シェア
聴覚野だけが覚醒していて時計の針の音がうるさい。壊れた置き時計は午前二時。実際の時間は…
好きじゃない? 嫌い? どっからどこまでが欺瞞? あのカーブから、 飛び出した小学生の 頸筋…
雑踏の全てが泥に帰して フライパンの上の オリーブオイルみたいに 人間のとけた液体が アスフ…
横断歩道みたいに切ない 恋があって、 郵便ポストみたいに真赤な 嘘をついた。 記憶のあとに…
死んでしまいたくなる天使の 走ろうとする足 掴もうとする手 腰のあたりに蒼い 翅の跡があっ…
叫び、 ふるえ 駆け 飛び 飛び越え 吠え なぎ倒し 転び 転がり 転げまわり わたしは、 四つ足…
疲弊した/男の 鼻息で/満たされた ナンセンスな/音楽ばかり流れる 有名カフェ・チェーンの/消去法で 選んだ/お気に入りの 席から/霧のような雨に濡れて 信号を待つ/マスクをかけた中年の主婦が見える 美しく無いもの/のほうが多いのに 美しいものばかりを/語るから 僕らの世界の/九十九パーセントに 公然と/黙秘権の行使