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OYOホテルに営業を受けた話→契約しました→解約しました。

ホテル予約スタートアップのOYOの営業とお会いして、OYOのビジネスモデルを教えてもらいました。(弊社は金沢で宿泊施設を運営しています。)

ソフトバンクの孫さんが1,000億円投資し話題になりましたが、OYOのビジネスモデルって世の中にあまり伝わっていないんじゃないでしょうか?

ぼく自身も、OYOが独自にホテルを展開するのか、ただのホテル予約サイトなのかよく知りませんでした。

このnoteでは、OYOのビジネスモデルやメリットデメリットを解説した上で、今後日本の宿泊マーケットでOYOがどのようなインパクトを与えるのか書きたいと思います。

(注)業界関係者向きです。
(追記)弊社のネイバーズイン金沢がOYOに加盟しました(笑)その理由も後述しています。

(さらに追記)2019年12月末で。解約となりました。

OYOはフランチャイズモデル

OYOのビジネスモデルは、『フランチャイズ』です。

フランチャイザーであるOYOは、ホテル経営のノウハウやシステムを提供する代わりに、フランチャイジーであるホテル側は現場の運営に集中することができます。

フランチャイズに加盟したホテルは、OYOにロイヤルティを支払う必要があります。加盟金などその他の費用は一切ないようです。

フランチャイズモデルを取り入れている日本のホテル会社は、アパホテルやスーパーホテル、サンルートがあります。

業務の分担について、図の方が分かりやすいのでこちらをどうぞ。

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OYO加盟のメリット5つ

①稼働率・売上アップ
需要予想や周辺施設の料金データを参考に、AIを活用して宿泊料金を設定します。調整はすべて自動で、1時間毎に行います。またホテル予約サイトのマネージメントやレビューの管理も行います。

②宿泊客への問い合わせ対応
予約の変更や宿泊施設への問い合わせは、OYOのカスタマーサポートが行います。事前に施設側から必要情報を聞き出した上で、人力とAIでスタマーサポートを行います。

コンサルティング
スタッフ研修からクレーム対応までOYOチームのコンサルティングを受けることで、顧客の満足度をあげることができます。

システム無償提供
通常ホテル運営者は、ホテル管理システム(PMS)や在庫管理システム(サイトことローラー)および自社サイト予約エンジンを導入していますが、OYO独自のシステムを無償で利用できるようになります。

⑤リフォーム・改修
OYOのブランディングに沿った外装&内装のデザインコンサルを受け、場合によっては改修費の補助が出ます。

ちなみに少しマニアックな話になりますが。

多くのホテルは集客のためにホテル予約サイト(楽天トラベルやBooking.comなど)を複数利用していますが、OYOに加盟してもホテル予約サイトの利用は継続することができます。

ただし今後、OYO加盟ホテルだけを掲載したホテル予約サイトに力を入れるそうで、このサイトを通じた予約にはOYOへのロイヤルティのみ発生します。

「とはいえ、OYO加盟のデメリットは?

最大の懸念は、OYOのブランディングではないでしょうか。

当然OYOに加盟するとホテルの名称を変更しなければなりません(固有のホテル名の前に「OYO」がつきます)。

またホテルの受付や看板に「OYO」を追加する必要があります。

世界的なブランド(客室数で世界6位)とはいえ、日本ではまだ動き始めたばかりです。

顧客にほとんど認知されていないOYOのブランドをつけることで、集客に苦戦するかもしれません。また今後OYOブランドがうまく立ち上がらない場合のことも考えなければなりません。

今後のOYOどうなる?

先日、OYOのサイトを見てみたら、加盟済みのホテルの予約受付が開始されていました。

OYOとして売り出しているホテルは、大阪や京都のゲストハウスや民泊施設でした。まだ10施設にも満たないでしょうか。

料金はツインで1室1泊2,000円〜と激安です。(ひとり2,000円じゃなくて、一部屋2,000円です。なので、ひとり1,000円です)

料金はAIで自動的に算出されるので、この2,000円がマーケットに最適な料金です。(特に今は閑散期ですしね)

ホテル側としては個室のツインを2,000円で売っていたら当然利益は残らないわけで、ここから料金を上げてもらわなければ困るわけです。

OYOが顧客から認知と信頼を得ることができ、そのうえで料金を上げてもしっかりと予約率を上げることができれば、ホテル乱立の煽りをくった独立系ホテルのOYO加盟が進むと思われます。

また違った視点ですが、日本の人口減&ホテル乱立の影響で、ホテルで働く人たちの採用が年々難しくなり、かつ清掃業務を行う人の時給が高騰し、ホテル経営を圧迫しています。

今後は人件費をかけて経営全般を管理することを放棄し、ノウハウやシステムはOYOに任せ、ホテルの現場に集中するホテルも出てくるでしょう。

(追記)弊社のネイバーズイン金沢がOYOに加盟しました

弊社のネイバーズイン金沢(金沢市駅西本町1-10-18)が、インドのホテルチェーンOYOに加盟することになりました。

金沢市内の宿泊施設では、初めての加盟です。
石川県内でも初となります。

2ヶ月前にこのnoteを書きましたが、当時はまさか加盟するなんて夢にも思っていなかったです。(本当です)

OYOに加盟した理由①

毎年1軒づつ宿を作っていて、気づいたら4軒になっていました。今年はすこし脱線して、お寿司屋さんも作りました。

アホなので、全部金沢市です。

強いブランドを作り各都市に展開できれば理想だったんでしょうが、そんな上手に経営できなかったんですよ。そして、この後もいくつか宿泊施設を開業する予定です。

正直、すべての施設に全力投球するリソースがなくなりました。

なので、ある程度ポートフォリオというか、
Aは自社で力を入れる、
Bは、適度にほっといてもそこそこ上手くいく、
Cはフランチャイズになる、

みたいにして会社全体で利益を最適化できればいいなと思いました。

このCに当たるのがネイバーズイン金沢のOYO化です。

OYOに加盟した理由②

インドが大好きです。
インド人も大好きです。

19歳の頃にインドを半年間旅したことがあるんですが、こんなに面白い国があるのかと衝撃を受けました。

そんなインド人と仕事ができると考えただけで、ワクワクしてしまったんですね笑

悪く言えば、適当で向こう見ずで相手のこと何も考えてないんですが、良く言えば決断早くてゴールに向かって真っしぐらなところが、日本の会社にはなかなか見られないスピリットで素敵です。

早速、いろいろ振り回されてはいますがw

終わりに

今後はOYOと共により良い宿を作っていきたいと思っています。

そしてフランチャイズ経営になったけれど、旅人を迎え入れる心は忘れたくないし、誰かの旅のきっかけになるような宿を引き続き目指していきたいと思っています。

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吉岡ライズ
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