白金店閉店のお知らせ
突然ですが7/31を持って創業店である白金店を閉店する事にしました。
私個人にとって当然ながら大変思い入れの強いお店であり、苦渋の決断となりました。
独立前より開業メンバーが重ねた努力が集約し白金店が誕生し、その後様々な出会いがありその跡を引き継いだ人達の努力があり今の弊社があります。
私達も12年前皆若く、シャカリキにやってきました。
燻製料理を編み出した時の喜び、初めてお店にお客さまがいらした時の喜び、多くの方にお越し頂けた興奮、夜中まで仲間と仕込みをし続けた事、一品のメニューを生み出すための喧々諤諤が昨日の事の様に思い出されます。
「地域の皆様に取ってのセカンドキッチン」をコンセプトに、気軽に立ち寄れ野菜たっぷりの美味しい食事をカジュアルな雰囲気で、スタッフ達と気さくに会話しながら過ごせる。
この数日現場に実際入り12年前当初目指していた姿を見る事が出来、スタッフ達の積み上げた努力を改めて感じました。
同時に数年前より、このSARUとしてのカタチを守り続ける事、ご提供し続ける事の難しさ、厳しさ、スタッフ一人一人の環境の変化、年齢、コロナを経て雇用の難しさにも直面し、ある意味余裕が無くギリギリ何とかやって来た感、消耗線に入っていた事は否めません。
無理をして何とかすればあと1年、また1年とやり過ごすことは出来るかもしれない。けれどもそれが皆に取っての幸福か。
一人病欠したら営業が成り立たないギリギリの状態で薄氷を踏む思い。
リニューアル、サービスの簡略化、人員配置変えも含め色々と考えましたが、根本の形を変える事はSARUでは無くなるという事。
料理に於いては、創業メンバーである村松シェフが作り上げたものを現シェフである中野太郎シェフが磨き上げ、彼以外にこの素晴らしいクオリティーをご提供する事は出来ない。
またサービスに於いては山本智賀店長の笑顔、気配りがあってこそ。
維持ではなく、未来に前進するため、今ここで撤退をする事にしました。
他にもお店があるのに白金店を蔑ろにしていると厳しいお言葉をお客様より頂戴しました。
それだけお店をご愛顧頂いた事に感謝すると共に、皆様に大変御不便をお掛けする事、本当に申し訳なく思っています。
存続させる事、安定的なチーム作りを模索して来ましたがそこに至らず、全て私の力不足に寄ります。
今まで多くの皆様にご来店頂き、皆様の励まし、美味しかったよとのお言葉、いつも変わらず笑顔でお話しさせて頂いた事にどれだけ勇気づけられ、支えられ続けたか分かりません。
しかし、私達も1年1年歳を重ね、体力、生活、環境、状況が変化をします。その中でこの度の判断をしました。
中野シェフは彼が26歳の時、今の奥様共々お店で食事をし気に入ってくれ入社した白金店に、この数年は家を建てた飯能より通い料理を振る舞って参りました。
今後は彼の持つ独自の世界観を表現できる場所を私達と共に、彼の居住地からほど近い場所で形にしていく予定です。
山本店長は約10年間、海外から戻って来てからお店の顔としてサービスに努めて参りました。これから先の自身の仕事人生を考え、弊社を退社し別業種へ進むことを決意されました。
二人とも自分の人生に置いて「前進」の判断をしました。
今後とも私は個人としても彼等の応援をしていけたらと思っています。
皆様も応援して頂けましたら幸いです。
白金店で生み出されたDNAは弊社各店舗、また独立したスタッフ達に受け継がれています。
ここで多くの生産者様、お客様との出会いがあり今に至っています。
直ぐには出来ませんが、何年か後に、この白金SARUの空気感、商品を受け継いだお店を復活させたいと思っています。
その日を楽しみにまた一歩、一歩前進を重ねて参りたいと思っております。
今後とも弊社、弊社店舗をご愛顧賜れましたら幸いです。
2023.7.26. 猿田伸幸
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