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生成AIと友達になる未来

時間の経過でAIに対する自分の考え方が変わるかを観察したいと思ったので、現時点での所感をメモしてみることにしました。
デザイン系の学校を出ており現在は書籍制作の仕事。文章へたくそで絵はそこそこ、人の絵を見たり芸術鑑賞は好きな方。全体的にクリエイティブに振ってるかなぁという趣向です。
生成AIに対しては超ポジティブに受け止めているどころか早く人間の代わりに仕事してくれと願ってる日々です。AI絵師の振る舞いに揉めているようですが、あまり野次馬根性も湧かず間接的に気配を感じる程度の認識です。
最初に知ったサービスはMidjourneyかAIピカソ、文書系はChatGPTだと思いますがもうファーストインパクトを忘れてしまいましたね…印象残しておけば良かった。

欠かせない学習

サービスは各所使っていきたいところですが、気になるのはどこから学習したか。書籍を作っている身として信頼性はかなり重要視します。著作物は勝手に学習してません!と宣言していても本当のところはわからないので、かしこい方々のツッコミを聞きながら趣味の範囲で遊ぶにとどめてます。
早く仕事に使ってラクしたいのに信頼ェ…と思っていたところにAdobe Fireflyが現れたのは嬉しかった。知らない会社の知らないサービスを見極めるよりずっと簡単。Adobeとの付き合いは長いし情報にもアクセスしやすいので大変歓迎しました。2024年2月現在、まだ使いやすいとは言えないですが早くお互いちょうどいい関係を作りたいです。

承諾なく絵や写真を学習させてはいけないのは当然のことですが、AIに生まれたばかりに可哀想だなとちょっと思います。人間は色んなものを見て影響されて自分のアウトプットに現れるのに、何故AIの学習には厳しいのかと。人間も電気信号で動いてる精密機械みたいなものでは。

そもそも著作物とは

なんとなくで使っている著作物という言葉。そもそもどんな定義なのかを調べたところ、どの文献もまず最初に次の一文が挙げられていました。

思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

著作権法 第2条 一

思想又は感情…と言われると人間限定なのでぐうの音も出ない。少し調べると色々と興味深くて、量産された工業製品は著作権法というより商標権や意匠権で保護されること、書体は著作物ではないことなどなるほどと思いました。アイディアは著作物ではないと聞いたことがありますが「創作的に表現したもの」に至ってないからなんでしょうね。これを知らずに考えても仕方ないので定義を知るって大事だ。
こうなると「思想」とは何かという興味が湧いて哲学や脳科学に手を出したりしているのですが、それはまた別のお話。

世間が懸念していること

微妙に韻を踏んでしまいましたが。私の観測範囲にアンチ生成AIはいないのでイメージになってしまうのですが、著作権以外で懸念されるのはクリエイターが仕事を失うことですよね。確かにクオリティの高いイラストを大量に作成できて安価で使えたら勝ち目はないです。でも作品を利用する立場で想像すると、クリエイターの作品とAI生成物は競合しないと思います。当事者は冷静でいられないと思いますが、むしろ人間が作ったものの価値が上がるような気がするので自信を持ってほしいです。言い方を変えれば、値札相応のものを提供しないとやっていけませんよとも。この程度?と思われたら使ってもらえないので、なんとなく惰性で受注をしていたら振り落とされるのはあるかもしれないですね。これを仕事の喪失と主張するのであれば、ちょっと甘い気がする。

私の価値観をもとに想像で話しているので、実際の市場は厳しいのかもしれません。でも百均で十分なこともあれば高品質なブランド品じゃないとダメなときもあります。価値を感じたら人はしっかりお金を払うので、百均クリエイターにならないようにすれば良いだけの話ではないかと思います。

見当違いなことを言っているのではと不安になってきました。違うのかな、世間が問題にしてるのはそういうことじゃないのかな…。

使ってみよう

発展途上のことを考えすぎてもしょうがないので、とりあえず遊び感覚で使ってみる。気合い入れて研究してるのは一番とっつきやすいAdobe Firefly、およびイラレとフォトショに搭載されたAI。Creative Cloud契約に金額上乗せされてしまったし使わないと本当に損。クラウドストレージ廃止した分で補填してくれよと思わないでもないんですが…。

イラレ搭載のAI

人物アイコンなどちょっとしたものが欲しいときの叩き台として使えました。設定をアイコンモードにして何種類か出してもらい、いい感じのを選んでトレースする。手癖で描くといつも同じになっちゃうので、違うタッチのものを提示してもらえるのは助かる。
ベクター生成できるのスゴイデショと言われてますが、パスが汚くて使い物にならないので今のところは自分で描いた方が早いです。

フォトショ搭載のAI

画像編集の仕事がないので遊んでるだけ。静物写真の背景を伸ばしたり、人物の口元だけ表情を変えたり。選択範囲とプロンプトにコツがいるのでまだ思うように整った結果が出せていません。従来の「コンテンツに応じた塗りつぶし」などで使われているエンジン?と統合されたわけではないらしく、それぞれ独立している模様。どんなときにどちらを選ぶか慣れが必要そうなので、使いこなすにはまだ時間がかかりそうです。

Firefly

実用はしてませんが、触ってて一番楽しいのがこれ。右側の効果パネルがフォトショライクでAdobe民には大変わかりやすい。ただメニューが多すぎて何がどういう結果になるのか覚えきれず、結果をコントロールできないのが悩みどころ。「アールデコ」はまだしも「総合主義」とか言われてもピンとこないので、大きいサンプル画像か補足文が出るといいなと思います。気球アイコン小さくないですか。
カラーとトーンの3番目にある「合成」、原語はcompositionなので正確には「構成」みたいです。Adobeのかわいいところが出てしまいましたね。

まとめ

現状、バリバリと仕事に活用できる段階には至っていません。ッターンで1発で成功させるよりも、補助として手伝ってもらう関係をぼんやり想像しています。副操縦士と称したCopilotはいいところを突いてる。
AdobeのAIに関しては素材の延長という感覚がしっくりきます。普段ストックフォトや画像検索していたことが、生成に置き換わる予感がしなくもない。クリエイターの作品と生成物が競合しないと考えるのもそのあたりにあります。AIが行間読んで提案してくれようになったらわかんないですが。

半年後、1年後にどうなっているか楽しみです。


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