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  • 【初心者向け】日本の正しい経済政策を考える

    日本は本当に財政破綻するのか?経済の初学者が日本の経済の実情と経済政策を理解するために、いろいろな文献を調べるマガジン。

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第1話 初心者が経済ニュースを理解するために経済の勉強をはじめた

「日本国の借金はGDPの2倍を超えており、主要先進国の中で最も高い水準にある。このままでは日本は財政破綻する」 私だけでなく、ほとんど経済に興味がない人でも上記の言葉を聞いたことがある人は多いだろう。実は私もほとんど経済(特に経済学)に興味がなかったのだが、仕事のストレス解消にちょっとした思考実験として、ベーシックインカムの実現性などをシミュレートしているうちに、少しずつ経済学の本やYoutubeを見るようになっていった。その際に最初にわいてきたもっともシンプルな疑問は次の

    • 衆議院総選挙で確信した。有識者はみな国家が破綻しないことを知っている。

      2021年10月31日の総選挙。結果としては自民は現状維持、維新が躍進、立憲民主党後退、ということになったのだが、ここでは経済政策に焦点をあてて振り返ってみたい。 以前の記事で書いたように、私は「プライマリーバランスの黒字化の撤廃」と「デフレ脱却」は日本の最重要課題だと思っている。が、緊急事態宣言明けという特殊事情のもとでの総選挙ということもあり、どの政党も積極財政を公約に掲げ、あまり財政政策は大きな争点にならなかった。「積極財政による歳出をどのように補うか」についてはあま

      • 国民の生活を豊かにする政治家は尊敬されない

        江戸時代の三大改革を皆さんはご存じだろうか?中学校の歴史の授業で習ってなんとなく覚えている人もいることだろう。享保の改革、寛政の改革、天保の改革である。この3つの改革における改革とは何を指しているかと言えば、幕府の財政改革であり、いまでいうところのプライマリーバランスの健全化である。この改革の中身は幕府の財政をよくするための改革であり、国民を豊かにすることを目的としている改革ではないことに注意する必要がある。ちなみにあと一つ有名な改革を挙げるとすれば新井白石の正徳の治になるだ

        • アベノミクスを振り返る

          これまでいろいろと勉強したことを元に、アベノミクスと日本の経済政策を振り返ってみる。 プライマリーバランスの達成と緊縮財政の実行ここに関してはこれまでずっと書いてきた。最も重要で根本的な問題だ。 プライマリーバランスの達成と緊縮財政の実行は、国民の生活を破壊する悪魔の目標である。 もともと安倍内閣は財政出動と成長戦略を掲げており、そこに期待する人は多かったはずだ。それが「日本の借金増大」という声によりトーンダウンしてしまったのは非常に残念なことである。 ただ、ここに関し

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        第1話 初心者が経済ニュースを理解するために経済の勉強をはじめた

        • 衆議院総選挙で確信した。有識者はみな国家が破綻しないことを知っている。

        • 国民の生活を豊かにする政治家は尊敬されない

        • アベノミクスを振り返る

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        • 【初心者向け】日本の正しい経済政策を考える
          9本

        記事

          経済の勉強は何から始めるべきなのか?

          経済学に興味を持ち、インターネットでいろいろ経済の情報を探したり、本を読んだりするようになって半年が過ぎた。もともと全く経済学に興味のなかった自分の経済学に関する勉強は、下の二つの疑問から始まった。 「日本国の借金が増え続けるとどの段階で日本は財政破綻するのか」 「日本国が財政破綻すると何が起こるのか」 経済学の勉強の仕方についておすすめなのは、シンプルな疑問から始めることだ。気になったニュースについてちょっと調べてみることなどはとってもいいと思う。Youtubeでも簡単

          経済の勉強は何から始めるべきなのか?

          日本人の労働生産性は低いのか

          私が大嫌いな言葉の一つに労働生産性という言葉がある。今回は労働生産性について書いてみたい。 例えば2019年に日本の労働生産性はOECD加盟国36ヶ国の中で21位であるわけだが、この事実を指して、日本人の生産性は低い、長時間労働が多く非効率な業務が多い、デジタル化が進んでない、という語られ方をすることが多い。この見方は本当に正しいのだろうか?(注:ちなみに今回の記事を書くにあたりデータの多くは以下URLのレポートを参照している https://www.jpc-net.jp/

          日本人の労働生産性は低いのか

          おまけ 財政破綻論は財務省の方便

          前回の記事で、財政破綻論は国民を勤労に駆り立てるための印象操作として利用されている、と書いたが、ちょうどその証拠となるような発言が財務大臣からあったので、取り上げてみる。(2021年1月22日の記者会見) 給付金を支給しない理由として、後世の借金を増やさないため、という理由を述べている。ところが、実は麻生氏は「国債を発行しても財政破綻が起こらない」ことを実はよく知っている。上の記事は読まなくてよいが、下の記事は是非読んでもらいたい。ギリシャの破綻と日本の財政破綻が全くリンク

          おまけ 財政破綻論は財務省の方便

          最終話 税金とは何なのか

          これまでの記事で書いてきた通り、理論的には国はほぼ無限に国債を発行できる。そうなると当然にように起こってくる議論は「税金を支払わなくていいのではないか」という疑問である。 今までのnoteを読んでいただいた方であれば気付いた人がいると思うが、これまでのnoteの内容はほとんどがMMT(現代貨幣理論)によっている。他の経済理論ではすっきりと理解できなかったことがMMTによって明快に説明されている。ただし、実は私はMMT理論の中で税金の役割に関してはあまり納得していない。 M

          最終話 税金とは何なのか

          第7話 国債の担保は国民の預金なのか

          今回は財政破綻によって、国民の預金が国の没収にされるのではないか、という危険性について考えてみる。実際、日本でも過去(昭和2年)に金融恐慌が起こり取り付け騒ぎが発生した。 ちなみに、国民と国は直接には債務者、債権者の関係にないので、国民の預金が国に没収されるということは直接的にはなく、銀行の経営が悪化することで預金が下ろせなくなる、というのが正解である。ここでは銀行の経営と国債の発行がどのように関係するのかを見てみたい。 そもそも銀行はどうやって利益を出しているのかという

          第7話 国債の担保は国民の預金なのか

          第6話 そもそも国の借金は誰に対して返すのか?

          そろそろ私が経済の勉強を始めるきっかけとなった素朴な質問である「そもそも国の借金って誰に対して返せばいいんだっけ」について書く。 まず、国の借金という書き方が非常に怪しい表現なのだが、もう少し厳密に書けば「国債の発行残高」である。ここまでは少し調べればわかることだ。市民感覚に基づいて考えれば借金は債権者に対して返すものなので、借金を返す相手は「国債の保有者」となるだろう。だが、国債は市場に出回っているのだが、一般人が直接政府に国債を換金しろと訴えることはなく、市中銀行や証券

          第6話 そもそも国の借金は誰に対して返すのか?

          第5話 紙幣を大量に発行するとインフレが起こるのか?

          前回の記事で貨幣の流通量が増えるとインフレが発生する、という歴史が世界規模で起こっていることを書いたが、ここではインフレについて理解するために、まず、一つ思考実験をしてみることにした。イメージは紙幣をいくらでも発行する権利のある中世の国王の治める国だ。 1. 国王は紙幣を大量に印刷し、発行した紙幣を金庫にしまった 2. 国王は発行した紙幣であるお店のケーキを買った。 3. 国王がケーキを買い占めるので、ケーキが品薄になりケーキの値段が上がった 上の事例を考えてみたとき、1

          第5話 紙幣を大量に発行するとインフレが起こるのか?

          第4話 貨幣の歴史はインフレとの戦いの歴史である。

          そもそも、いつから財政健全化が目標として掲げられてきたのか。プライマリーバランスの黒字化は明白に2006年の骨太の方針の中に銘記されているが、それ以前も1965年までは赤字国債の発行が禁止されていたし、日本は戦後から基本的に均衡財政主義(注1)である。 私が貨幣の歴史を調べていくうちに分かったことは、経済学的には紙幣の大量発行はマネタイゼーションとみられ、忌避されているということである。そして、その原因となっているのは、人類の貨幣の歴史は貨幣の流通量増加とインフレとの戦いの

          第4話 貨幣の歴史はインフレとの戦いの歴史である。

          第3話 日本もギリシャのように財政破綻するのか?

          ここで財政健全化の歴史を辿る前に、財政健全化が実現できなかった場合の最悪のシナリオの一つとしてよく上げられる、2010年に起こったギリシャの財政破綻のケースを見てみたい。 ギリシャの財政破綻の発端は、日本でもリーマンショックとして知られる世界金融危機である。なので、この事象が起こった発端は世界的な金融危機であり、ギリシャの財政赤字だけが原因でないことは理解しておく必要がある。 そして、この件で重要なのは2010年にギリシャが金融支援を要請し、緊縮財政政策が実施されてから、

          第3話 日本もギリシャのように財政破綻するのか?

          第2話 財政健全化がなぜ必要なのか?

          財政健全化を達成しないと何が起こるのか。そんな最悪のシナリオを調べるために、下記の記事を読んでみた。 ”1.揺らぐ司令塔”、”2.国・地方の基礎的財政収支の現状と見通し”については特にコメントはない。問題は”3.なぜ財政健全化が必要なのか”である。 前半の医療費の増大に関しては特にコメントはない。高齢者人口も増えているし、医療技術も進歩しているので、まあ医療費は増えるだろうな、と思うだけである。問題は次のくだりである。 ”言い換えれば、日本の医療制度改革では増大する医療

          第2話 財政健全化がなぜ必要なのか?