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『職業遍歴』#26-1 「紹介予定派遣」の罠

筆者が過去に経験した「履歴書には書けない仕事(バイト含む)」を振り返るシリーズ第26弾。今回は、大手IT企業のグループ会社で社内報の編集の仕事をしていたころのお話です。

26. 社内報の編集

紹介予定派遣として大手IT企業のグループ会社で働くことになった経緯をこちらに書きました。↓

「紹介予定派遣」というのは、ある一定期間派遣社員として働いて、その後派遣先に直接雇用されるという制度です。派遣期間は最大6カ月。派遣期間の間に、本人も企業もマッチしているかを見定め、互いに問題がない場合は直接雇用となります。派遣スタッフにとっても、実際に働いてから決定することができるので、ブラック企業にあたる可能性も低く、一見いい制度に思えます。

ところが、あるデータによると、紹介予定派遣から実際に直接雇用にいたる確率は、わずか25%だそうです。あまりにも低すぎますよね。派遣社員としてはやはり直接雇用してほしいから紹介予定派遣の案件に応募したわけですから、派遣社員側から辞退しているケースというのはあまりないと思います。企業側がなんらかの理由をつけて直接雇用を断っているわけです。

一説によると、「紹介予定派遣」と謳ったほうが人が集まるからそれで募集をかけただけで、企業側は最初から直接雇用する気はなかったとか、企業側は直接雇用しようとしたのに派遣会社に高額のマージンを請求されたことによってやめてしまった、などということもあるそうです。つまり企業や派遣会社自体が、派遣スタッフが直接雇用となるのを阻んでいるわけです。なんとも悪質です。

まあでも、そこまで悪質なケースは稀なのでは? 普通に真面目に仕事をしていれば、直接雇用されるのでは? 断られる人は、真面目に仕事をしていなかったり、勤怠に問題があったりするのでは?

そう思う人も多いかもしれません。でも私の場合、実際、真面目に仕事をし、勤怠にもなんら問題がなかったのに、あれこれ理由をつけられて直接雇用を断られました。

でも、直接雇用されなくても、派遣としてそのままそこで働き続けられるのでは?と思う人も多いでしょう。じつは私も最初そう思っていました。でも、最大6カ月の派遣期間のあとで直接雇用されなかったスタッフを、そのまま派遣として雇い続けることは法律違反になるそうです。つまり、直接雇用されなかった派遣スタッフは、たった6カ月でクビを切られるのです。「紹介予定派遣」は、こんなにリスクの高い制度だったのです。

次回は私がこの会社で実際どんな仕事をしていたのか、なぜ直接雇用にいたらなかったのかについて書いていきます。




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