ドトールアスティ大垣店

年末の苦しみ、寒さ、誕生日、年末というそれ自体。クリスマスだ年末だ、年末調整だ岸田岸田となんとなく世界が慌ただしく、時間の流れにレイプされているような気持ちで、苦しくてしょうがない。私の憩いの場所は、ドトールアスティ大垣店。ただひとつだけだ。

ドトールアスティ大垣店。まず、USBコンセントがある。充電ができる。ありがとう。次に、店員さんの愛想がちょうどよい。丁寧すぎると恐縮してしまうし、粗雑だと普通にムカついてしまう。「コーヒーを売っているだけです、いらっしゃいませ」というスタンスがちょうどよい。ありがとう。そして奥に入ると、こぢんまりした机数個と長机がひとつ。長机はパーテーションで仕切られており、あまり他の客と目が合わないような配置になっている。

そして天井の高さ。低すぎず高すぎない。天井の低い喫茶店は、「さあ、くつろいでくださいよ」と言われている気分で、読書をしたり考え事をしたりしなければ自分が景色とミスマッチな気がして、落ち着いて唇の皮を剥くことができない。天井が高いのは普通に落ち着かない。学校の教室のようなコンパクトさが、身の丈にあってる感じで心地よい。ありがとう。

照明と音楽も、情緒がありすぎると前述のように逆にソワソワしてしまう。白すぎず黄色すぎない照明と、妙に軽快な音楽が、「ここでスカッとする話を書いてもいいんだ」と思わせてくれる。ありがとう。

そしてなにより、喫煙所がある。このご時世で喫煙所はどんどん減り、「喫煙所ありますか」と聞くと「ありません。死んでください。」と言われるばかりなので、この配慮はありがたい。まず喫煙所があること、ありがとう。

しかもすごいのは、喫煙所が明るく、広く、暖かい。「喫煙所あります!!」と書かれている喫茶店に「オッいいねえ」と思って入店し、いざ喫煙所に向かうと牢獄が用意してあり、「まさか、これが?」と目を擦ってよく観察するが、やはり「喫煙所」とデカデカと書いてあるので入室。入った瞬間換気扇がグォオオオンギャオングオンとうなりをあげ、部屋が狭すぎるからなのかなぜか風が吹いておりクソ寒い。「ライター持ってんだから灯りは必要ないだろ」と言わんばかりに部屋は暗く、陽気な店内音楽も遠くの方にかすかに聞こえるのみである。ひどいところだと「煙はここに向かって吐いてください(◎)」とご丁寧に案内まである。「喫煙所を出る前に壁に向かって5回深呼吸をしてください」と、簡潔に言えば「死んでください」と言っているような張り紙の下で、いつかタバコを吸っている間に毒ガスを送り込まれて死んでもおかしくないななどと思いながら喫煙しているから、席から数歩で辿り着ける上に明るさも変わらず、広く、店内音楽もちゃんとこちらまで配線されているドトールアスティ大垣店には頭が上がらない。人として扱ってくれて、ありがとう。

多分喫茶店をレビューするなら一番に言及するべきであろう値段について触れ忘れたが、カフェオレ330円くらいで安めでいい感じです。以上です。

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