【岐阜】妻籠/平かな宿場町。おしゃべりなお爺さんと妻籠今昔。
馬籠でゆるやかな坂道を堪能したら、やっぱりセットで妻籠へ。
ひろい。
道幅が広く、ゆったりしている。
そして平か。
坂道な馬籠とうってかわって、こちらは真っ直ぐな宿場町。
道幅の広さと、地面の安定感から、妻籠はよりゆったりした雰囲気をもっていて、流れる時間も心なしかゆるやか。
茶色い日本建築と、緑の山々のコントラストが美しい。
歩いていると、縁側で豆を剥く作業をしているお爺さんが話しかけてくれた。
「どちらから?妻籠ははじめてですか?」
人懐っこい柔らかな笑顔、おもてなしの表情。
妻籠に来てくれて嬉しいと、そう心から思ってくれている人の顔だった。
大名行列の話、天皇陛下が通られた話、とても誇らしげに話してくれる。
自然と笑顔になる。
私は歴史ある街の生まれではないから、自分の故郷を誇り高く思えるお爺さんを羨ましく思いながら話を聞いた。
そうでしたか、そうでしたか。
心の中で、その場所に立ち止まってボタンを押すと喋ってくれる、RPGの村人Aみたいだな、なんてちょっと面白がったりしながら、妻籠のこれまでの話を楽しく拝聴した。
「売らない、貸さない、壊さない」
妻籠の景観を守るために、町の人が守り抜いている合言葉だとか。
みんなで団結して、強い気持ちがあるから景観が保存できる、その難しさを語るお爺さんの表情には、成し遂げ続ける誇らしさが滲んでいた。
でもね、、、
少し寂しそうにお爺さんは続ける。
その、厳しすぎる掟が、今度は逆に若い人が離れる理由にもなっているんだ、と。
小学校も廃校になったりね。
守るだけじゃあダメなのかもしれません。
変わらないといけないことも、あるのやも。
妻籠の課題です。
向き直ってそう、お爺さんは言った。
大切なものを守るために、
ただ守るだけじゃだめだと教えてくれた町。
SDGsが叫ばれる地球。
持続可能という言葉は、
口にするほど容易くはないと、
改めて感じた今日。
ロン204