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Char 2020 Mustang part2

※この記事は2020年1月に公開したものに加筆修正しています。

Introduction

2019年に知った機材関係のSNS用語?が「MNG」でした。Twitterで見かけるようになって、機材をいっぱい買う人が増えたんだなと^^。もしかしたらそういう人ばかりフォローしているからそう思えるのかもしれませんが(汗)。

Char 2020 Mustangリリースにあたって、Charさんのオフィシャルサイトでは大々的に専用の紹介ページがアップされました。プロモーション動画、文章、写真、情報ともに力の入ったもので、マニアが見ていることを想定しているんだなと思えるページです^^リリースは2019年9月でしたが、オーダー受付開始が8月末だったと思います。僕はオーダーが受け付け開始からちょっと遅れた。ZICCA仕様のマッチングヘッドバージョン。白べっ甲ピックガードはいちばん人気だったようで、ギターが届いたのは11月半ばでした。おそるべし^^。ZICCA仕様でも白以外は割とみんな早く手に入れてましたね。一般仕様は白べっ甲のみのマッチングヘッドなし。

First Impression

前回の記事でも書きましたが、触っての第一印象は「ボディが軽い」。弾いてみての印象は「音が明るい」。

上のページ(youtube)にあるCharさん自身の試奏動画で「明るい音色だな」と思っていたので、ここは想像どおりでした。明るいことに加え、このギターは音がミッドに集まった印象です。ストラトのそれでもないし、ムスタングのそれでもありません。このギターにしかないレンジ、という感じがします。Charモデル系でもこの音はない。強いて言えばFunichar系かなと思うけど、それよりももっと真ん中に音が集まった気がする。これはアームユニットのせいかもしれません。Charさんの動画を見ていてアンプのせいなのかなと思っていたけど、実際に弾いてみると割とどのアンプでもそういう傾向があると感じます。ここでマニア心が。実際に使うとなった時に、もうちょい下が欲しいなと思った。このギター、キーボードありのバンドならバッチリな気がします。ない時は…もう少し重心を下げたい。どうすればいいかというのが今回のテーマ。

ふたつのポイント。

まず最初に思ったのはサドル替えるといいんじゃないか?ということ。サドルの素材で音が変わるんです。音を聴いて感じ方は千差万別ですから「ぼやけている」と思う人もいれば「あったかい」と思う人もいる。「クリア」という人もいれば「硬い」と思う人もいる。つまりは「好みの差」。今はいろんな素材のサドルが発売されていて、ここははっきり言ってオタクの沼レベルだと思います。形のないものを求めてますからね^^。硬い素材を使うと音の立ち上がりがリニアになる。アコギでもサドルの素材で甘い音とか太い音とか金属的な音とかになるんです。ヴィンテージギブソンは典型的。ここは両刃の剣であるとも思っていますけど、ヴィンテージタイプにしたらもう少しボトムが下がるのではないかと考えました。

そう思い立って、シンクロナイズドトレモロだからとストラト用サドルをさっそく注文。ばねで気に入ったRaw Vintage製。ところがここにドラマがひとつありました。

このサドルには10.8ミリと11.2ミリというふたつの弦間ピッチに対応した商品が存在します。ジャパフェンだから10.8ミリだろうと単純に考えて注文。交換してみて。あら?隙間が。

スキマ。「クリ約」で小田さんがスキマスイッチをこう呼ぶ(笑)。

SNSにアップしたらさすが百戦錬磨のChar仲間たち。すかさず「ミリピッチ?」(笑)見逃さないんですねえ^^。さらに別のお友達からは「それで正解。」「…?」11.2ミリだと広がってしまうという。彼はインチピッチで買っていた。なんとみなさん注目ポイントが同じだった(笑)。こういうマニアックな友達ができたことが20年間やってきた証です(笑)。

Player誌に答えがありました。

なんとこのChar Mustang、サドルは専用の弦間ピッチでした。ちょうど11ミリくらいなんです。

ともあれ。Raw Vintageのサイトに書かれているサドルの紹介文を読むと、「現在得られる中で最もヴィンテージに近い素材を使用することで硬度のバラツキを解消し、ニッケルメッキを直に施してよりヴィンテージのサドルに近づけました」とのこと。さらに開発にはチタンサドルでおなじみKTSが協力されているとのことで、ある意味最強タッグですね^^。

サドルの素材は検証できませんが、まずは実際に並べてみる。くっつけると確かに幅が違います。

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左がChar Mustang、右がRaw Vintage10.8mm。

重さを量ってみると。元のサドルは5グラム。一方、Raw Vintageは4グラム。

画像2
オリジナルサドル重量。
画像3
Rawvintageサドル重量。

面白いことに?Raw Vintageを搭載すると、ややダークなトーンに変化する印象です。ずーっと重いほうがサスティンやトーンに影響すると思ってきましたけど、重ければいいというわけでもないんですね。この辺は70年代あたりにギターは重い方がいいとか言われていたのと同じ感じかな。

トレモロブロック

ふたつめ。ストラトの改造でよく聞く話が、トレモロブロックで音が変わるという話。当然サドルの次にはここに注目が。Charさん的にはこの部分、こだわってるのかいないのかわかりませんけど、ストラトにはジェフベックがやってるみたいにブロックを薄くダウンサイズするのではなく、キャビティを削る方向で答えを出した(出させた)んですよね。

今回の場合はボディの厚みをオリジナルのムスタングに合わせているため、トレモロブロックが特別サイズ。つまり、これを替えようとすると売っているものはありません。そんな時に「あるよ。」ーなんという音楽仲間たち!!20年に乾杯(笑)。今回これを試させていただきました。感謝!

Original Block produced by Mr.T

トレモロブロックの難しいところは、材質だけでなく、弦を通す穴にもいろいろなポイントがあるのです。ヴィンテージのブロックのポイントはボールエンドの引っかかるポイントがブロックギリギリに浅く設定されているところ、最近のは深いんです。これによりタッチの感じが違う。テンションが、という人がいますが楽器屋さんにこれ言うと笑われます(笑われて怒られた経験あり:汗)。テンションは変わらないけどタッチの感じは柔らかくなる気がする。6ミリ切るのはどこなのか、ってことなんですね。

博多の重鎮H氏のディレクションで鉄のプロT氏が削り出した一品は、弦間ピッチ、穴の深さ、そして重さ(50グラム増:ダイカスト製と鉄製の差)を考慮した素晴らしきマニアブロック!^^

上から?下から?左がTブロック。右がオリジナル。
横から。左がTブロック、右がオリジナル。
Tブロック。
オリジナル。ぴったり50グラム差。

Impression

搭載してみて。率直に聴感上のボリュームと倍音とクリアさがアップする気がします。いろんなサイトやブログでストラトの改造した人のコメント見ると「変わる!」という人と「そうでもない」という人が両方います。実際に動画を撮ってみたんですけど、素人はダメですね。反射的に同じに聞こえるポイントを探すというか、ボリュームやタッチをいじってしまうので差がわからない(泣)。おまけについついコーラスかけてるし(汗)。すみません。音の感じが違うのがわかってもらえるかどうかはわからないけど、僕としては間違いなく「変わる」と思いました。音がクリアになるぶん、タッチが柔らかくなってるの伝わりますかね?

おわりに。

この実験はあくまでマニアの遊びで、もともとのパーツにケチつけてるわけではありませんので。Charさんご自身が「初心者にも扱える」値段で、と設定したこのラインでは十二分に納得できるというか、おつりがくる(だってこのふたつのパーツは実際のところ新開発なんですから)ところです。また、当然個体差はあるでしょうから、同じモデルだからと言って同じ音にはなりません。さらに私へたくそですのでもっといい音で鳴らす人はたくさんいらっしゃると思います。あくまで実験台ですので悪しからず。

件のワークショップではCharさんと、それからセッションする人が弾くムスタングにはRoland JC-120が直でセッティングされていました。多くの人がそこはチェックしたと思いますけど、インプットはLow、ボリュームは2、トレブルが2、ミドルとベースとディストーションが10でした。このセッティングでいい音だったので動画でもマネしてますが全く違う(泣)。勉強になりました。

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