絶滅危機動物ファイル16「オオセンザンコウ」
こんにちは!
絶滅危機動物ファイル16「オオセンザンコウ」です。
twitterでは2023/3/12に公開しました。
センザンコウの仲間は、松ぼっくりのようなウロコに覆われた体、長いかぎ爪、長い尾、小さな頭と、とてもユニークな見た目をしています。
シロアリを食べることに特化していて、他のシロアリ食の動物たちと似た特徴をもっています。収斂進化の分かりやすい例ですね。ネコ目の動物たちと分かれてここまで進化したのは驚愕です。
長い尾でバランスを取って後ろ脚だけヒョヒョコ歩く姿はまるで恐竜…なんて言われたりもしますが、このように歩けるのは8種のうち、サバンナセンザンコウだけです。
さらに、ボール状に丸まって身を守り、これにはライオンたちでさえお手上げ…なんですが、この防御が通じない相手がヒトであったという…。
丸まった状態ではヒトにとっては逆に持ち運びしやすくなってしまい、簡単に捕らえられてしまいます。
そして、このような風変わりな見た目の動物だと、薬になるんじゃないかと何故か思われてしまうのです。ウロコは実際にはヒトの爪と同じ成分なんですが。中国を中心に莫大な需要があり、アジアのセンザンコウは取り尽くされてしまいました。
ウロコを使った治療が認められていた中国では、2016年時点で200以上の製薬会社がウロコを使った様々な薬を製造していました。
2017年にはワシントン条約でセンザンコウの国際商取引が禁止となっていますが、密猟・密輸の舞台はアフリカに移り続けられています。
大量の冷凍されたセンザンコウが船のコンテナに入れられて運ばれていた写真はとてもショッキングです。
世界一密猟・密輸されている動物が、センザンコウです。
しかし、今まで需要の中心地だった中国ですが、2020年に、長年伝統薬として使われてきたセンザンコウを使った薬の承認を取り消しました。そして、密輸の取り締まりも強化しています。
需要がある限り密猟は続くので、取り返しがつかなくなる前に、世界の人々がセンザンコウについて知り、考えていかなければと思います。
それでは〜。
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