イーロン・マスク「少子化で日本は消滅する!」 為末大「移民こそ必要だ!」
ことの発端はイーロン・マスクのツイートだった!
イーロン・マスク「言うまでもないことだが、出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ消滅する。それは、世界にとって大きな損失だ。」
陸上日本代表選手として名を馳せた為末大さんは「移民国家」になることを主張し、ネットで一部からバッシングをうけています。
最初に書いておきますが「筆者は移民反対派」です。
この記事では中盤まで移民肯定派の意見を記載しつつ、終盤で反対派の意見にも両方記述していきます。
この問題を理解するには「ポイントオブノーリターン」という人口統計における重要なキーワードを理解する必要があります。
たとえば、昨年生まれた赤ちゃんが84万人です。
仮にこれからベビーブームがきて、出生率がガンガンあがり、2021年生まれの世代で「出生率2」まで回復したと都合のいい仮定をしましょう。
人口はどうなるでしょうか?
84万人×平均寿命84歳=7000万人
ざっくりいうと5000万人減少となります。
な、なんだって~!出生率が1.4⇒2.0まで魔法のように回復したのに
人口5000万人減少ってどーゆーことなの??
上記一番右の小さな赤いバーが最新世代の赤ちゃんの数です。
親世代がいなければ子世代は産まれない
シンプルな法則です!
つまり、もう繁殖世代があまりにも"少なすぎて" 84万人の世代がこどもを2人つくっても、高齢者の年金は支えられないのです。
親世代が少なすぎて、出生率が2まで回復しても子供の数が少なすぎる現象=ポイントオブノーリターンと呼びます。
人口とは高齢世代と現役世代のバランス比が一番重要です!
「1億人いればいい」「5000万人でもいい」という話ではありません。
上の図を見る通り、現在は高齢世代:現役世代=1:2のバランスで成り立っています。
これが、2050年には高齢世代:現役世代=1:1のバランスになります!8万円の年金をもらうとしても、現役世代1人で高齢者1人の年金を払う・・・払う方も貰う方もムリがあります。
つまりバランスが狂ってしまうことが一番の問題です。
為末さんはこれを重視して
「高齢者を支える現役世代をふやそうよ」
「でも、もう親になれる繁殖世代があまりいないよね?」
「だから少子化対策と移民の両方が必要かもしれない」と言っているのです。
端的にいえば「出血多量で死にかけてる人に輸血して助けようよ!」という意見です。
ポイントオブノーリターンまで来てしまうと、出生率が魔法のように上昇しても、子どもの数が少なすぎて年金・医療費は支えられません。
上記は社会保障費の伸びです。1989年に44兆円だった社会保障費は2019年で123兆円となりました。およそ毎年2兆円以上も支出が悪化しています。社会保障費の内訳では90%以上が年金・医療費・介護費など高齢者を支える予算です。
高齢者の年金・医療費等が毎年2兆円増えていく
これを支えるにはより多くの現役世代が必要となります。
楽しい話ではありません。誠にすみません。
ただし、日本人はいままで
「将来、少子化で国が悪くなるって楽しい話じゃないよね?」
「そんな言葉は聞きたくないよね?」と
30年間現実逃避してきました。これがそのツケです。
そろそろ厳しい現実と向き合わなければなりません。
もう1回書いておきますが「筆者は移民反対派」です。
この記事では中盤まで移民肯定派の意見を記載しつつ、終盤で移民反対派の意見にも両方記述していきます。
イーロンと為末さんの意見をきいて、大衆の反応は・・・
「うるせーバカ」と反発するタイプ
一番多いのがこの反発タイプです。
「少子化なんてほっとけば解決するんだよ!」
「AIの魔法のパワーで生産性をあげればぁぁ~~」
「うるせー!移民なんてムカツクんだよ!」
移民に反対される場合は【年金・医療費を誰が払ってくれるのか?】という改善案とセットでなければなりません。
日本人はもう繁殖世代があまり存在しません。
これが事実です。
少ない繁殖世代がフル回転して全員結婚して全員子供2人つくっても、もう高齢者の年金は支えられません。
なぜなら高齢者の数に対して繁殖世代が少なすぎるから
つまり、移民反対派に一番多いのは無知で勉強していない人です。
①社会保障費123兆円が毎年2兆円ちかく増えていく現実
②将来5000万人以上人口が減り、高齢者:現役世代=1:1の比率に
③日本にはもう繁殖世代があまり存在しない(最新世代で84万人)
この3点は事実なので、知っておく必要があります。
で、本当に移民って税金払ってくれるの?
実は自民党が肯定的に推進している政策でもあります。自民党は2005年より外国人労働者の受け入れを提唱し、外国人労働者等特別委員会を結成しています。
安倍元総理も「一定の条件を満たせば世界最速級のスピードで永住権を獲得できる国になる」と発言しており、前向きです。
自民党や官僚だってバカじゃありません。税収が増える公算が大きいから、このような動きをしています。
上記は外国人の生活保護受給率です。外国籍での受給率は3.8%。
日本人が3%ほどなのでほぼ変わりません。
逆にいえば、96%の外国人はちゃんと税金を払っています。
当たり前です。日本にいる限り、消費税・所得税・住民税等はかならず取られるものです。
つまり「外国人は生活保護ばかりだぁぁぁ!」という議論は現実の統計を勉強したこともないネット民のウソです。自民党だってこのようなデータをとっているからこそ、移民の必要性を議論しているのです。
では移民反対派の意見も記載していきます。
筆者も移民政策は失敗すると思っています。その根拠は3つあります。
①日本人が移民を受け入れる気が1ミリもないこと
②言語の壁
③ブラック労働問題
①日本人が移民を受け入れる気が1ミリもない点
人間関係とは両者が心の橋を渡すことです。一方だけが友好的でも、もう一方が敵対的だと人間関係は破綻します。
つまり、日本人が「移民反対だあああ!」という限りは、どんな外国人がきても両者の関係は悪化します。
政府の世論調査によると、国民の80%が移民には反対とされます。
これは一番致命傷になる点です。
外国人だって理由もなく悪く言われ続ければ、もう日本に貢献する気も失せます。悪循環の完成です。
(※現在も96%の外国人は真面目に日本で納税しています)
②言語の壁
日本語とは世界でも超マイナー言語です。日本にくる外国人もほぼ日本語をしゃべれません。読めません。
では「言葉もしゃべれない、文字も読めない」 そんな労働者が、立派な職業に就けるでしょうか?
はっきりいうとブラック企業のターゲットにされます。
「おまえは漢字すら読めないけど、雇用してやる。ただし超絶ブラック労働だ!」と弱みを握られ、劣悪な雇用条件を強いられます。そのような仕事は長続きするわけもなく、仕事を辞めて犯罪に走るかもしれません。
③日本固有のブラック労働問題
外国人実習生制度でも問題になりました。
上記は労働中に指を切断してしまった外国人労働者に、労災補償もなく、帰国するように違法に迫った企業のニュースです。
このほかにも20代のベトナム人女性の実習生に「俺の愛人になれ!」と雇用主が迫った事件をNHK青森放送局が報じました。
https://archive.ph/jk6Qw
外国人実習生には"時給300円"で労働を強制される者もおり、多くが最低賃金を下回る劣悪な労働条件にあり、雇用者からの暴力行為から逃げ出す(職場放棄)が国会でも問題になりました。
今治タオル事件もひどいニュースとして話題になりました。
劣悪な低賃金、長時間労働を強制されるベトナム人実習生が「助けてください」と悲鳴を社外にあげました。
外国人労働者とは、ブラック企業からしたら最高のカモなのです。
職場を選べない。逃げられない。
法律を調べることもできない。弁護士に助けを求めることも知らない。
文字も読めない。
とある弁護士は外国人実習生制度を「政府公認の奴隷貿易」といいました。
「ガイアの夜明け」というドキュメンタリー番組では劣悪な低賃金で中国人実習生に服をつくらせた人気ブランド企業が炎上しました。外国人のことを「お前たちは前の会社に捨てられた犬だ」と罵倒していました。
直視に堪えない現実です。しかし日本のブラック企業はフルパワーで外国人を奴隷のように働かせます。これは事実なのです。
総括すると、おもに日本側の問題で移民制度は最初からうまくいかないことが明白なのです。
だから筆者は反対しています。