おいちゃんアコースティックルネッサンスふたたび。
大塚東洋さんが亡くなって、早いもので半年になります。坂本龍馬が大好きだった大塚さんですが、大塚さんに龍馬の影を見るのは、人と人を結びつけるコーディネーターの姿です。
大塚さんのお店「串焼き輝ちゃん」で開催していたライヴイベント「おいちゃんアコースティックルネッサンス」は、思えば時代を大きく先取っていたかもしれません。
1995年の春、大塚さんのお店に連れて行ってくれたのは、カナディアンフォークサークルの先輩、kimiさんでした。僕は運のいいことにふたりのコーディネーターに恵まれていたことになります。その当時、アコースティックでライヴができる場所はほとんど、いやアコースティックどころかライヴができる場所そのものがそれほど多くない時代でした。
そこで初めて大塚さんと出会って。新日本プロレスのプロモーターをやっていた彼のことは、地元紙やなんかで見かけて知っていたけれど、歌を歌うということをまったく知らず。アコースティック好きな人がこんなにたくさんいるのか、今までどこにいたんだ?(笑)くらいな盛り上がりで。気がつけば大塚さんのJ-200が手元に回って来て、フォークソング大合唱大会に。
そのちょっとあと、夏のはじめくらいだったか、お店のイベントに誘ってもらって以来、何度となくお店で歌わせてもらって来ました。その中で、ほんとうにたくさんの方々と一緒に演奏させてもらう機会がありました。たくさんいいギターも見せてもらったなあ^ ^。当時買ったばかりのD-45を弾いていたので、いろんな人が「俺のを弾いてみろ!」っていろんな年代の45を見せてくれた上に弾かせてくれて。おかげでものすごく耳が肥えました^ ^いまだにあの時聞いた72年製を超えるやつに出会っていない…あれどうなったのかなあ…ほかにもたくさんマニアックなギター見たなあ。歌うたいにもギター好きにも愛されるイベントでした。そう、今の自分のバンドもここがスタート地点。
SNSでの情報拡散が当たり前の今では考えられないくらいアナログな電話と口コミみたいなやり方で「出ませんか?」みたいな感じでやっていたのが、徐々にネット経由になり、やがてプロの人もたくさん出入りする場所になって。伝兵衛さん、佐山さん、ポンタさん、龍雲さん、滝さん…ライブではなかったけど、山木さん、杉山さん、細坪さん、三浦さん、石やん…たくさんのアーティストとお話しさせてもらい、時にはーーあー思い出した、新日のレスラーの前で歌ったこともあります。タイガー服部さんに「井上!歌えよ!」なんて突然言われて。クラプトンやれ!とかメキシカンのレスラーにラバンバできる?とか言われて^ ^。いい時も悪い時もいろんな経験と出会いの場を与えてもらいました。
21世紀になり、大塚さんの海外移住を機に、イベントはいったんピリオドを打ちました。街にアコースティックでライヴのできる場所、ライヴカフェやライヴバーもその頃から増えていきました。
3年前、コロナ禍が始まってからも、何度か大塚さんがライヴをやろうと声をかけてくれたことがあります。しかし残念ながら、あまりにも感染拡大の落差が極端で、直前で断念する展開が数回あり、その一回が開催されないまま、大塚さんは旅立ってしまいました。
今年の9月に「おいちゃんアコースティックルネッサンススペシャル”東洋忌”」をやりたいと思っています。それに先駆けて、僕自身が忘れてしまっているライヴ感覚を取り戻したくて、レギュラーシリーズを「season2」としてやっていこうと思います。
第一回は、4月8日土曜日、中央町ファイナルステージにて行います。今回の出演は、どーくりくんの安部隆さん、ディアフレンズ田原さんと僕の三々五々、そして中津からKULOの3組で行います。今回KULOは初山さん、ベースのカドさんの2クロにパーカッションのサポートが入ってのスペシャルバージョンです。フライヤーはこちら。
サブタイトルにあるとおり、「佳き歌、佳き音、佳きひととき」をご一緒できればと思います。大塚さんのスピリットを見失わないように、人と人が出会えることを狙いたいと思っています。だから、あなたに来て欲しいです。聴いてほしい人に歌って欲しいです。
ぜひぜひみなさん、お越しください❗️