依存症の夫を持つ妻のはなし

学校には様々な困りごとをもった親御さんの相談がきます。
子育て、という相談の切り口から、実は夫婦関係で悩んでいたなど、本音で語れるようになると、かなりの確率でお話くださいます。

依存症

世の中には、様々な依存症がありますが、学校で子どもの問題として現れやすいのがゲーム依存症。
今回のお話は大人の方の依存症です。
依存症は、背景にその方が抱える生きにくさが隠れていると言われますが、その方を支えるご家族もとても大変な想いをされます。

相談者によりそうとは


子育てについて話されるうちに、話は、実は夫が依存症でして。という話にうつりました。

お話をきいているうちに
困っているけれど、夫を見放すことはできない相談者の方の想いに気づきました。

「離婚するほうがいいと思っています」と口では話されるものの、その口ぶりなどから、なんとなく離婚という手段はあまり持っておられないなと感じました。

「ご主人もしんどいのでしょうね。生きづらいのにもがかれている様子が目に浮かびます」と、伝えると

それまで淡々とされていた相談者の方は、大粒の涙を流され
「はじめてそう言ってもらえました」と表情が少しゆるみました。
ご親族や、どうやらちらっと相談した過去の学校の先生までも、「離婚一択」だったそうで、離婚に踏み出せないご自身を責めてらっしゃったようです。
「離婚」は確かに以前よりは増えて、特別なカタチではなくなってはいますが、そこに親としての葛藤に目を向けて話すこと、大事だなと改めて感じました。

生活再建にむけて

経済的な課題も大きく、これからどう家族を支えていくかの話をされたとき、

学校関係では
■就学援助制度
この受給ができているか否か、申請漏れかそうでないか、知っておられるか、などのアセスメントをします。後払いにはなりますが、給食費や諸費、修学旅行費などの補助をしてもらえます。

その次にご主人の就労状況や病状をお聞きし、
■自立支援医療 
■障がい者手帳
■障害年金
の順にご説明をします。
自立支援はかなりの割合で利用されているのですが、障がい者手帳はご本人やご家族の障害受容とも関わってくることなので、慎重にお伝えします。
でも仕事が続かないなど、就労状況が芳しくなく、家計に不安があられる場合は配偶者さんの税控除にも大きく関わってきますので、子どもさんが困っておられる場合は特に強く勧めていきたいところです。
親として果たせる責任に「障害受容」があるならば、お付き合いする病気とともに向き合っていただける、そこに向かい応援していきたいです。

偏見

誰もが心の弱さを持ち合わせていると思っています。
その弱さはふだんメンタルバランスを保てることで、おとなしくしているのですが、なにかのきっかけでバランスを失ったとき、依存症、や鬱、などといった病気で表れてきます。
誰のせいでもない、誰も責めなくていい。◯でも✕でもない。
家族性を大事にしながら、ソーシャルワーカーはサポートしていきたいです。

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