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PINK CLOUD #2

Fender Stratocaster burgundy mist metallic

メイプルネックニチョウセンしてる84年頃^ ^

アイドル時代リアルタイム世代なら「Charといえばムスタング」という人が多いでしょうが、現在では「バーガンディ」という人も多いのではないでしょうか。

83年あたりから登場し、今なおメイン機としてステージにセットアップされるバーガンディミストメタリック。シリアルナンバー48140。当初は60年「代」と言われていましたが、その後60年製になり、現在は59年製ということになっています。リフィニッシュの可能性、バスウッドボディの疑いなど謎の多い一本でありながら、マッチングヘッドだということもあり、スペシャルな存在として認識されていると思います。 かれこれ40年にわたりCharさんのそばにいるお気に入りですね。

バーガンディミストは60年からカタログに登場するカスタムカラーです。

加部氏の仲介で買ったらしいこのギター、「まーちゃんがどっかから持ってきたやつを」「これともう1本明るいピンクと2本あってふたつで50万っていわれたけど,タケェよ1本でいいよって買わなかった。後で聞いたら買わなかったほうのは100万近くしたんだって」…これは90年ごろのプレイヤー誌のインタビューでのコメントですが、その後もたびたび同様のコメントが登場します。83-84年頃の登場時期の記事ではバーガンディミストというカラーに関しての記述を見たことがありません。もしかしたらどこかにあるのかもしれませんが、ご存知の方、情報お待ちしています。リフィニッシュではないか、というのは90年前後に雑誌に登場するようになった頃から書かれていました。当時はバーガンディミストというカラー名もあまり知られていなかったと思います。手元の資料で雑誌にこの名前が出てくるのは92年。それ以前には?情報お待ちしてます^ ^。ギターマガジンでさえ「サーモンピンクの」と書かれていたり、Charさん自身もかなり最近まで、「パープルっぽいストラト」とか「パープリッシュなストラト」と呼んでいました。

89年のギターマガジン。「サーモンピンク」。
「ピンク系」「ゴールドパーツ」ヤングギター90年。
初「バーガンディミスト」は91年秋に行われたというインタビュー。ヤングギター92年。

入手直後はいい音がしたが、じきに鳴らなくなったので2年くらい放置していた、というコメントがあちこちで見られますが、83-84年にはライヴでよく登場しています。

この映像は割と最初の頃の83年11月。一時期使っていたブギーのアンプがハイワットと並んでいます。雑誌にもテレビにもこれで出ているのですが、前の記事に出てくるサンバーストのストラトと交互になっている感じの時期です。

直前83年10月はサンバーストが。

96年に出たムックでは「84年にリアが断線した際、フロントをリアに移植し、センターにビンテージストラトキャスターのピックアップを移植」という記述があります。この時に搭載された「ビンテージタイプのピックアップ」がなにかというのがファンの間で話題になったこともありました^ ^。また、登場当初はオリジナルどおり?(ほぼ)ストレートのアームがついていますが,INDEXアルバムの頃には当時のカスタムショップ製アームのような角度があって折れたものになっています。

アームがストレート。
折れ具合がわかりますでしょうか?

余談ですが、90年ごろにはジャパフェンのアームとカスタムショップのアームはまったく「折れ具合」が違っていました。そういう意味では、ジャパフェンの方がストレートで、よりヴィンテージに寄せていたと言えるかも知れません。

90年代以降、INDEXアルバムあたりからPeriodアルバムまでメインで使われたのち、パーツ交換を経て、GRUとマスターグレードにメインの座をしばらく譲るものの、2010年代、TRADROCKシリーズでジミヘンやるあたりからふたたび使われるようになりました。このギターは長らくノンフローティングで、特に99年以降はそれが使われない理由のように言われていたこともありましたが、「少しだけアップ可」みたいな感じからフローティングのセットになっているようです。「お?」と思ったのはSlap my handの頃だったかな。

Copy models

コピーモデルに目を移すと、Charさんが使い始めた80年代前半にバーガンディミストを採用し、リリースしていたのはフェルナンデスのリバイバルシリーズだけでした。ただしフェルナンデスのモデルは64年型。そして表記はBUM。Charさんの使用との関連性は分かりません。

90年代以降、雑誌で取り上げられたり、テレビで見ることも増えて、問い合わせやオーダーが増えたと予想されますが、フェンダージャパンからコピーモデルがリリースされました。当初は楽器店のスポット特注モデルでしたが、のちに神田商会側のレギュラーモデルになりました。フェンダージャパンの消えてしまった現在もバーガンディのモデルはありますが、マッチングヘッドではありません。ほかのメジャーブランドはもちろん、個人や工房の手によるマニアックなレプリカは多数あり、高級機から廉価版に至るまで、このギター、そしてCharさんの人気を窺うことができます。

Char 1959 stratocaster BURGUNDY

そう言ったレプリカの究極版が2018年になってリリースされた本家フェンダーUSAによるレプリカ。Charizma、Free Spiritに続くシグニチャー第三弾としてポールウォーラーによるMASTER BUILTモデルとカスタムショップによるTEAM BUILTの2種類がリリースされました。入手時期あたりの状態を再現したジャーニーマンレリック仕様とのこと。フェンダーのサイトでは、前編後編に分けてインタビューが掲載されています。上で書いている入手の経緯もそのまま出てきます。音より「色」が決め手と言い切る潔さ^ ^。フォトセッションやPVでは使われている気がしますが、ライヴで使われているかどうかは、少なくとも見た目上わかりません(笑)。

Thanks to:
Mr. No. N
Mr. Hirai

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