『ソロ戦争』#6 女性にとって「若さ」とは?
自分の体験も交えながら女性の生き方について考え、結婚もせず子供も産まない「ソロ」としての生き方を模索するシリーズ。第3回では私が結婚していない理由について、そして第4回では子供を産まなかった理由について、第5回では多くの人が家族を求める理由についてお話しました。
今回は、次のお題「若さ」について考えてみたいと思います。
若いことによるメリット・デメリット
女性は若いというだけでちやほやされます。なにかと気にかけてもらえ、優しくしてもらえたり、特別扱いされたりします。私も、仕事で接するのが若い女性だと、ミスがあっても、「まあ若いし経験もないのだから、仕方ないな」と大目に見ます。自分が若いときも、かなり周りからは大目に見てもらえていました。
若いと男性にも誘われやすく、高級な食事をご馳走になったり、プレゼントを贈られたり、あるいは旅行に連れて行ってもらえたりします。若いうちは給与が低くて自分では行けないですから、年上の男性にあちこち連れて行ってもらえるのは女性にとってもうれしいこと。そして男性も、「若い女性を連れ歩いている自分」を誇らしく思っています。
それがちゃんとした恋愛関係であればいいのですが、多くの場合、男性はただ「若い女性と寝たいだけ」だったりします。女性にはそれがわからず、「自分はモテている」と勘違いしてしまいがち。相手が既婚者だったりした場合は悲惨です。
そもそも、簡単に口説かれるということは、「簡単にセックスできそう」と思われていることと同義です。隙があったり、物欲しそうにしていたり、弱っていたりすると、男性はすぐに寄ってきます。そうじゃなくても、「若い」というだけで、下に見られます。「若い女性なら自分の言うことを聞いてくれるだろう」と男性は考えているわけです。確かに若い女性は経験が少ないし、物慣れた男性にちょっと口説かれればコロッといってしまうこともあるでしょう。
相手の男性が、自分そのものではなく、ただ自分の若さや外見、身体に惹かれているだけだということ。それを理解しないと、とんでもない悲劇が起こる可能性もあります。
35歳を過ぎると声がかからなくなる
若いうちにそうした「おいしい」思いをした女性ほど、歳を取るのを恐れるもの。私もそうでした。私の場合、35を過ぎたあたりで、声がかからなくなりました。男性からの誘いも減り、街を歩いても声をかけられません。ティッシュ配りの男性にすらスルーされたときはさすがにショックでした。そのティッシュというのは、キャバクラ嬢とかを募集するものです。つまり私は、もうそういうところで働く年齢の女性じゃないと一発で見抜かれているわけです。
30代後半になると出産リミットが近づいてきます。「子供はいらない」と思っていたはずの私ですら、「本当にそれでいいのか?」と考えるようになりました。「この期間を逃すともう一生チャンスはない」という状況になると、人は真剣に考え、悩みます。この時期は、こうした出産リミット問題もあるし、日に日に若くなくなっていく恐怖もあり、精神状態が悪かったです。40歳になるのが怖かった。いろいろ考えた結果、私の場合は精神的な病気などもありましたから、やはり自分に出産や子育ては無理だという結論にいたりました。
40歳を過ぎたらラクになった
そして、いざ40歳になってみると、思っていたより楽しく、ラクでした。私は若いころはとにかく小生意気で尖った人間でしたが、少しは人間が丸くなり、人とうまく話を合わせたりすることができるようになりました。気楽な気持ちで人生を考え、気楽に生きることができるようになりました。若いころは私にも夢とかやりたいことがありましたが、たとえば署名記事を書くとか、編集者の仕事をするとか、やりたかったことはある程度できました。この年まで生きたら、あとの人生はまあそれなりに楽しく過ごせればいいなと思うようになったのです。私の場合は、結婚や出産、仕事の出世というものを早々に諦めたことで、自由になれました。
「美魔女」の謎
そういえば、一時期「美魔女」がブームになったことがありましたね。40代くらいの女性が、すごい美容とかに気を遣って若さや美しさを保つ、というものです。美魔女の多くは既婚者ですから、別にモテたいと思って綺麗にしているわけではなく、ただ自分のなかで満足したいとか承認欲求からくる行動なのでしょう。あれは正直私には理解できませんでした。まあ、お金を持ってる主婦の道楽なのかな、ぐらいにしか思えませんでした。美容に何万もお金を使ったりとか、ちょっと自分の感覚では考えられないです。
でも今の時代は、無理に「若くあろう」とするのではなく、その歳ならではの美しさを大事にしよう、みたいな風潮になっている気がします。40代なら40代の美しさがあります。20代のころのように輝くばかりの美しさ、とはいきませんが、落ち着いた穏やかな美しさがあります。そういうものを大切にしていけばいいのではないでしょうか。
40代のセックスって?
ついでに40代のセックス事情について。これは人によってかなり違います。一般には、40代になると女性の性欲が高まる、50代になって閉経するとさらに高まる、なんて言われています。noteにも、私と同年代くらいの女性(既婚者)が、マッチングアプリをつかって次々いろんな男とセックスをする体験談を書いている人がいました。最初は興味深く読んでいたのですが、そのうちちょっと申し訳ないですが、気持ち悪くなってしまい、フォローを外してしまいました。
私自身でいうと、20代、30代が性欲のピークで、40代になるとがくっと落ちました。今ではセックスをしたいと思うこともありませんし、しても気持ちよくありません。そんなありさまですから、恋愛をしたいという気持ちも起こりません。恋愛はセックスとつながっているので、セックスしたいという気持ちがないと相手を見つけようという気持ちにもならないようです。まあ逆に言えば、恋愛をしてないからセックスしたいという気持ちがないんだ、とも言えますね。
性欲がなくなったことで、かなりラクになりました。やはり性欲に振り回せされるのって精神的に消耗します。たとえばパートナーとセックスレスになってしまったら、性欲が荒ぶります。上に書いたnoteでアプリの体験談を書いている女性も、夫とセックスレスのようです。
なぜか恋愛やセックスはいいこと、とされていますが、別になくても支障はないということがよくわかってきました。
最近の若い女性は・・・
私たち就職氷河期世代と違い、今の20代の人たちは比較的恵まれた状況にあるといえます。私たちほど苦労せず正社員になれ、仕事はほどほどにがんばり、恋愛もして、趣味などのプライベートも充実している人が、私の周りには多いです。そしてこれは最近の若者の傾向なのかわかりませんが、20代のうちに結婚する人が増えているような気がします。男女とも正社員で経済的に余裕があって、結婚に踏み出せているのでしょうか。あるいはコロナ下で、「家族の絆」の重要性にみんな気づきはじめ、結婚を決意しているのでしょうか。
私たちのころは、20代のうちはとにかくいろんな恋愛をして男を見る目を養うのがいい、とされていました。でも、先に書いたように、20代のころの恋愛というのは相手に若さを搾取されている場合が往々にしてあります。そして気がつけば30代になり、だんだん声がかからなくなり、婚期を逃してしまう・・・みたいな女性も少なくありません。つまり、若いころモテていた女性ほど、婚期を逃しているわけです。
ちゃんと結婚・出産を人生計画に組み込んでいる女性は、20代で付き合った男性に「決めてしまって」、早々に結婚しているようです。確かに、あちこち迷っているうちに気がついたら誰もいなくなっていた、なんてことになりかねませんし、その選択は正しいと思います。
恋愛経験やセックスの数が多いほどいいとされる傾向が今でもあるようですが、数ではないと思うんです。10人の人と付き合うより、1人の人と10年付き合ったほうが多くのものを得られる場合もあります。
「若さ」をテーマに書いていたのに、最後は恋愛論みたいになってしまいました。ま、これも、構成を決めずに思いつくまま書いている醍醐味ということで。。。
次回は「男も女も愛する女」について書こうと思います。