動く椅子と保守思想
映画館に行った。一週間ほど前のこと。
イオンシネマにて再上映されたのは機動警察パトレイバー2という映画だ。
すこし昔のロボットアニメで、押井守監督の力作ということで根強いファンも多い。
それが4DXのみで再上映されていたということである。
4DXとは通常の映画上映にプラスして、映画の場面に合わせて席に水が降ってきたり、風がブシュッと顔に吹き付けたり、席がガタゴトゆれるという体感型の映画体験ができるものだ。
チケットを2枚買ってスクリーンに入った。
他のお客さんも少なかったので、足をぼーんと放り出してビスコを食べながら始まるのを待った。照明が落ちる。
何回も見たことがあるのでストーリーや場面は全て把握している。最初はロボット同士の戦いの場面である。スクリーンだと迫力が違うんだろうな、などと考えながら姿勢を正した。椅子がごとごと揺れだした。おお、さっそく4DXやな。と思ったら椅子がイカ漁船ぐらい揺れた。
映画の中ではロボットが地雷を踏んでいた。次にロケット砲が迫ってくる!椅子がまた激しく揺れる。映画の音と同じぐらい膝の上のビスコが落ちていく音が聞こえた。個包装でよかったね。
まあ、ロボット映画だし、アクションものだしね。椅子に水が降る機能をOFFにしながら落ち着きを取り戻す。戦いの場面は終わって日常描写のパートへと移っていた。主人公の男女が自転車に2人乗りをしている。するとまた椅子がイカ漁船の椅子になった。
あれ?ここはそんなに揺れなきゃいけないのか?自転車だぞ?ロボットが地雷を踏んだのと同じ縦揺れだぞ?
と、いろいろ考えてると可笑しくなって、ここで笑ってしまった。
4DXは面白いですよ。いろいろ。
レインボーブリッジがミサイルで吹っ飛ばされるシーンではミサイルの動きに合わせて椅子が傾いていた。あ、これやと俺はミサイルに乗っていることになるのでは?と。
俺の乗ったミサイルはレインボーブリッジを吹き飛ばし、そこから東京は戦争状態へと徐々に移行していく。
パトレイバー2が気になった人はぜひともチェックしてください。おすすめです。あと三半規管が弱い人は4DXから逃げてください。クレヨンで書いたなんかの木を添えて。おわり。