不思議の国のアリス展 ~森美術館~
『不思議の国のアリス』は、青年が少女のために絵本を書いた物語です。青年は少女を大変かわいがり、たくさんの写真をとったそうです。なかには水着の写真まであることを、思春期のわたしは知っていたのです。そんなわけで、ちょっとうがった見方をしてしまうと、『源氏物語』の紫の上の物語に近いものを感じてしまいます。でも、でも!!
多くの女性が『不思議の国のアリス』に憧れるのは、「愛される存在でありたい」という乙女心が満たされるからではないかと思う今日この頃です。困難があっても優しい大人がいて助けてくれる物語なんですよ。たとえかわいいとはいえない女の子であっても、お姫様のように大人から保護され愛されるという経験が女の子にとって大切なんじゃないかと思うんですよね。(そうじゃないと、わたしのようにひねくれてしまいます。)
『アリスの物語』はイギリスで誕生しました。当時、ロンドンでは幼女誘拐事件が発生したりしていました。性的な円熟した女性イメージのブームの後、幼い少女の流行がやってきました。多くの芸術家(ラファエル前派)が、聖なる女性をこぞって書いていたのこの時期です。著者がロセッテイの家族一緒に写っている写真も展示されていました。
最新の科学技術として天文や鉄道が注目された時期だったのですが、資本主義のひずみが露呈した時期でもありました。裕福な子は寄宿舎で勉強を学べました。そんな時代にアリスのモデルになった少女も著者の青年も裕福な身分にあったのでしょう。
動物の骨格標本などもさかんにつくられていたようです。ドードー鳥のモデルになった骨格標本も展示されていました。
中学2年生の時、英語の先生にすすめられ、はじめて買った英語の本が『不思議の国のアリス』『窓際のトットちゃん(英訳)』でした。アリスは単語は簡単ですが、言葉遊びが多くその点では初心者には読みにくい本だそうです。案の定、挿絵を堪能するのが主眼になってしまいました。
マザーグースにハンプティダンプティの歌があるのですけれど、中2の時、英語の授業のはじめにみんなで歌っていたんですよ(今月の歌みたいな感じで)
アリスの舞台の衣装なんかも展示されていましたが、なんとも独特。ディズニーのアニメもよかったし、モノトーンの映画のアリスもよかった。ジョニデの映画もあったな~。アリス展をみて、みんながアリスになっちゃうのって、任侠映画を見てみんなが菅原文太になっちゃうのと一緒だよね。
グッズ屋さんは大盛況。ついつい髪飾り、ペンダントを買いそうになる。あ~、わたしそんな年じゃなかったし、わたしはすぐ無くすだろう。。。。と、思い出し早々に立ち去りました。
森ビルの屋上に上がるのは初めてでした。携帯しか持ち出せません。天気もよくて気持ちのよい日でした。
東京タワーをみると、あ~東京だなあと思ってしまうのは、東京都民ではないからです。
きれいな雲。気持ちのよい風。
鉄骨萌え。
喫茶店は若干お高め。でも、場所代だと思うとお安い設定でありました。(味も量も。。。)
しかし、森ビルにいくと疲れてしまうのです。なんでだろう?たぶん、わたしがおしゃれな街に慣れていないのです。うえのとか、有楽町とか。。。そのあたりの美術館がいいなあ。