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ギター文化?

ほかの人に比べてたくさんのギターを持っているので「コレクター」というカテゴリに入れられている?かもしれませんが、基本的に自分はコレクターではないと思っています。

コレクターは、まあいろいろあるでしょうけど、基本集めるのが目的でしょ。コンセプトというか。国宝シリーズとか切手趣味週間シリーズとか(古)。いわゆるコレクターの人がコツコツ集めたコレクションには感心するし、いいなあと思います。僕そういう丁寧さはないんです(汗)。使うのが前提なので。そのギターの持つ音が知りたいんです。どういう音か。たぶん身近にそういうお店や人がいたら自分で買わなかったかもしれない。たまたま周りにそういう環境がなかったから仕方なく(笑)買ってきただけなんです。という言い訳(笑)。

昨日、GRUのペグを交換しました。コレクター的には「もってのほか」ですよね^^。オリジナルパーツじゃなくなる。でも、ポテンシャル高いギターをパーツの劣化でだましだまし弾くのはそっちの方がもったいないと思う。錆びた弦のまま弾きたくないと思うのと同じじゃないですか?違うか?^^;

交換して弾いてみて、買った当時の感動みたいなものを思い出したり。音もだちとやりとりしながら、来し方25年を思う、みたいな感じになりました(笑)。インスタには97年ってタグつけたんだけど、バックプレート見たら96年だった(汗)。コレクターなら絶対間違えない(泣)。

90年代の半ばというのは、転換期だったなあと思います。ウインドウズ95からのインターネットの時代だけど、まだ今みたいな感じはなかった。いわゆるお店のサイト自体がそれほどなかったからですね。みんな「ホームページビルダー」とかでせっせと作っていた時代。もう今の人には想像もできないと思いますけど^ ^。当然デジマート的なものもないし。だから僕らは雑誌の広告だけが頼りだった。コレクターといえばマックさんとかツムラさんとかのことを指していたと思います。なんとかマガジンが出てからじゃないかな。一般的になったのは。

いわゆるヴィンテージギターという言い方もまだオールドって言うほうが主流だったと思う。広告見て電話して「ああ売れちゃいました」を繰り返すうちに、広告と入荷のタイムラグに気づいたりね。まあそういう時間の幅というかあそびみたいなもののある、いい時代だったといえばいい時代だったのかもしれません。

思い起こせばあの頃、「いいギター」っていう新品の高いギターはPRSくらいだった。フェンダーもギブソンもヴィンテージのコピーが中途半端な時代で岩撫さんとかがあれこれ監修しているころだった。腕利きの人がいるギター工房の方がオリジナルもコピーもはるかにいいギターを作っていて、オールドにも詳しかった。つまりは出会いのあるなしが大きな違いだった。ギターの調整から全然違うと初めて知った。バブルでオールドはたくさん日本に入ってきてたけど、本当にコレクター向けのミントコンディションのやつを除けば、いわゆるプレイヤー向けのやつって本当にボロボロで、そういう意味では「中古市場」だった。正しい。Charネタでも面白い話というか、95年くらいまでムスタングのオリジナルカラーは「クリーム色」だと思われていたと思う。大笑いですよね。衝撃でしたよ。真っ白があるんだと知った時^ ^。あれでムスタングは一気に値段が10万上がったんです。そういうのを経て、安定してきたのってもう世紀末だった気がする。ヴィンテージ市場にも過渡期があったと思います。

GRUに手を出したのも、当時のフェンダーが「グッピー腹」と揶揄されるレトロスペクティヴ期で「惜しい」感じだったところに「リアル」な感じで出てきたからってのがもともとのスタート。おまけにCharさんが使ったから付加価値がついたっていう感じでした。マスターグレードが出てきた時も負けてないと思った。今でこそわかりますけどマスターグレードはヴィンテージを狙ってますよね。ピックアップのパワーとか。GRUは新品のパワー。そもそものコンセプトが違う。こういうのの違いって実際に弾いてみないとわからないじゃないですか。

レリックの方が評価高いとかいうのも今に繋がる文化ですよね。マスグレと前後してあのあたりからレリックの出来もよくなったけど、僕はもう全く食指が動かなかった。新品をぼろぼろになるまで使う。その気持ちは今も変わっていません。

インターネットの時代が到来して、いろんなことが大きく変わって。まず、通販の形が変わった。情報交換の速さは市場の動きにも影響します。掲示板サイトでの評判とか、いいうわさも悪いうわさも全部出ちゃう。やってる方は口コミのつもりだけど、それが世界中に広がる。それからジャパンヴィンテージの評価ですよね。Char Iを「新品デッドストックで」手に入れたとき、タイムスリップしたような楽器屋のおじさんが「ついにわれわれの時代がやってきた」と発行されたばかりのJapan Vintage誌を手に微笑んだのが懐かしい^^。オークションもずいぶん変化してきてると思います。

個人で言えば。店頭での知識対決、ネットでの承認欲求対決、テキストベース、ブログベース、音源ベース、動画ベース、勝手に写真とか音源とか上げちゃう掟破りベース、ファンという名のもとにそれこそ星の数ほどいろんな人やサイトが現れては消えて。正解がないから試行錯誤するんですけど、そうなると確かなものは何か、拠り所は何かってなりますよね。

文化というくくりでいいのかわからないですけど、確かになんらかの世界が存在し、四半世紀の間に目まぐるしく変わる価値観の歴史があると思います。僕は単なる音楽ファンというかいちユーザーでよかった。商売やってる人はたいへんだろうなと思う。もちろんこれからまた流れも変わっていくんでしょうね。市場が文化を作る。店頭の流行プロデュース、オークション、転売ブーム、フリマサイトしかり。最近はちょっと極端な感じですよね。ロングテールケンタウルスでカスタムショップのストラトが買える、みたいなね。健全の基準はもはやわからない(苦笑)。自分が健全かどうかは…みなさん試しに。欲しいギターがあったらいくらまで出せるか?と聞いたらけっこうふつうに答える人が多いんだけど、61年のストラトが今なら100万、って聞いてどう思いますか?「たっけーな」と思う人は健全です(笑)。僕らは瞬時に「いつのリフ?」とか「どこのパーツが変わってるの?」とか思っちゃうから(爆笑)。

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