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死ぬ間際に聴く曲を選ぶなら、東京女子流の「Limited addiction」がいい
フォロワーさんが東京女子流の好きな曲について語っているブログを読んで、女子流の昔の曲から今の曲までざっと聴き直した。どれも本当に良い。
松井寛さんがプロデュースしていた初期の曲はもう全部信じられないくらいかっこよくて新しいし、最近の曲も大人っぽさと人肌を感じるようなあたたかさが共存していてすごく好きだ。
でも、やっぱり「Limited addiction」が一番好きだ。初めて聴いたときの衝撃と感動が忘れられない。イントロの一音で曲の世界観に引き摺り込まれる。歌詞も危うくて初々しくて、少し間違えば壊れそうなくらい儚い感情を歌っているのに、言葉の節々に強い意志を感じる瞬間もある。本当に好きだ。なにから語ればいいんだろう。
もし聴いたことがないまま読んでくださっている人がいるのだとしたら、まずこれを見てほしい。スタイリッシュで、12年前のMVとは思えない。
歌詞の話をさせてほしい。作詞は、シャニマスのアルストロメリアが歌うすばらしい曲たちに携わっている鈴木静那さん。鈴木さんがこの曲を作詞していると知った時は驚いた。好きと好きが噛み合わさった時ってなんでこんなに嬉しいんだろう。
特に好きな歌詞を挙げていく。
曖昧なんて嫌だよ 露骨に切ないよ
「露骨に切ない」って表現、すごい。「露骨」と「切ない」が組み合わさるとものすごく新鮮な印象を受ける。信じられないくらい切なくて、その感情が相手の前でむき出しになってしまいそうなのがわかる。シンプルだけどすごい歌詞だ。
視線が合うその時が
煌めく世界の秘密が解け合うんだ
すごい。すごすぎる。この歌詞に恋の美しさの全てが詰まっているような気がするし、もしかしたら現実よりも美しく表現されているかもしれない。
秘めていた感情を伝え合って、思いが通じ合うその瞬間をこんなに綺麗な言葉で切り取れるのか。天才すぎる。
「秘密が解け合う」っていう表現がとにかくすごい。「解け合う」なんて言葉はこの歌詞以外で聞いたことがないんだけど、ものすごく納得感のある表現なのですっと受け止められる。お互いの気持ちが通じ合ったと書かなくても、「解け合う」だけでわかる。大好きだし、何度も噛み締めたくなる歌詞だ。
誰にも譲れないよ
全てを知りたいよ
もう何も怖くないよ
この歌詞も大好き。相手への気持ちが膨れ上がっていくにつれて大胆になっていく感覚が伝わってくる。
独占したい気持ちから相手の全てを知りたい気持ちが芽生えて、さらには何も怖くないって思えるくらいの感情って一体どれほどのものなんだろう。そのあとの「初めて感じる衝動に溺れていく」って歌詞を含めた一連のフレーズの勢いが凄まじい。恋愛感情を追体験しているような臨場感がある。
一人称が「ボク」なのもいい。女性が歌うことで中性的な感じがするっていうか、誰が聴いても曲の世界に入り込める気がする。
振り付けの話も少しさせてほしい。
12thライブの映像、すばらしすぎてここ最近毎日のように観てる。大人の女性に成長した女子流の表現力があまりにも高くて、曲の新たな魅力を引き出している。
イントロの、手首をクロスさせて左右に揺れる振り付け。この、なんだか見てはいけないものを見ているような気持ちになる魅惑的なダンスにどうしたって惹かれてしまう。今まで見たダンスの振り付けの中で一番好きかもしれない。
MV当時の10代の彼女たちが踊るのと、今の彼女たちが踊るのとでは曲の印象がかなり変わってくるように思う。これは個人的な解釈だけど、前者が想像以上に膨らむ感情に支配されているようなイメージで、後者は膨らむ感情を自分のものにして大胆になっているような印象を受けた。
特にイントロとアウトロ手前の山邊さんのじっとりとした目つきがすばらしくて、酔った勢いで好きって言ってしまいたくなる時のような大胆さを感じる。溢れる感情に身を任せられる余裕があるっていうか、恋してる自分のことも見てよ、みたいな主張の強さを感じてすごく好きだ。
サビが終わった瞬間に手首を重ねる時のスピード感も好き。動から静への切り替えと、喜怒哀楽どれにも当てはまらない表情の切り替えの早さに少し怖さを感じる。
2番サビ前の「そろそろ気づいてる?」のところで新井さんの下まぶたのラメが一瞬きらめいて涙みたいに見えるのもすごく好きだ。中江さんの、フレーズの終わりで音が若干上がる歌い方も好き。
4人とも歌い方がまっすぐで、声にもややあどけなさが残っているから、ピュアな心情を歌ってもしっくりくる。そこに大人な表情とか余裕のあるパフォーマンスがアクセントになっていて、曲に深みが生まれてる。すごい。
落ちサビで、横一列になって一歩ずつゆっくりと前に近づいてくる振り付けも大好き。「ボク」と「キミ」が少しずつ距離を縮めているようなイメージが浮かぶ。音数が減ることでぐっと緊張感が増すからなおさらどきどきしてしまう。嵐の前の静けさのようだ。告白とか、好きな人と触れ合ったりする直前のちょっとした「間」のようなものの只中にいるような気持ちになれる。大好き。本当に一生聴き続けたい曲だ。
他にも好きな曲は山ほどある。LiarもBad Flowerもディスコードも加速度もpainも幻もふたりきりもCount Threeもillusionも雨と雫もexistenceも好きだし、Viva la 恋心も夢の中へ連れてってもワ.ガ.マ.マ.-MURO's KG Remix-も薔薇の緊縛も好きだ。他にもある。ライブに行きたくて仕方なくなってきた。定期公演のチケット取ろうかな。