プロ野球監督という仕事は本当におすすめしません
選手で三冠王 監督として日本一
プロ野球で活躍した落合博満さん(70)。よくスポーツの世界では「名選手、名監督に非ず」と言われるが、落合さんは選手としては3度も三冠王に輝いた一方、2004年から2011年まで務めた中日ドラゴンズの監督では、セ・リーグで4度優勝し、うち1回は日本一になった。
その一方で、愛想がなくファンサービスに消極的であったと批判を浴びた。
マスコミに対しては、試合後のコメントも他の監督に比べて少なく、多くは1行程度だった。それには理由があって、チーム事情を敵にばらす記者がいることを現役時代に知り、自分のチーム事情が漏れるのを警戒していたからとされている。
こうしたことから、マスコミや球団からは「ファンサービスが足りない」と批判を受けた。これに対し、落合さんは「勝てばファンはついてくる」と反論した。
あくまでも1勝にこだわった監督生活だった。
落合さんの監督生活を家族の視点から見てきた息子さんが最近投稿したX(エックス)のポストが、当時の苦しい様子を伝えている。
家族が見た壮絶な監督業
ポストは「プロ野球監督という仕事は本当におすすめしません。」という文から始まる。
以下の文章が続く。
「『え、大丈夫? ◯んじゃうんじゃないの?』ってくらい神経や精神を擦り減らしながら毎日を送っていた背中を見てきました。夜遅くまでデータを見たり、勝ち負けの計算を立てたり、他の試合を見返したり。
決して表では見せないボロボロな姿を見てきているので、僕は全てのプロ野球監督に対するリスペクトが半端なくあります。
僕らが見えていない所で絶対に皆さん肉体的にも精神的にも擦り減らしながら大変な「仕事」をやっていると思っています。なぜなら博満がそうだったので。」
心身にも負担だった。
「ぐっと抑えた分ストレスで髪の毛も吹き飛びました。えぇそりゃもうライトへの流し打ちばりに飛んで行きました。円形脱毛症もすごくできて、帽子じゃ隠せなくなってきたので『一緒に坊主にしようぜ』」って言った事を今でも覚えています。
ただストレスが原因と思われると嫌なので『優勝できなかったら丸坊主』
という事にしたのはいい思い出です。」
1つひとつのプレーがゲームやシーズンの先行きを左右するので、監督にとっては現場での観察眼が極めて重要だ。
鋭い観察眼 審判の体調不良見抜く
落合さんには、試合中、主審の体調不良を見抜き、交代を促したというエピソードがある。これも日々の観察眼の鋭さによるものだ。
3時間程度の試合が終わると、その日の総括と明日以降の準備、翌日は試合前の練習にあわせて昼過ぎには球場に行く。これが半年のシーズン中は続くのだから気を抜く暇がない。
「トップは孤独だ」と言われる。トップクラスの人気競技である野球では他と比較にならない孤独感がありそうだ。当時の詳しい状況は、下記の書籍に詳しく書かれている。
今はYouTuberとして活躍
その落合さん、今はYouTuberとして活動しており、チャンネル登録者数は50万人に迫る。
福嗣さんのポストは下記の文章で終わっている。
「監督業って壮絶なんだな。きちいんだな。って印象しかないので今は新人YouTuberとして自分が楽しいと思う事をしてもらえている事に心の底からホッとします。」
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