最近
ここ2年。ある人、ある場面を思い出すと、声が震え、涙が溢れ、お腹の調子が悪くなるなど、これまでなかった体の異変が起こる。
最初は忘れられないぐらい好きだったのかと思った。けど、どうやら違う。
新しく出会いがあって、誰かを好きになりかけても、少し無言が続くと怒っていないか気にしている自分がいる。友達に話すと、なぜ「無言=怒ってる」の解釈になるのか不思議がった。
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2年前まで8年間付き合った人がいた。
彼は、怒鳴ったり暴言を吐く人だった。
遠距離恋愛だったため、常習的な暴力はなかったものの、喧嘩の最中にとっさに頭を押さえ付けられムチウチになったり、自分が大切にしていた物を力任せに殴りつけられたりと、とにかく怒りが抑えられないようだった。
こちらの要望を無視する性的な暴力もあり、ある時顎関節症になったのか、今でも口を大きく開けるとカクっと関節が外れるような感じがする。
内容が内容だし、断固拒否しなかった自分に若干後ろめたさもあり、性的な問題については誰にも話したことがない。だか、どう考えても、例え悪気がなくても、異常である。
もちろんその時点で彼に話したこともあるが、「どうしてそんなことをしてしまったんだろう」と泣くばかりで、また同じことを繰り返すのだった。
ここまで書いてみると、どんな暴力的な人間かと思うが、大変外面が良く、周囲の人からは好意的に思われているようだった。それがまた、「これぐらいで」と私に思わせる理由になった。
結局のところ、選んで付き合い続けてきたのは自分だが、騙し騙しやってきた傷がここまで化膿していたのは別れてから知ることになる。
自分は強いから気にしてないと思い込もうとしていた。実際、彼の暴言のおかげで精神的に強くなった部分もあるが、どんなに強くなろうと、傷が消えるわけではなかった。
もともと音楽という共通項がきっかけで仲良くなったため、全てのSNSをブロックしても、自分が置かれている状況柄、どうしても名前が入ってきてしまう。しかも、彼は自分が嫌いなものであっても、私が好きであるとわかると真似る傾向があった。自然と私の興味のあることに彼が今もいる状況になっている。
そんな中、イニシャルを連想させるアルファベット、彼の名前が入った地名、彼が住んでいた横須賀、これらの文字が不意に入ってくるだけでも緊張が走る。
彼がアンビエント系の曲を作る人だったので、好きだったアンビエント音楽を素直に楽しむこともできなくなり、いつも警戒している。
もちろん楽しいこともあったし、楽しかった記憶がよみがえることもあるが、楽しかった記憶が過去となっていくのに対して、症状だけは現在進行形でここにある。それに気づいたのが2年後の今だった。向こうは自分が言ったことも、したことも覚えていないだろう。
もし今後新しい出会いがあって、その人の前で症状が出たとしても、私は詳細を話せないと思う。
そういう扱いを受けた人だと思われたくないからだ。
自分が未熟だったのも原因だと思うし、全てを彼のせいにする気はない。
新しい生活が始まり、今を生きている。
だけど、自分の意思ではどうにもならないことが今も続いてる。
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