『西園寺さんは家事をしない』家族ってなに?
ドラマ『西園寺さんは家事をしない』が最終回を迎えた。
今期のドラマの中で、唯一と言ってもいいほど、明るい気持ちで観ることができたドラマだった。
家事は大変。
毎日のことだし、終わりもお休みもない。
家事も子育ても1人で背負わない。
そんなことがテーマだったように思う。
コントのような明るいドラマの中に、深いテーマがあった気がする。
最終回、高畑淳子さん演じる西園寺さんのお母さんのセリフが、わかりすぎて泣けた。
西園寺さんのお母さんは、1人で背負いすぎたあまりに、家を飛び出してしまった人だ。
どうしてそうなってしまったのかを、西園寺さんに語った。
家族の為に、家事をしていた。
それは喜びでもあった。
でも自分の気持ちもやりたいことも抑える必要があった。
抑えすぎて、抑えすぎて、わからなくなってしまった。
何がしたいのか。
からっぽの自分に気づいて、そんな自分を救ってくれる人に出会った。
家族を捨てて、その男の人と別の家庭を作った。
世間では、なんて勝手なお母さんなんだと思われるだろうけれど、そうしないとダメなほど、お母さんの心は悲鳴をあげていたのだ。
私も一緒だった。
仕事ばかりの夫と結婚して、出産して2人の娘のお母さんになった。
なんでも1人でやらないといけなかった。
言えなかった。
1人になりたいなんて。
やりたいことしたいなんて。
夫だって仕事を頑張ってくれている。
だから…
もう一度やり直せたら、もっとうまくやれただろうか。
きっとまた1人で背負って、自分を見失ってしまっていたと思う。
子育てが終わって時間ができても、何がしたいのかわからなかった。
からっぽだった。
私は考えた挙句、仕事を選んだ。
1人でも生きていける力が欲しかった。
自分の稼いだお金で好きなものを買って、好きなことをしたかった。
最近は少しずつ、自由になった気がする。
いつからでもリスタートできる。
もっと自由に生きていい、そう思えるようになった。
私は1人になることを選んだけれど、本当はそうなる前に周りの人が気づいてあげられたらいいんだと思う。
苦しんでいることに気づけないなんて、何の為の結婚、何の為の家族なんだろう。
結婚という1つのかたちにとらわれなくていい、そんなことを思わせてくれるドラマだった。