8方向から見る
お釈迦さまが、物事は最低8方向から見よ。と言ったとか言わないとか。
その逸話を題材にして、いつも
真逆を考えてみる練習をしろと言っていた師匠が
例えば8種類の視点を持つとすれば
どんなものがあるかという話を。
誰かと言い争いになってとして
①自分の視点
②相手の視点
③自分の味方の第三者
④相手の味方の第三者
⑤どちらにもつかない第三者
⑥両方の共通の友人
⑦両方を嫌っている人
⑧その全員を眺めている第三者
などなど、なんでも良い
Aさんは、長年の某歌手の大ファンで、毎年ツアーのあっちの公演こっちの公演に追っかけて行くほど。
さて、師匠がAさんに言う
その歌手を大嫌いな人の視点でその歌手について語ってみてと。
Aさんが、
「その歌手の曲調がまず好みではなのでしょうね。
女の子の気持ちを歌っているので
男の人なら共感できないかも。」
などと言ったとすると
師匠は鼻で笑う。
それは、「あなたの」視点でしょう。
「あなたが考える」相手のことにすぎない。
オレがその歌手を大嫌いな人なら
こう言うよ。
歌は下手くそで聴くに耐えないのに
派手な衣装や演出で誤魔化してるだけじゃねーか。
あんなの才能あるアレンジャーがついてなかったら売れてたかどうかわかんないよ。
声も気持ち悪いし、歌詞もどれも似たようなのばかりだし。
聞いているAさんはワナワナと震える。
ほら、オレがいま言ったとおり言ってみろ!
ほんとにそう思えと言ってない。
信じなくていいから言ってみろ!
言ってみろ!
師匠が煽る
Aさんは、蚊の鳴くような声で
「言えません」と答える。
言えないのだ、自分の視点から出られないから。
それはなぜか。
感情が邪魔するのだ。
感情、これこそがもっとも厄介で
もっとも人間らしいもの
これを乗り越えない限り
光をうまく使うことはできない。