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今度は「AI」と「Chat GPT」の検討か!


■ AI関連の海外法制の調査と検討は必須であるし、Chat GPTの検討もやっておくべきだが、毎度ビッグデータやIoTといったキーワードに飛びついて、そこに集中することばかりだ。何も果実らしきものを得ることなく、次のキーワードに飛びつきながら総括することなく目先を変えてきたように思うのだがどうだろう?

■ さて、今回は何を目的としているのか。この検討の先に日本の産業振興があるように一応絵を描いているのだろうか。とうとう使い回しのポンチ絵も出てこなくなったようだ。まさか国が動くのに、個別論点の束ということはないだろう。

■ GAFA対決と盛りに盛った「情報銀行」はどうなった?あれがニッポンの個人情報流通の基盤をなすのではなかったか。責任者はどこに消えた。誰がいつまでにあれを総括するのか。メディアもまた検証せずに次のはやりものに飛びつくか。これもまた大成功に終わったということにしておくか。

■ 大航海プロジェクトの法制度チームはどこをどう間違えたのか。誰もが間違えてきていたのであるから、このチームだけを批判してもはじまらない。問題は失敗学をして次につなげたかということだ。

ここでは、実は記名式Suica履歴データ提供事件と同じ穴に落ちていた。このSuica事件はいわば同じ穴に二度落ちたとも総括できる。失敗はいいのだが、我々にはもう同じ過ちを繰り返すような時間はない。このままいけば逆転不能のデータ植民地になってしまいかねない。

●やりっぱなしの連続で失われた20年を30年に延長することをしてはいないか。

■ そもそもAI研究開発において、データサイエンティストの不満は、一つにデータ(特に個人データ)の量と質の確保ができないことにあったのではないか。

そこの解決に注力せずに、AIの何を検討していくのだろう。個々の論点を解決するのは当然だが、全体の絵がないのではないか。

■ 素材となる個人データの安定供給に目詰まりがあるなら、それはいわば兵站を確保せずに最新兵器の開発一つに注力しているような状態だ。

これで日本の勝利はあるか。次世代に向けた戦略観があると言えるのか。

■ こうした個人データの目詰まりの原因の一端は、法制度側に問題があったように思われるが、そのあたりの問題認識と課題設定はできているか。

■ 個人情報に該当しない。個人情報保護法は適用するな!欧州など無視しろ!緊急事態、公益で行け!同意があればいいんだろう!といったことが、日本の伝統的珍識者一派の毎度の主張である。もうそのあたりはスルーするというあたりは大丈夫だろうか。過度にうるさくなったら手斧で後頭部殴って放り出すことができるのか。なんでも規制緩和論の政治家お友達系の珍識者を並べて馬鹿をやっている時間はないぞ。これは産官学民を通じたキーパーソンの危機感と責任感の問題だ。

■ そもそもAI研究開発の中でも重点分野の一つが医療創薬ではなかったのか。AI等を使って、診断精度をあげていく、治療効果が高い薬を開発する。高齢社会のQOLをあげていく、医療保険の支出を構造的に下げて社会保障制度の維持につなげる。今後のパンデミックに備えワクチンの国内創薬国内での安定調達を可能にしておく。日本人の医療データ、遺伝子データの国外流出を抑える。安全保障の視点でも検討する。この点の日米欧DFFTとの関係をどう整理するか考える。

■ 具体的には、今回の次世代医療基盤法改正、特にその理論的基礎が問われていた部分は大きな転換点になるところではなかったか。

■ 個人情報保護法制のそれと共に一般法特別法の関係含めて理論的体系性が問われていたはずだ。個人情報保護法の3年ごと見直しにどうつなげていくかのポイントではなかったか。

■ かつては、匿名・仮名の概念をもたず、仮名化をもって匿名化と理解して世界の孤児になろうとした。今回は一次利用と二次利用の違いが腹に落ちていないように見える。個人情報保護法の法目的の理解が揃っていない。したがって、対象情報の定義の解釈に大きな影響を与えている。個人情報の定義が無自覚に大きく二つに割れている。無自覚なだけに混乱の原因がわからない。

■ 先端的なところに目を奪われているが、基礎的なところが実に危うい。個人情報の定義の解釈は当然に皆わかっているということになっている。ガイドラインや宇賀先生の本を読めばわかると思っているようだが、宇賀説と政府見解が乖離している。そして政府見解が正確にガイドラインに反映されていないので分厚いガイドラインはあっても、たいがい肝心のところは書いていない。ミスを怖れてのことであろう。

■ 何が個人データかもわかっていない中で、個人データの検討がなされている。医療データも動くわけがない。

● 食わせる個人データが不安定でAIが欠食児童になる。腹が減ったAIは炊き出し探して、ゴミ箱あさるように彷徨うほかない。まずは健康に育って欲しいが、長じて何をさせるべきか。ありものは手当たり次第使うのがビッグデータだという偉い先生は、いわば他人の店先だろうが、道端の犬の糞だろうが手当たり次第まずは食って見ろという。
さてそうした欠食AIが、長じてどうなるか。タイヤと電線盗むような手癖の悪いAIに育つのではないかと懸念する。いったいどう育てる気なのか。まずは飯を食わせる算段しながら、次世代基盤政策を立案せねばならない。

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