トヨタは なぜテスラになれなかったのか?
世界の帝王ことイーロン・マスクが率いるテスラモーターズがトヨタを時価総額で抜きました。
一方で、純利益だけで換算するとトヨタが約2兆円、テスラは約4000億円とトヨタがリードします。
しかし、ノビが桁違いなので将来的に逆転はありえます。
なぜトヨタ社員はテスラのようなEVモデルをつくれなかったのか?
(1)ギガプレス構想~機械をつくる機械~
ギガプレスとは「ぴったんこ!」と一瞬で車をつくってしまう機械です。
その圧力は約6200トン 重量400トン 全長20m
ギガプレスを移動するだけで大型トレーラー20台が必要となります。
Giga(10億単位)を名に冠する機械・・・つまり非常識なレベルにバカでかい機械。
従来では70以上のパーツを組み合わせ、数ミリのズレさえ許されない溶接工程をすっとばし⇒「3パーツ」の車にしてシンプルに製造します
複雑&人件費もかかる溶接工程を、一発で「ぴったんこ!」とプレスで創ってしまうテスラのイメージ図↓
①複雑なものを⇒シンプル化する
②従来の常識を吹っ飛ばしてしまう
③部下が会議で提案しても100%通らないアイデアを、社長がトップダウンで決済する
一言でいうと・・・常識外れなのです
トヨタは営業利益率が1割といわれています。
(原材料費・必要経費を引いたら儲けはとても少ない=良心的な価格)
テスラは営業利益率が2割になります。
常識外のギガプレスなど、従来とはまったくちがうやり方の成果です。
豊田章男 会長は『短期的に大きな結果をだすのではなく、長期的に地道に戦っていく』ことを経営理念に掲げました↓
一発ホームランは最初から狙っていません。
業界ナンバーワンのトヨタが今までのやり方を捨てる必要がありません。
短期的にホームランをうつことに命をかけてるテスラとは真逆の理念です。
イーロン・マスクは社員にハードコアと結果を求め、大量のクビ切りさえ平気でやります。
トヨタの営業利益・株価は15年前からあまり変わっていません。
良くも悪くも安定志向。
日本の15年間をイーロン・マスクが一瞬で抜き去っていきました。
(2)排出権取引
初期の弱小時代のテスラを支えたのが排出権取引です。
『空気を売って金を稼ぐ(笑)』
アメリカではCO2をバンバンだしてる企業が
CO2をだしてない企業に何百億円も払うシステムがあります。
すでにCO2をだすガソリン車を売ってるトヨタにマネができないビジネス。
実績がないこと=武器になる!
CO2をだしてない新参者だからこそできるスタイルです。
「空気を売ってるだけ」で何百億円が入ってくるのです!
(3)ストック型ビジネス=ビジネス構造の変化
テスラの車は最新のシステムをアップデートしようとすると
購入後もお金をとられます
(自動運転システムやFSDソフトウエアなど)
売ったあとは「ハイ、お終い!」と縁を切るわけじゃなく
売ったあとも客からチューチューと金を吸い上げます。
これがつよい!
テスラの発表では2025年にソフトウエア使用料が売り上げの6%となり
なんと粗利では25%近くになります。
ストック型のソフトウェア使用料には在庫も原料費もかかりません。
1回つくれば、収益を伸ばし続けます。
つまりテスラは
車業界のビジネス構造自体を変えようとしています。
AppleやGoolgeが配信ソフトから収益をあげるように
テスラは製造業ではなくビッグテックと肩を並べる時価総額へ近づきます。
新車販売とちがい、中古車市場に利益をくわれることなく
テスラ車が使われ続ける限り、ソフトウェア使用料が継続して入ります。
なぜイーロン・マスクは神のごとく成功し続けるのか?
ギガプレス構想やストック型のソフトウェア使用料など
もしかするとトヨタ社員も考え付いたかもしれません。
しかし、夢を実現する実行力がなかった!
『天は人の上に人を造らず』
じつは人間の頭の良さは、生まれつきそんなに差がありません。
「先天的な差」ではなく「後天的にどう行動するか」で差をつけろ!
という意味の言葉です。
(※福沢諭吉は脱亜論を唱えるほど、平等主義者ではなく、バリバリの実力主義者です)
夢(やりたいこと)を実行するか、どうか
頭の良し悪しではなく、その行動力が一番大切なのです!!
~~最後に~~
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