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『ソロ戦争』#0 私の立場

自分の体験も交えながら女性の生き方について考え、結婚もせず子供も産まない「ソロ」としての生き方を模索するマガジンをはじめます。構成はまったく決まっていません。更新も気ままにします。

まずはヴィルジニー・デパントの『キングコング・セオリー』に倣い、本編に入る前に私がどんな立場から書いているのかをお話します。

結婚していない女

私は結婚していない女の立場で書いています。私はもともと結婚願望はありませんでしたし、親や周囲の人に強く勧められることもありませんでした。結婚している人を見て「羨ましい」と思うこともありません。結婚するかどうかは人それぞれであり、自分の結婚も他人の結婚も私にとってはどうでもいいことです。

結婚にはいい面もあればそうでない面もあります。結婚生活に向いている人もいればそうでない人もいます。結婚したい人はすればいいし、したくない人はしなければいいと思います。世間体のために無理して婚活をするなどナンセンスだと思っています。

結婚の経験はありませんが、パートナーと一緒に暮らしたことは二度ほどあります。人と暮らすのは楽しくもあり大変でもありました。私は変わった人間ですから、私より相手のほうが大変な思いをしたでしょう。結局うまくはいきませんでしたが、とてもいい経験をさせていただいたと思っています。

子供のいない女

私には子供がいませんし、子供を持ちたいと思ったことも一度もありません。今後も子供を持つことはないでしょう。

最大の理由は、出産に対する恐怖心です。私は痛いのがとても嫌いです。女の人が子供を産むのはとても苦しく痛いことです。私はそのようなことをわざわざ経験したくありません。なぜ皆、わざわざ痛くて苦しい思いをしようとするのか不思議です。そこまでしてでも自分の子供が欲しい、ということなのでしょうが、私にはそもそも自分の子供が欲しい、という気持ちもまったくありません。

子供は産んだら育てなくてはなりません。絶えず泣き続ける赤ちゃんのお世話など、やりたくありません。イヤイヤ期の子供をなだめたりなど、やりたくありません。子供のために三食用意したりなど、やりたくありません。

そもそも私は子供が好きではありません。そりゃあ、赤ちゃんを見れば「可愛いな」と思うし、思わず赤ちゃんに微笑みかけます。私だって人間ですから。でも見て「可愛いな」と思うのと、実際に自分で育てるのとは全然違います。どう考えても私に育児は向いてません。自分に向いてないとわかっていることを、無理にやる必要はないと思っています。

年のいった女

私は若くはありません。若いころはそれなりにちやほやされてきました。が、若くなくなると、誰も私をちやほやしないどころか街中でもスルーされます。最初は少しショックでした。

でも「若くない女」というポジションに慣れてくると、これはなかなかラクです。街を歩いていても声をかけられないので、のんびり歩くことができます。新しい職場に行っても、みんなが我先にと私に話しかけてくることもありませんので、仕事に集中できます。あれやこれやプライベートな質問をされることもなくなりました。今振り返ると若いころは大変だったな、と思います。当時はそれが当たり前だったので、自分が消耗していることにすら気づいていませんでした。

思えば、若いころは若さを「搾取」されていました。しかも、私はそれが搾取であることに気づいておらず、いい気になっていました。愚かだったなと思います。が、今更後悔しても仕方ありません。若くなくなり、人に注目されることがなくなって、私はより自由に生きられるようになりました。人々は私がなにをしようとなにを言おうと、もはや関心がありません。だから私は好きなことをして好きなことを言っています。これからもそうやって好きに生きていきます。

男も女も愛する女

私は男も女も愛する女の立場で書いています。LGBTのB、バイセクシュアルというやつです。こう言うと「男も女も愛せるなんて、二倍楽しめていいね」みたいなことを言われたりします。そういうことを言う人は、バイセクシュアルとポリアモリーを混同しているのではないでしょうか。バイセクシュアルだからといって、同時に男や女と付き合うわけではありません。私はモノガミーですので、付き合う相手は一人です。ただその相手がそのときによって男だったり女だったりします。それだけのことです。

また、バイセクシュアルだと出会いの機会が多いと思っている人もいるようですが、そんなこともありません。とにかく、「バイセクシュアル=得をしてる」みたいな考え方はやめてほしいものです。なぜならバイセクシュアルは、マイノリティ中のマイノリティで、セクシャルマイノリティのなかでも差別にさらされているからです。

異性愛者にも、同性愛者にも、バイセクシュアルは非難されます。私はLの友人達に、自分がバイセクシュアルであることを告げていません。また、男性にバイセクシュアルであることを告げても、なんかエロい想像しかできないようです。謎です。セクシュアリティについては、項目をもうけて詳しく書く予定です。

最後に

最近、『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!』という本を読みました。漫画家の田房永子さんが、フェミニズムについて上野千鶴子さんに教えをこうという構成で対談形式で書かれた本です。そのなかで田房さんがご自身の「母との関係」について話しているのですが、それが私と類似していて驚きました。田房さんと私は同年代です。この世代の人は多かれ少なかれこういったことを経験しているのかもしれない、と思いました。

ウーマンリブの標語に、「個人的なことは政治的なこと」というのがあるそうです。夫への不満、子育ての悩み、家族関係など、これまで女たちが「自分の問題だから、自分でなんとかしないといけない」と思い込んできたすべてのことは、政治の問題でした。

私も田房さんのようにまずは自分の個人的な問題を振り返り、女性の生き方、フェミニズムというものについて考察していきたいと思います。



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