生まれ変わったら何になりたい?
その人の人生の一端を触れられる質問の話。
生まれ変わったら何になりたいですか?
この質問っていろんな回答が出来ますけど、皆さんはどんな答えを出しますか? 生まれ変わったらやりたい職業? なりたい動物? もっと単純に異性になりたいとかもありでしょうか? この質問ってすごく色んな意味を含んでて曖昧で、私は大好きです。
今回はいくつかの回答を分類してそれぞれについてその人のことを掘り下げてみたいと思います。アジェンダとしては①職業系②動物系③外見を変えたい系で行こうと思います。
①職業系を答える人。生まれ変わったら芸能人になりたい、医者になりたい、弁護士になりたい。こういう風に答える人は、生まれ変わっても人間でありたいと思っているのでしょう。そして、憧れというよりも後悔を感じる気がします。うーん、後悔も違いますね、遺恨といいますかなんというか。後悔や遺恨ほどの負の感情には満ちてなくて、(今に満足しているかどうかは関係なく)自分には別の形態の幸せがあったのかもしれないと思っている人だと思います。
子供のころはなんにでもなれる気がしたし、実際は成れるものも多かったと思う。でも、勉強の偏りや運動の練度とかで諦めたり興味が移ったりで、気が付けば今の自分がある。それが普通な気がします。こういう風なことを答える人は外見とか内面的な部分は自分のままでいいけど、能力や経験的な部分を変えたいと思っているんだと思います。
②動物系を答える人。話の流れもあるでしょうが、犬や猫、鳥などの動物を答える人は、今の自分に対してなんらかの不満をもっているような気がします。それは別に人間をもう辞めたいとかではなく(そういう人もいるかもですが)、動物になぞらえた性格や特性になりたいと思っている気がします。とはいえ、例えば、犬になりたいと言ったとしても、犬に対してのイメージは十人十色なので、犬に「どのようなイメージを持っているか」もその人の特性を写す鏡になっていると思います。
動物に対してのイメージは本当に人それぞれで異なっていて、どのイメージ(動物)になりたいと同時に、その動物に持っているイメージがその人の人生そのものを表すと思います。またなりたくない動物についてもなぜなりたくないのか、も同時にその人の人生を表すと思います。その人の歩んできたものってその人自身だけでなくて、その人が何かに対して持ってる印象も表すような気がしますね。
③外見を変えたい系を答える人。まあわかりやすいのは美少女になりたいとかですかね。大事なのは今の心または考え方のままでそうなることが重要なんだと思います。きっと自分の外観のせいで、うまくいかないことを経験しそれが強烈だった人がこのような回答をするのだと思います。
①~③まで紹介してみて、わかったのはこの質問の回答って実は4つに分類できる。
①は内面と外見をそのままに変わりたい。②は内面を動物ぽく変えたいけど外見に関しては言及していない。③は内面は現状だけど外見は格好よくしたい。この質問の回答って、外見と内面のコンプレックス次第な気がしますね。
では、唯一紹介していない「空欄」はなんなのか? それがさっきの分類にないのはなぜなのか?
私が思うに、外見も内面も変えてしまったらもう「生まれ変わり」ではないからなのではないしょうか。実際のとこ、内面も外見も変わってしまったら、自分だとは思えない。
人間がこの質問、つまり「生まれ変わったら何になりたい?」というモノをよくするのは、ベースとして「自分が好き」っていうのがあって、その一部分を変更するとしたらどこを変えたいですか? っていう質問をこの文字列に隠されているような気がします。
かくいう私は生まれ変わったら何になりたいのでしょうか? この記事を通して考えてみましたが、正直浮かばない……。決してもしもの世界線や動物への生まれ変わりに興味がない訳じゃないし、考えることもある。でも、それが「生まれ変わったら何になりたい?」の回答になるとは思えない。
私はある意味で幸せ者なんだと思う。今の自分が良いと思えているのだから。ただ同時に寂しく思う。今の自分が幸せだと思いたいだけ、とも思えるからだ。私は満足しているのか、または満足していることにしているのか。それがわかったとて何が出来ることもないだろうが。
はい、今日の希哲学者でした。また不定期になんか意味の分からんことを書きます。
写真:サヨナラ、自然