第二十六話 Made in Osaka
日曜の朝、市場へ出掛ける。
すると皆どこから来たのだろう?沢山の少数民族の女性達が集まってくる。
それぞれ独特の民族衣装を身に纏い、背中に籠を背負ってやってくる。
この時はそこまで気にも止めていなかったが、ここから暫く後の事、僕はバイクで少数民族の村々を訪ね歩くという旅をラオスと中国は雲南省の国境付近でやった。何故、近くに住みながらも、ここまで生活様式も格好も違うのかが気になって。
そんな色とりどりの服装の人達が集まり、活気に満ちた市場へと出掛ける。
少数民族の木彫り、食材、色々なものがある。電化製品なども売られている。
この電解製品は少数民族の人の売り場ではないのですが、僕はその市場で面白いものを見つける。
「MADE IN OSAKA」「NATION」そんな言葉が刻まれる、カセットテープ。
「大阪って独立国家??いや、ある意味そうかもしれない」
ナショナルのパクリで大阪とは。
もしや本当に関西人が作ったのでは?
真剣に考えてしまいました。
カッコよ過ぎるだろ。
僕はここで自分の持ち物「LEDランプのキーホルダー」と、「少数民族の古い木彫り」とを交換しました。
この時代は、まだまだ物々交換が可能だった。
この旅の中で、どれ程の物を交換しただろうか?
お互いに良い取引でした。
そんな市場での探索と買い物を終えると、今度はインレー湖へと戻る。
勿論、ここでは船に乗り。
まず向かった先はというと、タイでは観光化している水上マーケット(ここはまだ生活として成り立っている本物だった)。
ここでは先程の市場のような食材から、お土産品を売る船もある。
船の上でタバコをふかすおばあちゃん。このおばあちゃん、味があるなあ。。
僕は、おばあちゃんにカメラを向ける。
するとおばあちゃんは
「そんなの向ける前に、これでも買っていきな」
と、土産を差し出す。
その気迫と勢いに押され、いくつかを買わされてしまう僕…。
さて、水上マーケットを楽しんだ僕は、次に湖の真ん中にあるお寺へと向かう。
湖では船の上に立ち、片足を使いオールを使いこなす人達。ここの湖、独自の漕ぎ方だ。
さて、湖の真ん中にあるお寺へと到着。
何故か、陸地にあるお寺よりも神聖な空気が漂う。
お寺参りの後、外に出に出る。すると魚影が沢山見える。
僕はフト思いました。
「インレーの湖では、どんな魚がいるのだろう?」
すごく興味のあった僕は、近くに居た漁師に獲物を見せてもらうことに。
魚篭の中を覗く。すると、ここではアナバンティ(肺から直接空気を取り込む魚)という種類の魚がメインで、上がっていました。
ドワーフグーラミィ?など、食べてもおいしい魚も結構釣れてました。
勿論、その夜は魚料理でした笑
そしてそんな食事の後、街に出ると、沢山の人々がどこかへ向かう。僕もその人の流れの方向へと向かう。
するとその先では、縁日のようなものが行われました。
しかしこれが、日本のそれとそっくりで!沢山の出店、綺麗な民族衣装に身を包む女性達。親子連れ。
僕は、沢山の人達が穏やかな表情で楽しむこの縁日を見て、幸せな気分になりました。
インレー、最後の夜が更けていく…。
次の日、バスに乗り込み、ここインレーを後にする。
しかし僕の旅において、何もなくすんなり進むような事があるはずがない。ありえない。
最早、お約束、そんな星の下に生まれた人生。
予想どおり、帰りのバスで数々の物事が起こるのでした。