【憧れの黄色いかぼちゃ】ベネッセハウス ミュージアム 美術をめぐる旅3
2泊3日の旅の日程の2日目。
高松港から直島へ向かう。
2023年7月21日金曜日、快晴。
(一日目は高松市内を観光していた)
【セブンのおにぎりでうろたえる】
船内でセブンイレブンのおにぎりを食べたのだが、これが衝撃。
普通の鮭おにぎりを買ったはずなのに、巻かれていた海苔が味のりだった。
え?なぜ味のり?どうやら関東と関西で仕様が違うらしい。
私の知ってるセブンのおにぎりじゃない。。。
と舌が混乱しつつ直島の宮浦港へ到着。
妹島和世+西沢立衛/SANAA設計の船着き場、海の駅はすっきりしている。
この時点で8時ちょっと過ぎ。
7月の朝の爽やかにウキウキと周辺を散策したらまず草間彌生の赤かぼちゃがありました。
この時間でも観光客が思い思いに写真を撮る。私もそうだけれど。
【セミの大合唱の中を進む】
海と砂浜が綺麗すぎて見ていたが、ここでセミの合唱がものすごいことにビビる。シュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワ
クマゼミ?関東のミンミンゼミのボリュームが桁違いなのだ。
海のさざなみの動画を撮ったはずだが後から見返したらクマゼミの大合唱に波の音がかき消されていた。セミすげえな。
そんな爆音の中、20分ぐらいえんやこら歩いてベネッセアートミュージアムに到着。
ここは8時半から開館しているので朝イチにはもってこいだ。(気に入って夕方もきた)
ジャコメッティがお出迎えしてくれる。
進んでいくとリチャード・ロング!
スロープを降りていくとジョナサン・ボロフスキー のシンギングマン3体が朝から合唱中だった。
広い空間にゆったりと作品が展示されていて1点1点じっくり見て回れる。
ただ、自然環境と隣り合わせなので、虫がいたり、光が当たったりはご愛嬌。そういうものに耐えられる作品が並べられている印象である。
朝と夕方、両方訪問したが、また違った表情がある。
建物の作りもすごく良かった。
安藤忠雄氏の建築はコンクリートなのになぜ心地よく感じることができるのか。不思議なのです。
余計なものが削ぎ落とされた感でしょうか。無駄の無さ、も。
ぐるっと見て回り、私が最後に見たのはブルース・ナウマン「100生きて死ね」。これは開館当初からある作品だそうだ。
【この道30年】
実はここ、1992年開館である。
自分が直島、アートという言葉を耳にするようになったのは2000年ぐらいからか。関東住まいなせいで、その当初はあまり行ったことのある人もおらず、「どこか遠くの地域の話」と思っていた。
2010年ごろから認知度がぐんと上がった気がする。
瀬戸内芸術祭の開始とSNS、スマートフォンの普及などが重なったのだろう。
Googleトレンドで「直島 観光」調べてみると2010年から開始の瀬戸内芸術祭のあたりから3年おきに検索の波が上がる。(Googleの日本進出が2004年なのでそれ以前が調べられないが)注目度が上がったことが一目瞭然。
【シンボル 黄色いあの子】
さて。
朝イチで港の赤いかぼちゃと出会いましたが、
やはり黄色のあのかぼちゃも、直島のシンボルといっていいでしょう。
21年8月の台風で瀬戸内海をドンブラコと泳いでしまったというかぼちゃ。
私はその日、松本市美術館の黄色のかぼちゃを見学していて、帰宅後、直島のかぼちゃが流されてしまったニュースを見てかぼちゃ違いだがショックをうけた。
復元制作が済み、昨年10月から元の場所に鎮座している。
なんか、すごく期待どおりにそこにあった。
いや、当たり前じゃない?と思うかも知れないですが、これはなかなか難しいことで。
広報的に画像として知れ渡っている作品は稀に本物と対峙するとあれ?と思うことがある。(直近ではPOLA美術館のロニ・ホーンの「鳥葬」がそうだった。天候や状況にも左右される野外作品は難しい)
かぼちゃはそんなこと微塵も感じさせない。
「周りがどんなでも私は私」と思わせてくれる強い佇まいだった。
今回は快晴の空の下、青い海の前で見ることができたけれど雨が降り注いでもどんより曇っていても良さそうだなと思った。
そしてひっきりなしに訪れる記念撮影者。
大人気である。
みんなも私もSNSへ投稿するのだろうな。
でも作られた当初はそんなこと想定していなかっただろう。
昨今のインスタレーションという言葉の出現よりも、もっと前段階からそういう活動もしてきた草間彌生氏にやっと時代が追いついたのか。
そんなことを考えながら遠巻きに大人気のかぼちゃを眺めていた。
さぁ、家プロジェクトへ移動です。