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アントニオ猪木と志村けん 残り3%の世界で生きている
世の中、どんどん便利になっている。
なんて事はみんな知っている。
昨日まで当たり前じゃなかったすげぇことが、もう明日には全然当たり前のことになっているなんてざらである。
だからきっと自分の体感以上に、リアルな世の中の進化スピードは早いんだと思う。
目まぐるしい日々の進化に、ただ感覚が麻痺してしまっているだけなのだ。
それでも未だ実現していない子供の頃から憧れた夢の技術といえば、当然タイムマシンだろう。
本当にそんなエゲツない物が登場したら何をするだろう。。と、誰しも1度は妄想を膨らませたはずである。
順当に考えれば、まず未来へ行って競馬と宝くじの結果をチェックするだろうな。。
んで、ダッシュで戻ってきて当たりそうな馬券やくじをバンバン買いまくる。
だけど、もしその後に別の誰かが、私の未来をさらに上書きするような真似をしたらどうなんの???
なーんてことは、小学生の脳ミソでぐるぐる考える分には楽しいかもしれないが、残された時間も限られつつあるジジィがこれに思考を巡らすのは、正直言って時間の無駄ってもんだ。
だってほら、タイムマシンに乗ったからって、別に自分が若返るわけじゃないからね。
ま、続きはPanasonicあたりが実際に家庭用タイムマシンを発売したら本格的に考えることとしたい。
ん?
でも、ひとつだけ今の時点でやってみたいことがあるな。。
もしタイムマシンが手に入ったら──
小学4年生くらいの私に、是非尋ねてみたい。
「猪木と志村けんのいない世界って、どう思う?」
きっと、、
いや、絶対何も答えられないだろう。。
ただ茫然と立ち尽くすだけに違いない。
イメージとしては、真っ暗な田舎の山小屋。
ぽつんとひとつの裸電球が灯っている。
その電球のスイッチが、突然パチンと消される感じかな。。
本当に目の前が真っ暗になるはずだ。
それくらい、この両雄は私にとっては偉大だった。
日本には確かに世界的にももっと高名なすごい偉人が数多存在する。
だけど、無理なのよ。
坂本龍馬を連れてこようが、兼好法師を連れてこようが、太閤秀吉を連れてこようが、、
私の中でこういう偉い人達が、猪木と志村けんを超えることは決してないと断言できる。
だって、シンプルに与えらてきた物の大きさが違い過ぎるもの。
教科書を開かないと学べない人物と、そんなもの一切必要ない人物の違いは大きい。
男のロマンとか、この世の楽しさとか、大抵のことは学校では学べない。
彼らのいない世界なんてのは、乱暴な言い方をすると、幸福度の97%減くらいのものだろう。
小学4年生の自分が想像できなくて、思考停止するのも仕方がないと言わざるを得ないわ。
だけど、忘れてはいけない。
小学4年生の私も、今の私も、同じ私なのである。
そして今一度、話は冒頭に戻る。
今、世の中は日々ズイズイ進化して、ズイズイ便利になっている。
でも、アントニオ猪木も志村けんも、もうとっくにこの世にはいないのである。
残り3%の世界で生きている。
このとんでもない悲しい事実に、ともすれば普段気づかなかったりする私は、きっと日々の進化に感覚がマヒしてしまっているのだろう。。