【2024年美術館・初詣はグンマ!】青空は、太陽の反対側にある 原美術館/原六郎コレクション 第2期(秋冬季)原美術館ARC
2024年。さて今年一発目の訪問は群馬県伊香保にある原美術館ARCとなった。
原美術館は品川にある頃からずっと馴染み深く、いつからか群馬に分館があることを知った。
品川の閉館後、所蔵品が群馬の原美術館へ移設されることを知り安堵したものだ。建築は磯崎新。
今季は「青空は、太陽の反対側にある」と銘打ってコレクション展示を行っていた。
4室からなる展示室と野外彫刻の数々。
今回印象に残っているのは日本美術の部屋。
原美術館は国内外・現代美術の名品収集で名高いが、特別展示室 「觀海庵」では日本美術の収集品も展示している。
日本美術古典作品の延長線上に現代美術もあるわけで、展示室は古典と現代の融合になっていて興味深い。
今回は青森で行われている個展に合わせてか奈良美智氏の作品にフォーカスされていた。
焼き物の作品は初めて見た。
目つきとフォルムがなんとも言えぬ温かみとおかしみが。
しかし目の前の掛け軸とも馴染む不思議な壺。
壺の中に何かが潜んでそうである。
奈良氏の作品の特徴がこの「目」なんだろう。
どんなものでもその「目」が描いてあるとあ、これは氏の作品だな、と認識できるというか。
「目」と書いたけれど本当に「目」なのか。
それともその「強い眼差し」なのか。
こちらが見ている、あちらからも見られている、という相反するようなやりとりが作品で行われているのが面白い。
そして展示ガイドには「明確な場所は示していませんが須田悦弘氏の彫刻作品も部屋のどこかにあります」とあった。
そんなこと書かれたら息子2人は血眼で探し始める。
無事、発見しました。
野外展示にあるオラファー・エリアソンの作品。
多分、日本で最初に収蔵されたオラファーの作品なんではないか、と。
※「エリアソンにとって、日本の美術館での常設作品は本作が初」との記載あり↓
https://www.haramuseum.or.jp/jp/wp-content/uploads/2018/08/jp_arc_pr_Orafur_1030.pdf
太陽光を必要とする作品で、数年前の夏の訪問時は霧がかかり曇っていたため作品は見れなかったのだ。
今回は冬の午後ということもあり具合よく晴れていたので、やっとどういう作品なのかを知ることができた。
オラファー エリアソンの、日本の美術館における初個展開催場所が品川時代の原美術館でもあったので、ここ群馬の地に常設作品が設置されているのも必然だろう。
隣接の伊香保グリーン牧場の牛の鳴き声を聞きながらオラファー・エリアソンを体験するのもとてもおすすめである。
帰省の帰りに立ち寄ったのだが、年始から開館してくれていてありがたかった。もう冬期休館になっていると思うがまた季節が変わったら訪れたい。
※余談
2024年の美術館初詣、実は金沢の金沢21世紀美術館や国立工芸館を予定していた。
3日に長野から金沢へ移動し一泊して帰ってこよう、と子どもたちと計画していたのだ。新幹線のチケットも手元に用意してウキウキと年始を迎えたら、ご存知の通りの災害。
旅行会社からはキャンセルを促す連絡。もちろん承諾した。
新幹線チケットの取り消しに行った小さな駅で、みどりの窓口のおじさんが「残念だったね」と声をかけながら指定取り消し印を押してくれた。
地域に生活する方々もまだまだ不自由な生活が続いている。
美術館にも被害が出ている。
まだ道のりは長いかもしれないが復興の兆しが見えた頃には必ず金沢へ観光に行こうと思う。