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東博で惹かれた「いとおかし」な展示物ベスト4 2023年9月


総合文化展はいつだって42.195キロのマラソンの様相だ。
しかも直前に横尾忠則氏の寒山拾得を見ていたから400m走った後にフルマラソンにチャレンジした様な無謀さが。

しかしやっぱり面白い品がある。

今回は思わず「なんだ?これは?」と思ってシャッターを切った作品をご紹介。

NO1 執金剛神立像(しつこんごうしんりゅうぞう)


いつも高村光雲の老猿がいる付近に金剛様がいた。こちらを向いて睨みを聴かせている。
歌舞伎っぽいなぁと思い彫刻をぐるりと回ったら、いるではないですか、邪鬼が。
本来踏みつけられている事が多いと思うのだが、纏った布を引っ張られ引き摺られている。これが…正面から見るとスマートな金剛様なんですけど…背後に回り込むと
「うわあぁぁぁ!」と阿鼻叫喚の邪鬼の顔が凄くてですね…
思わず立ち止まってしまったのです。

作品名は
執金剛神立像(しつこんごうしんりゅうぞう) 竹内久一作 明治26年(1893)

うわぁぁぁぁあぁぁ!


やーーだーーー!!まだ帰らないーーー!


もうね、正面からよりこの邪鬼が見える角度から4枚も写真を撮ってしまった。
そして始まる脳内アフレコ。
これほんと、スーパーとか公園で見かける2歳児的な感ありましてだんだん笑いが込み上げてきました。

シカゴ万博にも出ていたらしく…シカゴ万博?重要文化財の秘密展で良く耳にしましたね、老猿や鷲置物と同じ万博でしょうか!この金剛様も渡米していた!と。

いやぁ…面白い。好きだなぁと思った。
なんか他人事と思えない感じが。
こんなに身近に感じる金剛様も珍しいでしょう。

NO2 染付水葵に兎図大皿

さてお次は。うさぎの皿。
世間は月見バーガーの話題で持ちきりですが、お月見といえばうさぎ。
しかし、すごい顔だなこのうさぎ。

愛らしさ、ってなにかね?

何だろう、絵本にでてくるずる賢いうさぎみたいだな…鳥獣戯画もそうだけど日本人のうさぎ感って一体…どんなDNAなんだろうな。

染付水葵に兎図大皿(そめつけみずあおいにうさぎ図)

東博のサイトには「愛らしい」という記載もあったけれど、愛らしいかな??シュールじゃない?
や、でも私は最近人気のキャラものより、このうさぎ好きですよ。LI○Eスタンプがあったら買う。

NO3 「茄子水滴」


時代・年代世紀江戸時代・18〜19世紀

ポツンとナス

ナスです。茄子。
なんで?
説明不要かもしれませんが、ナスです。
サイズも実寸大というか、縁起物なんだろうけども、あまりに本物っぽいしケースに展示はされているか、そこはかとなく落とし物のようである。

NO4 「仕丁図扇面」


作者・出土・伝来尾形光琳筆
時代・年代世紀江戸時代・18世紀

慌てふためく人を描いた扇子。
これも「なぜ?」案件。しかも尾形光琳かもしれない説。

えらいこっちゃえらいこっちゃ



いや、あの他に題材はいっぱいあるよね。
なぜこのシーン選んで扇子にしたのか。
そしてこの扇子がなぜ後世まで残ったのか。他にもこう、一杯描いたのでは?と思うのだけど300年残ったのが慌てふためく人を描いた扇子。
うーーん。面白い。

いとおかしな品かな

はい。独断と面白い!と思ったポイントのみで4つの作品に惹かれてきました。
普段、美術館ばかり行っているせいで、博物館の歩き方がまだ攻略不足ですがなるべく定期的に訪れたい場所ですね。

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