鈴木正朝

新潟大学 大学院現代社会文化研究科・法学部 教授, 一般財団法人情報法制研究所(JIL…

鈴木正朝

新潟大学 大学院現代社会文化研究科・法学部 教授, 一般財団法人情報法制研究所(JILIS)理事長, 一般社団法人次世代基盤政策研究所(NFI)理事, 個人HP:https://rompal.org/

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JILIS/NFI共催 第1回情報法制セミナー in 京都

一般財団法人情報法制研究所(JILIS)と一般社団法人次世代基盤政策研究所(NFI)共催、情報法制学会(ALIS)の後援で下記のとおり、情報法制セミナーを開催致します。コロナで中断しておりましたが、3年ぶりに京都大学での開催です。 今回のテーマは、医療データです。次世代医療基盤法改正や仮名加工医療情報の二次利用法の制定は喫緊の課題です。 パンデミック対策におけるワクチンの重要性と調達の困難さはコロナに直面して身にしみたところですが、それ以上の感染症に再度見舞われるであろうこ

    • サイエンス・カフェ 「災害対応時のELSI: プライバシー・個人情報保護」

      1月24日(水)午後6時〜7時に、新潟大学ELISIセンターと一般財団法人情報法制研究所(JILIS)共催で、Zoomウェビナー(無料)サイエンス・カフェ「災害対応時のELSI:プライバシー・個人情報保護」を開催致します。 災害復興法学の第一人者、岡本正先生をお招きして、災害時のプライバシー・個人情報保護の問題に加えて、能登半島地震の直後でもあることから、被災者、関係者向けにも法的支援や復興に向けてのお話しなども伺えればと思っています。 モデレーターには、⽩川展之 新潟⼤

      • マイナ保険証問題と公金受取口座問題の報道について(雑感)

        標題の昨今の報道について、気がついた点を2点述べてみたい。 1.正しい報道がなされていないこと。 誤処理という現象に対して、それがいかなる原因によるものか事実を伝える力がないのはメディアとして致命的ではある。 ネット社会においては、専門性のある個人の無料ブログの方がはるかに正確で本質に迫る深い記事であることを一般読者及びネット民は知っている。(有料記事がスキップされ、紙新聞購読者が減少傾向にある原因の一端はこういうことにもあるのかもしれない。) ex. ヨシモトアキヒラ

        • 今度は「AI」と「Chat GPT」の検討か!

          ■ AI関連の海外法制の調査と検討は必須であるし、Chat GPTの検討もやっておくべきだが、毎度ビッグデータやIoTといったキーワードに飛びついて、そこに集中することばかりだ。何も果実らしきものを得ることなく、次のキーワードに飛びつきながら総括することなく目先を変えてきたように思うのだがどうだろう? ■ さて、今回は何を目的としているのか。この検討の先に日本の産業振興があるように一応絵を描いているのだろうか。とうとう使い回しのポンチ絵も出てこなくなったようだ。まさか国が

        JILIS/NFI共催 第1回情報法制セミナー in 京都

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        記事

          巻頭言 教育データと個人情報保護法

          画一教育から個別最適化教育へ昨今、文部科学省の「GIGA スクール」、総務省の「スマートスクール」、経済産業省の「未来の教室」といった、初等教育の情報化にかかる政策が次々と発表されている。デジタル社会を切り拓き、次世代を担う児童生徒を育むために、画一教育から脱して個別最適化教育に向かうという基本方針については、多くの賛同を得られるものと思われる。しかし、その実現のために児童生徒一人ひとりの多種多様な教育データを大量に取得し分析する必要があるとなると、データプライバシーや個人情

          巻頭言 教育データと個人情報保護法

          個人情報保護法の小ネタ (その1) 「体制」と「態勢」のどっち使うの?

          1.金融庁は「態勢」派  金融機関向けの個人情報保護法対応の本では、昔から「コンプライアンス態勢」というように、「態勢」を使うんだけども、これ金融庁で使われることが多いですよね。例えば、みずほの処分でも「MINORI等の安定稼働に必要となるシステムリスク管理態勢の整備」というように使っています。 「みずほ銀行及びみずほフィナンシャルグループに対する行政処分について」 https://www.fsa.go.jp/news/r3/ginkou/20211126/20211126

          個人情報保護法の小ネタ (その1) 「体制」と「態勢」のどっち使うの?

          AIがつくる著作物

          このテーマはおもしろい。 「AIが作る著作物」 20数年前にSOFTICで椙山敬士先生や水谷直樹先生らと「プログラムが作る著作物」として音楽や翻訳を題材に議論したことがある。特許庁の要請を受けてソフトウェア関連特許導入に向けた議論をしていた頃だったか。ちょっともう記憶が曖昧であるが。 創作とは人間固有のものではないのか。 俳句であるなら、全ての辞書をインプットしてネットの語彙を拾い続けて文字列としてウェブサイトに吐き続けるならば、やがて人間が創作するであろうほぼ全ての俳句

          AIがつくる著作物

          コンタクト・トレーシングと個人情報保護法上の論点と課題

          <2020.5.22 大幅に追記、さらに追記と長くなっております。> まえがき  コンタクト・トレーシングの取材があった。プライバシー・個人情報保護法上の問題はないかと聴かれたので、下記の点をざっと話したら、もういいですと切られてしまった。まぁデータ漏洩ばかりが気になる感じの認識では問題の大きさと多さに理解が追いつかないところは理解できるし、とても新聞のコメントでは収まりきらない。ということで話した内容をここにメモしておきたい。以後はこの中から論点を拾い出したり追加したり

          コンタクト・トレーシングと個人情報保護法上の論点と課題

          備えなくして、憂いありー管理社会の脅威と無管理社会の弊害(雑感)

          ●まぁ死んだところで数十万、生き残る方が1億となれば、コロナ後の財政の方が重要という価値判断があるから、補償の踏み込みが浅くなる(ようにもみえる)。 こうした事案で、政治家、行政官の究極の価値判断、理念、思想が見えてくる。 ●そこはバランス論だとも言われるが、論という割にどうバランスをとるかの調整の理論は毎度お留守ではある。 ●一方、補償、補償という側はどうか。日頃から社会保障制度のありよう、その財源確保に連なる経済政策、個々具体的に金を配るときの方法、手段の整備には無関

          備えなくして、憂いありー管理社会の脅威と無管理社会の弊害(雑感)

          『ニッポンの個人情報』の「あとがき」

          この「あとがき」を下記の書籍に書いたのが、2015年1月下旬のことである。 「あとがき」鈴木正朝・高木浩光・山本一郎『ニッポンの個人情報』353〜362頁(翔泳社, 2015年)ISBN:4798139769、Kindle版 ISBN:9784798139760 それから約7ヶ月後の2015年10月6日に、いわゆるシュレムス(Schrems)判決が下される。欧州委員会が米国と締結していた「セーフハーバー協定」を無効とする欧州司法裁判所の判断が示されたのである。 あとがき

          『ニッポンの個人情報』の「あとがき」

          堀部 政男 先生 著作一覧

          作成 鈴木 正朝 初版2000/09/15・改訂版:2008/08/25 趣 旨 「この文献一覧は、堀部政男先生が、東京大学社会科学研究所に助手として採用された1962年から、一橋大学に着任され、中央大学を定年退官されるまでの著作をとりまとめたものです。  堀部先生の著作を時系列的に一覧することで「情報法学」の歴史の一端を伺い知ることができるように思い、勝手ながら、ここに掲載しています。  この文献一覧は、私の学位論文の執筆用に作成した文献データを基に2000年9月に作成

          堀部 政男 先生 著作一覧

          Alan Westin先生に頂いたサイン:謹賀新年

          新年あけましておめでとうございます。 2019年は「自分の好きな原稿を書く年」と決めましたので、ブログ(情報法 note)を本格的にはじめていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 ということで新年の情報法の話題を何からはじめようかと思いましたが、とりあえず(私が)めでたいものにしようということで、ちょっと最近某所で話題にあがったウェスティン先生のサイン本の話でも書こうということでこれにしてみました。 上記の肉筆サインをご覧下さい。背景の地の色も赤いので、め

          Alan Westin先生に頂いたサイン:謹賀新年

          西暦2000年問題とソフトウェア委託開発契約の契約責任(請負契約型)

          西暦2000年問題とソフトウェア委託開発契約の契約責任(請負契約型)

          ベンダからみたコンピュータ西暦2000年問題と1999年当時の企業法務

           1999年といえば、コンピュータ西暦2000年対応のゴールも見えはじめて、今度は2000年問題の未対応や対応漏れによる誤処理が原因となって発生した損害をどこまで開発ベンダが負うべきなのか、法的問題やY2K訴訟への関心がにわかに高まってきた時期でした。  当時は、誤解を怖れずに言えば、契約書を交わすより先に開発がはじまるようなことは日常茶飯事で口頭の契約が先行したりします。しかも、契約書の内容はいかなる取引でも同じまま、モデル契約のまま使うことも多く、もしくはユーザー企業の用

          ベンダからみたコンピュータ西暦2000年問題と1999年当時の企業法務

          コンピュータ西暦2000年問題の概要

           コンピュータ西暦2000年問題は、1995年末の時点では、本当にそのバグで多くのシステムが停止するほどの大問題になるかどうか、多くは、今後4,5年のリプレースの間に解消されるし、たいしたバグではなく都度修正すれば足りる程度のものだという見立てにありました。業界団体の専務(通産省)が、狼少年になってもいいから、警鐘を鳴らしておくべきだと決断されて、なんと技術に疎い私がIT業界での担当者第一号に任じられました。  この担当業務を通じて、コンピュータ産業の歴史を勉強しなさいと部長

          コンピュータ西暦2000年問題の概要

          夏井先生との15年前の対談「個人情報保護法(平成15年法)の意義と限界」

           本稿(ビジネス法務2003年9月号収載)は、「個人情報の保護に関する法律」(平成15年法)が2003(平成15)年5月に成立した直後の6月に明治大学の研究室にお伺いして夏井高人先生と対談させていただいたときのものです。  2015(平成27)年に「個人情報の保護に関する法律」の大改正があった今日(追記:そして2020(令和2)年改正があり、来年は公民一元化に向けた改正があるなど大きな変動期にある今)、民間部門を対象としたはじめての立法をどう受け止めたのか平成15年法成立当

          夏井先生との15年前の対談「個人情報保護法(平成15年法)の意義と限界」