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世にはびこる「雑なことば」 〜人間関係には無限の想像力を働かせたい。〜

老害に対抗して若害(じゃくがい)という言葉が話題になってます。
出所を詳しく調べてはいませんが、
ベテランタレントの方が、
番組で言ったことがきっかけ…なのかな?

さて、
「老害」という言葉の意味を調べてみると

「自分が老いたのに気づかず(気をとめず)、
まわりの若手の活躍を妨げて生ずる害悪。」

Oxford Languagesの定義)

と、ありました。
言葉がすこぶる強いです…

まるでこの定義を書いた人の「老害」に対する恨み節のようです…。
きっと何か年上の人に嫌なことをされて、恨んでしまうほどつらい経験をしたんだとお察しします。泣けます。

確かに、他人に恨みを植え付けるほどの理不尽な行いには「害悪」の呼び名が相応しいでしょう。

ところで「老害」という言葉は、最初は上記のように年上から行われるパワハラ的な、理不尽で社会的によくないことの表現にのみ使われていたと思います。
しかし最近はその意味がだんだん拡大解釈されはじめ、年上が放つ意見に何でもかんでも「老害」というレッテルを貼る風潮が生まれているように思います。

そこから、自分はある程度年齢を重ねてるという自覚のある人たちは萎縮してしまい、彼らの中で自分の意見を言いづらい空気が広がってしまった。
で、今度は反対にそれについての不満も溜まってきてる。

という私見を持ちました。(ふくざつ…)

なんとなく抑圧された気持ちが熟成されていくなかで、冒頭で述べたベテランタレントさんの発言。

「若害」

言葉で明確に表現したことで、もやもやを抱えていた層の共感が一挙に集まって、
「若害」という新しい概念が成立してしまいました。
わたしは世代間戦争が始まっちゃうんじゃないかと
はらはらします…。

「老」VS.「若」が激化。

高らかなゴングが聞こえる。おそろしや。

でも、わたしは思うのです。

その「害悪」に心を痛めている人たちのほんとの敵は、
「老」でも「若」でもないのではないかと。

これって実は年齢は関係なくて、
全世代が起こしうる、「相手の気持ちを思いやれないデリカシーのない行い」に対する怒りですよね。
本当はそういう行いをする一部の人たちに向けた怒りなのに、
「老」とか「若」とかって言う「誤った一般化」が加わわり、
本質を見誤った「言葉」によるミスリードが広がっちゃってる…

わたしはそんなふうに感じました。

令和世代、ゆとり世代、昭和世代とか、
「男は〜・・・」「女は〜・・・」とかって言い方もこれと同じ。
これじゃ世代間の確執をイタズラに助長するばかり。
争いが増す一方です。なんの解決にも対策にもなりません。

もうそろそろ、そういった雑な一般化で、
人々が抱えるやるせなさを弄ぶことはやめてほしいです。

「社会的に熟す」っことって、そう言うのも大切だと思います。

とにかく自分は、
心ない「雑な言葉」に振り回されず、

世代に関係なく、いや、男女や国籍や、なんだったら人間に限らず、
目の前にいる相手に対して、最大限の配慮と敬意、そして想像力を持って、
思いやりのある行動心がけていきたいな〜、と思いました。

いやしかし…
そんな立派な人間に、なれるかなぁ…自信ないなぁ〜…
時々は間違えちゃうかもしれない…。

って、
もしかしたら相手も思っているかも。

そんなところも許容できるこころのゆとりを
持っていたいものです。


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