ほろほろと
出勤途中に道端の花の写真を撮っていると、目の前の家からお婆ちゃん(80歳くらいかなあ)が出てきて
「外出たら暑いなあ!」と言う。
「暑いですねえ!」と答えると
「お買い物?」と。
「仕事ですよー」
「え?仕事。いつから働いてるの?」と驚いた顔。
どうやら誰かと間違えているらしい。
「最近やでえ」と答えてみる
「気つけてな、頑張ってな、行ってらっしゃい、暑いからな、帽子かぶりや。まだ子供小さいから頑張らなあかんな。」という声を聞きながら
手を振ってその場を去る。
よほど若い誰かと間違えてるみたい。
彼女はどこか別の世界に住んでいる。
ところで
分裂症とか統合失調症という言葉があるが、わたしには違和感しかない。
統合するからおかしくなっているのではないか。
現実のこの世界と、見えない世界を
統合するなと師匠は言っていた。
別々のものを分けて両方持っていてください。
今はどっち側に意識があるのか。
これは、現実側の言葉
これは、エネルギー側に放つ言葉
しっかり分けていろと。
一部のスピリチュアルでは、それを
混ぜてしまって、現実の肉体の中や周りにエネルギーがあるとして
こっちの世界をいじろうとする。
もう出た結果をいじろうとする。
だからおかしくなるのだと。
今朝のお婆ちゃんは、肉体のいる場所で目の前にいる私を見ながら
どこかここではない時間と空間の
誰かと話している。
混ぜてしまっている。
認知症について師匠が言っていたことがある。
ゆっくりと、ゆっくりと
エネルギー側に還っていく姿を見せてくれているのかもしれないねえ。
ほろほろと、ほろほろと
少しずつ崩れながら。
この世界を離れたら、時間と空間というものはない。
意識だけは、時空間のどこにでも行ける。
ほろほろと、ほろほろと肉体の終わるまで。
おばあちゃんはここにいたが
ここにはいなかった。
私ではない誰かを見ていた。
誰でもいいのだ。
実際は、誰でも同じことなのだ。
たまたま、その時の需要と供給が
ピッタリ合った人が選ばれるだけだから。