娘に読んであげたい短編物語(分け合う編)
ある日、草原で牛飼いの男が、通りがかりの旅人に出会いました。旅人はとても疲れているようで、草原の木陰で休むことにしました。
牛飼いの男は思いつきで自分が持っていたミルクを、笑いながら旅人に分け与えました。旅人は驚いて、男に感謝しました。
「ありがとう、これはとても美味しいミルクだね。でも、なぜ分けてくれたの?」と旅人は尋ねました。
男は微笑んで言いました。「私は一人でミルクタイムはできません。美味しい時間は分かち合うものですよね」
旅人はその言葉に深く感銘を受け、牛飼いの男の気持ちに共感し持っていたチーズを分け合いました。
それ以来、牛飼いの男はチーズ作りをはじめ、とても大きな牧場を手にすることができました。さらに周りの人々に影響を与え、たくさんの牧場を管理していくこととなりました。
NAOYA SAKAMOTO (著)