AG#4 YAMAHA CWE-58
Specification
トップ:メイプル単板
サイドバック:シカモア・メイプル単板
ネック:メイプル
スケール:651mm
フィンガーボード:エボニー
ペグ:TM-30GSゴールド
ピックアップ:PMSⅣ(SYSTEM6)
ブリッジ:エボニー
1984年製
About
ヤマハのギターデザイナー、テリー中本(中本輝美)と坂崎幸之助のコラボで開発されたCWEシリーズ。過渡期のXS-56Eというモデルをはさんで、ヤマハが満を持して83年の暮れにリリースしたエレクトリックアコースティックギターです。ヤマハはこれ以降、純アコースティックギターとは一線を画したジャンルとしてエレアコをリリースします。結果的にヤマハのギターは①純アコースティック、②純アコにピックアップを搭載したもの、③エレアコという感じのラインナップになったのですが、当時お店に行くとピックアップ付きなら②の方が音良いよと薦められたのがとても印象に残っています。特にCWEはプロ仕様だったのか、価格設定がアマチュア向きでなく、結果的に短命に終わってしまった皮肉な運命のシリーズです。続いて登場したAPXシリーズは改良を重ねて現在まで生き残っており、その下地を作った試行錯誤の時代のギターかもしれません。
Story
「決勝に残ればアルフィーに逢える」というのに釣られ(笑)、2009年、第13回NHK熱血!オヤジバトルに出ました。まさかの幸運と仲間の協力のおかげでそれが実現したものの、当日はあまりの緊張で本番以外ひと言も声をかけられなかった。その後ツアーの時に楽屋にお邪魔して、サインしていただきました。このギター、当時のハードロック化したアルフィーの環境に対応して設計されているため「マーシャルにも共振しないトップ」がセールスポイントなのですが、そんな環境のアマチュアが当時も今もそうそういるはずもない(笑)。ブラックグリーンサンバーストという独特の色もカッコよくて本当に欲しかったんだけれど、とにかく高価(40万円)で手が出なかった。道玄坂のヤマハ渋谷店にいつも眺めに行っていました。坂崎氏ご本人も「俺は(後継機種の)APXよりもこっちの(ボディデザインの)方が好きだった」とのことでした。テリーズテリーの坂崎モデルはこっちの方がシルエット近いですよね。この頃のヤマハの音は当時のアマチュア用PAでは再現できず、丸くこもって聞こえていましたが、今の装置で鳴らすと非常に素直な音です。さすがヤマハ。30年早かった。貝のインレイやメイプルのバインディングなど、シリーズ最高峰のこだわりがわかるつくりです。
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