数学日誌別館テキスト版廃刊のお知らせ

日頃は『龍孫江の数学日誌』をご贔屓いただきまして有難うございます。

昨年5月の数学日誌別館(YouTube/note)開始以来、多くの方にご贔屓を賜り、おかげさまで YouTube チャンネル1000人余の方にご登録いただくに至りました。

YouTubeチャンネルを運営する者としては、登録者1000人はひとつの、しかも重要な区切りです。おそらく多くのYouTuberがそう考えているのではないかと思います。というのも、YouTubeに投稿した動画に広告を載せて掲載料を頂ける(収益化)基準が
・チャンネル登録者1000人以上、かつ
・1年の総再生時間4000時間以上
となっているからですね。なお、ぼくの場合はまだ下の条件が充たされていない(4月以来の再生時間は約3400時間ほど)ので、収益化を考えるならもう少し頑張らねばなりません。

とはいえYouTubeを始めようと思ったとき、大学レベルの代数学のみというぼく自身の指向性から言ってもチャンネル登録者が爆発的に増えることは予想しにくいことでした。それに、そもそも4000時間というスケールが実感として理解できませんでした。つまり、YouTubeから収益化につなげるという道は当初はさっぱり見えなかったのです。

YouTubeを始めるにあたって微々たるものながら投資をしました。ビデオカメラと参考図書を何冊かというところで、せめてこの初期費用くらいは回収したいなと算盤をはじいてひねり出したのが解説テキストを頒布するという方法でした。誰でも有料で記事やイラスト・漫画を売れる、このnoteというサービスにかねてから注目していたのですが、ちょうどその頃PDFファイルをアップロードできるよう改善されており、これが決定打となりました。

そんなわけで、昨年5月の『龍孫江の数学日誌 in YouTube』本格稼働に伴い
・毎回の板書案も兼ねる略解スライド版
・動画中に引用した定理の証明なども加えた詳解テキスト版
の頒布を始めました。もちろんぼくにとって一番大事なのはぼく自身なわけですが、セミプロレベルの人が自分の勉強した内容をテキストにして共有するというのが普通になればいいななどと夢想してもいたのです。

そんなふうにほぼ毎週テキストを書き続ける生活が半年続きました。幸い何人ものご購読を頂き、4ヶ月ほどで初期投資はほぼ回収できました。まことにありがとうございます。一人の読者もいないテキストを書き続ける精神力はぼくにはどう考えてもなく、おそらく動画投稿もやめていたでしょう。YouTubeを続けていられるのは、このテイクオフの時期にご購読者さんに支えて頂いたおかげです。本当にありがとうございます。

開始以来、ほぼ毎週4回のペースで更新してきましたが、昨年12月にはYouTube1ヶ月毎日更新にチャレンジし、質はともかくなんとかやり通してみて、少し新しいステップに進んでみたいと思いました。週4回という回数も動画作成の勝手がわからなかったからですが、実際にやってみると動画撮影自体は2ヶ月ほどでほぼ勘はつかめました。わりと早い時期から、毎週の更新はもう少し増やせるだろうという手応えはありました。

それなのに半年近く週4回のペースを上げられなかったのは、つまりは自分の怠惰さの故なのですが、テキスト執筆のペースが上げられなかったためです。問題の仕掛けにも重複するものが増えてきて、動画で紹介する分にはなんの問題もないのですが、同じ仕掛けを何度も有料の文章で解説するのは気が引けます。

また、昨年春までぼくは『龍孫江の数学日誌』(いわゆる本館)を主な活動場所にしていました。こちらのブログも最近は別館の開始以来更新が滞りがちで(年末のアドベントカレンダーで久しぶりに記事を書いてみて、いろいろな小技をさっぱり忘れていたのに驚きました)、このあたりで自分の活動を整理したいと思うのです。

自分でも新しいことを学びたい。新しい本を読んで本館ブログにも手を入れたい。動画の更新頻度もあげたい。多くのイベントに顔を出したい。同人誌に寄稿もしたい。しばらくすると私生活も変わる。4月になれば本業の立場も変わる。始める前に比べると、環境も随分変わり、したいことはずいぶん増えていました。そのために活動を整理したいのです。

今後の『数学日誌』は次のような運用となります。

・2月から数学日誌 in YouTube では週末を含み週5回以上更新します。
テキスト版を1月いっぱいで休止し、定期購読マガジン「龍孫江の数学日誌 別館 in note(継続購読版)」は廃刊いたします。
・動画中の定理の補足などは本館ブログにて適宜行います。
・新規にスライド版のみの定期購読マガジンを発行します。

新規に発刊する定期購読マガジン『数学日誌in note(継続購読版その2)』では、月20回以上の更新時、動画とともにスライド版をお届けします。価格は現在の月額購読版(1200円)から値下げして月額1000円とする予定です。現在と同じく各回ごとの購入(各回100円)もできますが、定期購読のほうが確実にお得になるようより一層の工夫と努力をして参りたいと思います。

もちろん、YouTubeで動画をご視聴いただくだけでも、またぼちぼち更新予定の本館ブログをご覧いただくだけでも大変嬉しうございます。どんな形にせよ、是非今後とも『龍孫江の数学日誌』をご贔屓頂きますよう、改めてお願い申し上げます。

龍孫江

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このマガジンでは、数学、特に代数学の考え方、手の動かし方、定理の使い方がわかり楽しめる題材を扱います。継続購入の感謝を込めて、不定期にエッセイも載せて参ります。

代数学の基本的な問題を毎週何問かずつ取り上げ、ポイントとなる定理とともに解法をご紹介します。大学で学ぶ代数学を薄く広く取り上げたいと考えて…

このマガジンでは、数学、特に代数学の考え方、手の動かし方、定理の使い方がわかり楽しめる題材を扱います。継続購入の感謝を込めて、不定期にエッセイも載せて参ります。

『龍孫江の数学日誌』別館では、代数学の基本的な問題を毎週4問ずつ取り上げ、ポイントとなる定理とともに解説するテキストをお届けします。大学で…

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