【短編】陽が沈むまで
顔に差し込む太陽の光で目を覚ます。
ーいけない。学校に行かなくちゃ。
慌てて身を起こし、少女は、自分が学校に行かなかったことを思い出した。心がずん、と重くなった。
いつの間にか、夕方になっていた。
何か特別な出来事があった訳ではない。朝、いつも通りに家を出て、学校への道を途中まで進んだ。しかし、果物屋につやつやと並ぶオレンジを見たとき、急に足が向かなくなり、真っすぐに進むべき角を左に曲がったのであった。あてもなく街をさまよい、この海岸にたどり着いた。砂浜に打ち上げられた、真っ