貧血の数値の基本
今日は、ヘモグロビン・フェリチン・血清鉄のお話を。
運動をしている人(特に女子)では貧血で悩む人が多いですよね。
わたしは実業団陸上部の専属栄養士をしていたので、ランナーとのご縁も多いんですが、陸上部女子からの相談の大半は「貧血」。
貧血になると、酸素が全身に行き届かないために、パフォーマンスが落ちる〜体力がない〜力が出ない〜走れない〜となるわけです。
頭にも酸素がいかないから、集中力もないし、
足先にも酸素がいかないから、冷えるし。
まぁアスリートじゃなくても女性4人に1人が貧血だって時代。。。
いやいまや、男性の貧血も増えています。。一人暮らしアスリート特にやばめ😭食事がおろそかだと、すぐに鉄は足りなくなりますよー!
貧血であることは、生きていく上で致命的です。それくらい重要。
でも、鉄不足を解消するってすごく難しい、、
ただサプリメント飲めばいいって話ではないのです。
貧血とは
血液中のヘモグロビン量が減少した状態。
ヘモグロビンは赤血球という箱の中に入っていて、酸素を体のすみずみまで運搬する働きをしています。
そのため、ヘモグロビン量が低下すると体内の各所が酸欠状態となり
顔色不良・動悸・息切れ・疲労・倦怠感・めまいなどいろいろな貧血症状が現れます。
このヘモグロビンは赤血球の中で主に鉄を原料として合成されます。
そのため,体内の鉄分が不足すると貧血を生じます。
また,ヘモグロビンの入れ物である赤血球の数が減少しても同じように貧血が起こります。
血液検査の基本。
血液検査では、ヘモグロビン(Hb、血色素量)以外に、フェリチンも測ってほしいところ。
ヘモグロビンは財布のお金
フェリチンは銀行に預けてるお金
みたいな感じで、フェリチンは体内に貯蔵されている鉄です。
そして血清鉄。
血清鉄はタンスにしまってあるお金、とでも言いましょうか。
タンス(血清鉄)や銀行(フェリチン)からお金(鉄)を引き出して、財布(ヘモグロビン)に入れて使う。
タンスのお金も銀行のお金もなくなったら、最終的に財布のお金も減ってきます。
これ見てわかるように、ヘモグロビンが高くても、鉄が不足していないとは言えないんですよね。
ヘモグロビンが高くても、フェリチンや血清鉄が低い状態、これを隠れ貧血と呼んだりします。
ちなみに、フェリチンは通常の血液検査では測ってもらえないので、追加をお願いして測ってもらうと良いです。自費になるけど2000円くらいで追加できるんじゃないかなと思います。病院で聞いてみて!
数値の目安
理想値(※あくまでも理想の値なので、低くても高くても、体調が良い状態かどうか確認することを忘れずに!)
ヘモグロビン 男15mg/dl以上
女12mg/dl以上(閉経後なら13以上!)
↑欲を言えば12.5くらいほしい
フェリチンは、基準はとっても難しい。25くらいで貧血症状出る人もいるんですが、12mg/l以下は確実に貧血症状が出るとのこと。アスリートだったら、炎症なしで30以上はあってほしいなぁと思います。
ちなみに、一人出産すると、フェリチンは30使われるとのこと。出産前に30以下だったら、、、
血清鉄 100前後
を目安にされたら良いと思います☆
炎症で上がる数値
フェリチンは体内に炎症があると上がります。
これ重要。めちゃくちゃ重要。
炎症ってなにって?
風邪、花粉症、ケガ、リーキーガッド(腸の炎症)、副鼻腔炎(鼻の炎症)、上咽頭炎(喉の炎症)、虫歯や歯周病(歯の炎症)などなどなど
気づいてない慢性炎症の状態であるかもしれない。。腸なんか特に気づかないことも多いですよね。
なので、フェリチン高い〜!やったー!と一概には言えないのです。体に炎症はないか???
そこをきちんと見極めるのが大事。総蛋白が低いとか、栄養状態が明らかに悪いのにフェリチンだけ高かったら、炎症を疑いましょう。
炎症の時は鉄サプリNG
これに関してはまた別にまとめていきたいと思っていますが、
炎症があるときに鉄剤や鉄サプリを投与するのは❌です。
炎症があると、鉄は体内に取り込まれにくくなっていて、
取り込まれない鉄が体に増えて、マイナスなことを引き起こす要因にもなりかねない。
貧血だ!すぐに鉄補給!は、ちょっと待って〜時代遅れだよ〜です。
鉄をサプリでとってるのに、ヘモグロビンが増えない・・・そうだ!このサプリが合わないんだ!別の鉄サプリに変えてみよう!
ってやっていたのはこの私です😨笑
違うの、炎症を解消してからなんですyoー!
アスリートは炎症の繰り返しでもあるので、鉄補給のタイミングは悩みどころですが。。。
やはり、しっかり食事で鉄を補給するということは鉄則。鉄は吸収率も低いし、食品でとるととんでもない量食べないといけないからサプリが有効!
ってのは嘘ではないんですが、すべての人に当てはまるわけではないんだということを覚えておいてほしい。
ひどい貧血状態になる前に、食事でベースを作っておくことが大事です。
ヘモグロビンの材料は鉄とたんぱく質。
・たんぱく質をしっかりとること
・体タンパクが無駄に使われてしまわないようにエネルギー(糖質)をしっかりとること
も大切です。
余談
マルチビタミンミネラルって、鉄が少ない配合のもの多いですよね?
それは、
鉄は、亜鉛や銅と一緒にとると吸収が阻害されること
が一番の理由なのかな?と思いますが、
誰しもが早急に補給すべきものではない
とわかっていたら、もしそのメーカーでマルチビタミネが1種類しかないのなら入れないという選択の方が正しい気がするなぁ。
ということで私は、マルチビタミンミネラルに含まれる鉄の量を、サプリメント会社を見極める一つの要素にもしています。
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