⚜ 月と太陽が出会えないわけ

私と貴方が出会えないとするわけは、私の存在証明のすべてが、貴方次第だからです。

私を無として扱えば、私はここに形無きものとして存在し続け、
私を有として扱えば、私はここに形有るものとして存在し続ける。

その実、存在し続けていることに変わりはなく、有形無形の境界線は、貴方の目に映されるか映されないかだけなのです。

男性性を象徴とする太陽の貴方は、そこにいるだけで常に不変である自身の存在を証明することができる。

女性性を象徴とする月である私は、貴方と違って常に形を変え、時にはすべてを見せては現れ、時にはすべてを隠し失われた存在として貴方の目に映るでしょう。

貴方は陽の光であり、私は陰の闇。

存在の在り方からして、私と貴方は違うものであり、貴方無くしては私は誰の目にも映らない、形さえ失われたものとして、此処に非ずの存在となります。
それはまるで、受け入れ難い存在として、貴方の目に映っていたことでしょう。

貴方が私を受け入れられないのは、貴方が決して弱いからではありません。
貴方が私を受け入れられないのは、私が貴方にとっての弱さだと思えるからです。

それゆえに、貴方は目に見える世界において、自身の存在理由を常に証明し続けていたいと願ったのです。
貴方は常に正しさの中にあり、いつでも周囲のものたちから受け入れられたいと願ったのです。