【いつ着替えるか】LOVE ファッション 私を着替えるとき 京都国立近代美術館
京都服飾研究財団の服飾企画があることを知って2年間、楽しみに待っていた。
京都国立近代美術館は日本で一番最初のファッション系展覧会をした美術館でもあったので、本家というかこの美術館でみてみたいとも思っていた。
気温35度の京都を歩いたあと、一息つく間もなく正面から階段で3階まで登っていかねばならないのはきっついけど。槇文彦の建築は高低差が、ツライ 笑
感想
楽しい。
キャプションが楽しい。
社会学だこれはもう。
ただの洋服展示では無いのだ。
服飾文化史だけでもない。
人は何のために装うのか
ファッション(流行)とは。
素材との付き合いと歴史と保護とは。
という問いかけが続く。
それに合わせた服の展示が続くがリアルクローズではない。
実際に着る服からはかけ離れているが、表現としての服、よりアートに近いものがある。
メゾンの発表の後それらの、提示されたテーマや理念を一般の服へ落とし込み流行の流れを作っていく。
今まではそういう流れだった。
が、今は素材開発から手がける企業がマーケティングを駆使して、市場(SNS)からトレンドが生まれて流行(はや)っていく様に見せかけた構図も利用している(いわゆる「バズる」という現象)
ここ20年で洋服を取り巻く環境が変わったのか(百貨店は衰退し、ファッション通販を立ち上げた会社は上場し、そこにいた元社長は宇宙飛行したり美術品コレクターとして名を馳せたり)自分の年齢が緩やかに「最新」の「ファッション(流行)」というものの流れから外れて、関連が薄くなっていこうとしているのか。
どちらもなんだろうけど、そんな時日々着るもので自分は何を表現しているのか。
装う楽しさ、は失わずいられるのか。
自分の好きな物に身を包んでいられるのか。
疑問や自問自答が次々と浮かぶ展覧会だった。
まぁ…しかしね…
そんな考えてます、的な事を書いたけど、それとは別に
「ヨウジのドレスやっぱ最高だな!」とか
「白と黒しか勝たん」
「このレースの縫い方狂ってるなー!」
「はいはいジョン・ガリアーノ」
「99年の『身体の夢』でみたコム・デ・ギャルソンだ!」
みたいなフェチ発言もポンポン浮かぶ。
そんなもんだ。
数年前のファッションインジャパン展ではほぼ取り上げられることのなかったヨウジ・ヤマモトや川久保玲がしっかり見れて楽しかった。
あー楽しかった!
やっぱり装うことを楽しもうと思う。
気の向くままに。
常設展示室も企画展に合わせた展示あり
常設展示室では「LOVE ファッション展」に合わせたラインナップ。
数年前のドレス・.コード展で出していた作品も多い。そうか、京都国立近代美術館所蔵品だったのか。
《着倒れ方丈記》に関してはファッションインジャパン展の時、作者・都築響一の動画のインタビューが流れていて非常に皮肉の効いたコメントをしていた。よくこれをこの展覧会の展示室で流したな…と感心したものだった。
他、京都画壇の作品や着物の展示など盛りだくさん。