びた雲が水面に写されておりました。水面と空の間には山のシルエットが横たわって分断しておりました。あしべ橋で贅沢な朝をを噛み締めました。そんなとことで、通りすがりの女性の方が朝日と山に向かって手を合わせてお辞儀をしておりました。身に染み付いているようなスムーズな動作だったもので、きっと毎朝行われている日課なのでしょう。私もこの文章を書きながら手を合わせました。

タイムリミットが近づいていたため橋を戻っていると鳩のような丸みの鳥が橋の端に数羽集まってうろうろしているではありませんか。これはきっと餌付けされてしまった鳥なのだ。朝食待ちだと思いました。
戻る道を歩いていると制服姿の学生や通勤されそうな方がちらほらと道路を動いておりました。その中で私は若干駆け足になり、汗ばんでくる背中を感じながらマフラーを取りました。夜明け前は闇に広さがありどこまでも歩ける気がしていましたが、明るくなって、ビルや道路が明瞭に見えると人間社会が起きてくるようで閉塞感と焦りが生まれてきます。

橋の上の鳩など

電車に間に合いました。この車両はドアの開け閉めを自分でボタンで操作するようで、慣れた方々はまるで自動ドアだったかのように乗り込んでました。
私は次の目的である加太に向かうべく和歌山駅へ向かいます。この辺は乗り換えがうまく回っておりタイムロスなく、和歌山駅→和歌山市駅→加太駅と進めました。
加太行きの電車にはあまり人が乗っておらずシートに座れました。座り込んだ私は陽が上り切って眩しくなった車窓と寝不足まなこにかかる重い瞼が均衡してましたが決着はつきませんでした。

加太駅は終点駅です。電車を降りようとしたところでこの車両がちょっと可愛らしいデザインになっていることに気づきました。吊り革が海の生き物の形にくり抜かれており、シートや車内がカラフルなのです。ショッピングモールにあるキッズの遊び場のような空間でした。観光列車「めでたいでんしゃ」でした。

加太には友ヶ島行きのフェリーに乗る為に来たのですが、加太行きの電車の中で気づいてしまったのです。土日祝しか運行していないことに。今日は木曜日。そうですよね無人島ですから毎日運行する必要がないです。とはいっても半島好きの私にとっては海水浴場の奥にある城ヶ崎という海に飛び出た景観の望める場所にも行きたかったので、歩いていくことにしました。加太駅を出ると大きな愛らしい鯛のイラストが駐車場の壁面に描かれており、地方の粋なおもてなしを受けることができました。
目の前を低学年を扇動する高学年女子が歩いていたので追い抜くとすぐに中学校と小学校がありました。真っ先に海が見たいので日本家屋が並ぶ細道を通りました。
途中、フォークをいれたミルフィーユのように崩れたお家がありコーンが置かれて塞がれていました。このままであれ。と思いましたが風で飛んだりすると危ないです。海は風に吹かれて波立っており、雪も舞い始めて視界が真っ白になりました。岬加太港線を上りながら海を見ると奥に友ヶ島があり、歩いてきた道の方には加太の港が見えました。こういった弓形に曲がった海岸線を歩いていると、小豆島の海岸を思い出したりしました。海から陸までの高さや見える街の規模がちょうど似ているようでした。

雪降り
上り道

目的の城ヶ崎に入る道は裏側でした。舗装された綺麗な道になっていて脇に並んだ木の柵も鮮やかさが残っていました。少し歩いたところで視界が開けて友ヶ島と地ノ島が浮いている海が見下ろせました。小さな広場になっていて東屋もあったのでそれなりに手がかけられていると感じました。海は冬の濃い青。岬の先の方に行くと海岸に降りられる階段がありました。急な段差の下は岩岩しており、柱状節理とまではいきませんが規則正しい亀裂が入っていました。小さな波飛沫が上がっていました。
一通り見渡して階段を上がり戻りました。城ヶ崎の入り口の堤防も往復して道路に戻ります。歩けるようであれば極力行ってみたくなるのが堤防の先です。

城ヶ崎の入り口

道路を伝って駅に向かいます。途中、巨大冷蔵庫のようなコンテナシャワーのある駐車場があったり、頭の上にアロエの肉感のある禍々しい葉と赤い花が咲いていたりしました。野生かしたアロエは度々旅先で見るのですが悪魔的なビジュアルが素敵で必ず写真をとっています。加太駅に戻ってトイレを探して駅を見渡すと給湯室という小屋がございました。駅のホームには「め」の文字がおいてありました。粋。

シャワーと駐車場
めの字

めでたいでんしゃで和歌山市駅に戻り、雑賀崎に行くために乗り換え1分、2分のバスに乗り込みました。雑賀崎に直接行けなかったため少し歩くのは仕方ないことです。大浦口というバス停で降り、入り組んだ民家の隙間を縫ってトンネルを抜けると海でした。正面に漁船がまばらに泊っている港が広がり左側にブリッジ、右側の崖には傾斜に立ち並んだ家々が広がっておりました。異国の港町の世界観がコンパクトに収まっているような、冬のお昼の空気感も相まって、まどろみの風に酩酊。
港の一隻から白い煙が立ち上っていた。駐車場の簡易待合所のようなところにはフェリーのいい客室からもぎ取ってきたような赤いソファが据えてある。
ひとまず雑賀崎の灯台を目指すべく坂道を登る。すれ違うことのできない民家と民家の間の細道、公民館のような建物の裏に石の鳥居を見つけたので挨拶をする。入り口にはソテツ。手水の中に柄杓が2本互い違いに浸っていた。取れない。
建物の屋根を見ると小さな船が置いてあって中に雨水が溜まっていた。たばこ屋さんのショーケースにはいろいろな種類の招き猫が並んでこちらを見つめている。

雑賀崎港
赤いソファ
路地と植物

やっと車道に出るとカフェや宿屋があっていにしえの観光地の雰囲気を漂わせていた。右手には背の高い植物の隙間から海の青が漏れていた。すぐに石灰のように白い灯台と灯台の階段が眩しい存在感をもって立っていた。2周ほど階段を登って展望スペースに出る。なるほど崖のある海岸は上から見るに限る。高ければ高いほど。小島が3つ並んで浮いている。冬なのに緑色をしていると嬉しくなる。遠くの山の連なりと雲の奥行きが空の広さを教えてくれる。
展望エリアで見回っていると男女2人が登ってきたのでうまく回避して降りました。雑賀崎に来るという目的は達成されたので、トンネルとは別のルートで元の道に戻ろうと思いました。

小島
背の高い草

雑賀崎公園を目指しつつ歩いていると双子島荘という建物の看板が生い茂った植物の隙間から見えました。高低差のある土地では思ってもみない角度でものが見えるのでいつでも新鮮。カーブの折り目のところにビルの屋上にあるような給水タンクが3つほど並んでいました。経年劣化を感じる淡い色味と錆の広がり、滑らかな局面に興奮していました。そしてそのすぐ隣に廃ホテルが!
雑賀崎を調べていたときに廃ホテルの情報をチラリとみておりましたが、こんなにわかりやすいところにあるとは盲点。観光地でたまにみたことがありましたが、ちゃんと廃ホテルらしい廃ホテルで思わず顔がほころんでしまいます。
窓ガラスの割れかた、カーテンの裂け具合、外壁剥離と伸び放題の植物。そして何よりもスプレーによる落書きの数に驚かされました。バスにもかきこまれてるし異空間。本当に心無い方のイタズラでよくないです。来て本当に良かった。

非行跡

雑賀崎公園については境界がわからずそのまま坂道を降りました。途中のおばあちゃんたちの会話からご近所付き合いが密に取れている様子でした。元のバスで戻ろうと太い道を目指しながら調べてみると、便が全然なかったため、さらに奥の方へ歩き、違う路線から街に戻ろうと思います。
新和歌浦のバス停で少し待つと和歌山市に向かうバスが来たので乗り込みました。朝から歩いている日はバスのシートで寝る時間がとても気持ちいいのです。
和歌山県庁前で降りて三年坂通りを登ります。三年坂は「この坂で転ぶと3年以内に死ぬ」という由来が今は伝えられているとかなんとか。昔は今よりも急な坂だったようです。美術館は空調設備の調整で休館中でした。外見は特徴的で、コンクリートの外壁から和菓子の餅を切る竹のナイフが巨大になって横から突き出ていました。なんとなく佐賀博物館と似た空気があったので建築家を調べましたが特に関係なかったです。
朝から何も食べてなかったのでファストな提供を求めてモスバーガーに入りましたがお昼時だったのか少し待つことになりました。おいしかった。隣のテーブルのご夫婦の女性の方がスマホを3台並べてポケモンGOの画面を表示させておりました。

味わい深い
帽子

すぐにお店から出て向かいの道路を渡って城壁の中へ、ちらりと動物公園を覗きましたが生気がなかったので階段を登って天守閣へ向かいます。階段の麓に杖代わりの木の棒がありました。親切。天守閣が綺麗に見える位置を探していると少し離れたところの展望台があったのでぼーっとみておりました。鳥が飛んでた。冬の茶けた木の間から見るお城は静謐でした。
反対側に回って降りる。夜には城壁をライトアップしているようで道の隅に光が埋まっていました。
堀の水場をみると小さな釣殿があり風情を感じておりましたら、紅葉溪庭園と呼ばれる庭園の入り口がありました。石が綺麗に並べてあり歩きやすく、高低差もあっていろいろな角度で見ることができる。日本人的な審美眼を取り戻して落ち着いた気持ちになれる庭園でした。かなりよかった。

和歌山城
庭の石と水

庭を出て和歌山市駅に向かいます。途中で見えたこども科学館の年季の入った外観が昼過ぎのマリーゴールドの陽射しに照らされていて哀愁を感じました。セブンで「みかんもこ」というスイーツを買って駅で食べました。皮の厚みが最高。本当は和歌山ラーメンとかご当地ものを食べたかったけど、いつも時間はありません。
関空方面行きのサザンに乗って和歌山を後にしました。

市堀川

つらつら旅行記でした。

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