『おじカワ』最終回~「好き」の偉大さ。9月10日の日記

ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』が終わってしまった。このドラマ、何気に面白くて、毎回楽しく観ていた。

最終回はハッピーエンド(まあこういうドラマはハッピーエンド以外ありえないけれども)。カワイイもの好きのおじさん・小路は、同志のケンタくんとめでたく仲直りして、「好き」を人と一緒に楽しむ幸せを満喫する。

小路はもともと、おじさんなのにカワイイものが好き、ということを人に秘密にして、一人でこっそり楽しんでいた。それでいいと思っていた。けど同志のケンタくんと出会い、人と推しについて話したり、一緒にイベントや買い物に出かける楽しさを知る。しかしあるときケンタくんと気まずくなってしまい、また一人に戻ってしまう。小路はもともと一人で楽しんでいたし、ただ元に戻っただけのはずだが、一度人と一緒にいる楽しさを知ってしまうと、一人なのが虚しく思えてしまう。こういうの、恋愛もそうだよね。相手がいないときは、一人でも十分楽しめていたのに、二人の状態の楽しさを知ってしまってから一人に戻ると、とたんにつまらなく思えてしまう。

「好き」だと思えるものがある人は、良いと思う。その「好き」を誰かと楽しむこともまた、素敵なことだ。

小路とケンタは、互いに「友達」でいたいと思っているのに、年齢だとか、おじさんがカワイイものが好きなんておかしいという世間の価値観だとかに振り回され、互いに気持ちとは裏腹の態度をとってしまう。相手の気持ちがわからず、どうせ自分のことなんて大切に思われてるわけがない、だから自分もいい年して友達になりたいなんて思うのはやめよう、とかさんざん葛藤し、送るLINEの文面にも一時間も悩んだりする。互いに大切に思っているのにそのことをはっきり言えず、すれ違ってしまう。小路とケンタが互いにこじらせてる様は、男女の切ない恋愛を見ているよう。けど最後は二人とも素直になり、互いに「好き」と話し、笑って手を取り合う。

・・・ほんとに恋愛のような展開だけど、これはBLじゃなくて友情というのがミソ。おじさん同士の友情を描いたドラマって、今までなかったよね(シスターフッドものとかは結構ある)。

人間同士の関係っていろいろある。どんな関係でも、それぞれに大切なのに、なぜか「恋愛」が一番大切なもの、とされるふしがある。でも実際は、別に恋愛のほうが友情より上、とかはない。なんでもかんでも恋愛に結びつけて考えないと気が済まないという人も多いけど、世の中を構成しているのはほとんどが恋愛以外だ。ただの「好き」という気持ち、それが一番大切だ。小路がパグ太郎を、そしてケンタを、ただ純粋に「好き」なように。

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