マグネット式がよかった。「オーダーメイド視力補正 Quest3」
「乱視対応オーダーメイド視力補正 for Meta Quest 3」の販売開始から10日経ちました。
連日、過去にない数量のオーダーをいただくことになり、嬉しさよりも、お客様を長らくお待たせしてしまったことへの申し訳なさで。「できるだけ早く!丁寧に!完璧に!」せっせとお届け作業に邁進しております。
さて、今回、こんなに時間がかかることになってしまった事情を振り返りながら、当社製品の自慢をちょっとしてみたく、駄文を連ねてみることにしました。
レンズ全体がシリコンラップに覆われている
発売前のQuest3を見たとき、あまりいい予感がしませんでした。
Quest2ではハード樹脂の側面に、一目でそれとわかるフックがついており、そこに土台を引っかければよかった。
しかし、Quest3は、Proと同じで、内側全体がシリコンラップで覆われています。
PD(瞳孔間距離)の変更の際に、このシリコンも追従するのは大したものだなぁとは思いますが、そっと触っても土台を固定できそうな箇所はないし・・・と不安になったものです。
レンズを取り巻くリングの溝
Quest3への近視レンズ取り付けは、VRディスプレイレンズを取り巻く外周部に土台を差し込み、固定は外周部に刻まれた溝にひっかけて行います。
しかも、その溝というのが、あるのかないのかわからないくらい。溝の幅も狭ければ、深さもほとんどない。
引っかける出っ張りのサイズはわずか0.2mmです。
ちゃんと固定できなければいけないのは勿論、はめたが最後取り外せない、というのは困ります。
最初に上がってきた試作品は、Meta公式のページから買える「ZENNI OPTICAL」製のものと同じ形状のものでした。
ばっちり収まりますし、シンプルでよいのですが、ちょっと不安もありました。
これまでの当社のシリーズは、マグネット式のものが主流。
Quest3でも、できればマグネット式でいきたい。
この形状では、共有端末での利用の際、取り付け・取外しに時間がかかりすぎて、おっくうになってしまいます。
レンズの汚れを水洗いで落としたい時にも困りますよね。
もっと大きな心配事もありました。
0.2mmの出っ張りは、何度も着脱をくり返すうちにすり減ってしまわないでしょうか。
この強度試験を自社で行うことも現実的ではなく、日常的に着脱が生じる前提での商品化は断念せざるを得ませんでした。
マグネット式の利点
マグネット方式なら、これらの問題をそれほど心配する必要がありません。
土台は一度はめてしまえば、外すことはまずありません。
強度も常識的なものであればいいわけです。
一年後に「取り付け出来なくなりました」というお問合せが来るのではないかと心配しなくてよい。
時間はかかりましたが、ユーザーさまの利便性という視点でも、品質保証という視点でも最適なマグネット方式でリリースできてよかった、と胸をなで下ろしています。
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