「…サンタさん来る?」不登校とクリスマス
こんにちは!麦原です。
ホリデーシーズンの足跡が聞こえてきましたね。
今年のクリスマスは平日ですが、私は平日も休日もほぼ変わらない日常を過ごしているので全く気になりません。
が、教員時代(しかも独身のころ)の私だったら
「も〜、なんで平日なのよ〜休みにしてよ〜」と不満たらたらだっただろうなと想像しています。
〜〜〜
さて、クリスマスの時期になると思い出す出来事があります。
それは担任時代に出会った不登校気味の子のお家の人が話してくださった話です。
五月雨登校も2、3ヶ月にさしかかっていたころのことでした。
それまでは約半年ほど休みっぱなしだったその子が、週に数回でも登校するようになったことをお家の人はとても喜んでいましたし、本人も本当によくがんばっていたと思います。
でも五月雨登校のお家の人の苦労は、一言では表せないものでもあります。あえて言葉にするとしたら
「自分の時間がない」「朝の気分で予定調整」「登下校の送迎」「学校との連絡」・・・
これが一週間、とか一ヶ月、とか決められた期間ではなく
その子の頑張りと今の生活状況が続く限りずっと…。
そのお家の人もかなりお疲れが溜まっていたころだったと思います。
自宅でクリスマスの話題が出た次の日の朝の出来事だったそうです。
その日は学年の行事の日でもあったので
前々から登校する予定の日でした。
お家の人は学校と細かな打ち合わせを重ねており、当日の動きもシミュレーションしていました。
そして、その子のために学校側がたくさんの配慮をしているのも知っていました。本人も前日までは行く気持ちだったと思います。
でも
当日の朝に
「やっぱり今日は行かない」の一言。
日々の疲れや今までの経緯があるお家の人にとって、この一言はずしんときました。
いつもなら(余裕がある日なら)「そう、わかったよ。」と学校に連絡を入れることでいつも通りの1日を過ごすはずだったかもしれません。
でも、その日お家の人はなかなかゆずれなかったそうです。
「前から準備していたこと」
「あなたのために先生たちがあんなに配慮してくれた」
「みんなだって行きたくなくても行っている」
…言っちゃいけない、言っちゃいけない
そう思いながらも口が止まらなかった、と話してくれました。
「だれか私の口を止めて」
そう思ったそうです。
そしてそのままこの言葉を言ってしまったそうです。
「そんなんじゃ今年サンタさん来ないよ」
言われたその子はきっとショックだったと思います。
でも、言ったお家の人の方がもっとショックだったんじゃないかなと私は想像しています。
実際、そのお話を私にしてくれているとき
そのお家の人は涙で言葉につまっていました。
後悔。
なんてことを言ってしまったんだ。
そう思っても、言葉は取り返せないし忘れられないと思います。
お家の人の後悔の気持ちを想像すると、胸が苦しくなります。
でも
お家の人がそこまで追い詰められている、ということを忘れてはならないとも思います。
わが子の心を第一に考えていても、
学校との連絡を重ねるのはお家の人で(学校側の配慮を当たり前と捉えずに感謝して捉えられているお家の人にとっては、「申し訳ない」と思われる場合もあります)
他の子と比べてもしかたないと頭ではわかっていても
わが子が大切だからこそ気になる…
同じ年の子が経験することをわが子にも経験させてあげたいと思うのは
親として当たり前の気持ちだとも思います。
さまざまな想い、葛藤の中で
日々子どものことを考え続けているお家の人の大変さを垣間見たエピソードでした。
当時の私は、お家の人からそのことを聞いて
その子のこともそのお家の人のことも抱きしめたくなりました。
…とはいえ本当に抱きしめるわけにはいきませんので(コンプライアンス的にも大人の対応的にも)
嗚咽されているお家の人の背中をそっとさすらせてもらいながら
「だいじょうぶです。⚪︎⚪︎くんは、そんなお母さんのこともわかっていると思います。」としか言えませんでした。
「だいじょうぶです。」と何の根拠もない言葉しか浮かばなかった自分。
今だったらなんて言うかな、と考えてみますが
やっぱりうまい言葉は見つかりません。
大人が思うよりも子どもたちは多くのことをわかっているから
大人が揺れている姿を見られても
それをどう乗り越えていくかはその子次第なのかな、とも思うようになりました。
だからお家の人は無理して笑っていなくてもいいし
いつでも気丈に振る舞い続けなくてもいい、と個人的には感じます。
…ただ、じゃあ私自身が同じ立場になったとして
息子(娘)の前でどうふるまうか?を想像すると
やっぱり目の前ではなるべく普通に過ごして、見えないところで泣くんじゃないかなとも思います。
何を言っているのか自分でもよくわからなくなってきてしまいました。
読んでくださっている方は余計そうだと思います。
混乱させてしまっていたらごめんなさい。
私が最後に伝えたいことは
「どの子にもサンタクロースはきてほしい」
「どのお家の人にもおいしいクリスマスケーキを食べてほしい」
ということです!
「不登校」と一言でいっても
「五月雨登校」の子もいれば「登校しぶり」の子もいます。一見問題なく登校しているように見えても心に爆弾のような気持ちを抱えている子もいます。
それぞれの子どもの大変さと、それぞれのお家の人の想い。
原因や状況はそれぞれだとしてもみんな「より良い日常」を過ごすために日々工夫しながら過ごしているはずです。
一年で一番楽しい季節を
どの子もめいいっぱい楽しんでほしいな、と心から思っています。
そしてわが子が楽しそうなことが
お家の人にとって一番嬉しいことです。
〜〜〜
今年は私の個人塾の子どもたちと「クリスマス」の話題で楽しくおしゃべりするつもりです。
そして、クリスマスカードを贈りたいなとひそかに計画中でもあります。(喜んでくれるといいなぁと、私自身がわくわくしております)
お家で過ごす子どもたちが
心から安心できて楽しいクリスマスを過ごせますように。
最後まで読んでくださってありがとうございました!